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萩尾 瞳さんの「韓国映画ランキング」

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更新日: 2020/10/27
萩尾 瞳

映画評論家、ミュージカル評論家

萩尾 瞳

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まえがき

韓国映画は、いま隆盛をきわめているように思えます。
振り返ってみれば、韓国の映画製作数を増え、描くジャンルもヴァラエティに富んできたのは、1980年代以降。あっというまに世界の映画界で大きな存在感を示すようになりました。
切ないラブ・ストーリー、陽気なコメディからアクションまで、多彩で面白い映画がたくさんあるなかで、3本を選ぶのは、なかなか難しいですね。というわけで、とりあえずはジャンルが重ならない作品という点を意識して選んでみました。

ランキング結果

1パラサイト 半地下の家族

パラサイト 半地下の家族

引用元: Amazon

制作年2019年
上映時間132分
監督ポン・ジュノ
メインキャストソン・ガンホ(キム・ギテク)、イ・ソンギュン(パク・ドンイク)、チョ・ヨジョン(ヨンギョ)、チェ・ウシク(キム・ギウ)、パク・ソダム(キム・ギジョン)ほか
主題歌・挿入歌-
公式サイトhttp://www.parasite-mv.jp/
動画配信サービスU-NEXT:配信中
Amazon Prime Video:配信中
Netflix:配信中
Hulu:配信中

説得力のある絵作り

やっぱり1位に選んじゃいますよね。いまいちばんホットでパワフルな作品ですから。
貧しい一家がリッチな一家に寄生して、あわよくば全てをのっとろうとするサスペンス・ドラマに、格差社会テーマを織り込んだ作品です。(いまさら説明の必要もなさそうですが。)ドキドキさせつつ一気に見せてしまうストーリーテリングが魅力です。
それ以上に、うならされるのが絵作りのうまさ。格差を、分かりやすく高低差で見せているのもそのひとつですが、雨水が本流となって道路を流れていくシーンなど、本当にうまいなあと思います。
ポン・ジュノ監督の絵作りのうまさは、他の作品、たとえば「グエムル 漢口の怪物」などにも、その手腕が光っています。

2サニー 永遠の仲間たち

サニー 永遠の仲間たち

引用元: Amazon

制作年2011年
上映時間124分
監督カン・ヒョンチョル
メインキャストユ・ホジョン(イム・ナミ)、シム・ウンギョン(高校時代のナミ)、チン・ヒギョン(ハ・チュナ)、カン・ソラ(高校時代のチュナ)、コ・スヒ(キム・チャンミ)ほか
主題歌・挿入歌Girls Just Want To Have Fun / シンディ・ローパー
公式サイト-
動画配信サービスU-NEXT:配信中
Amazon Prime Video:配信中
Netflix:配信中
Hulu:配信中

楽しくて、切なくて、温かい。

80年代後半、ソウルの女子高で仲良しグループだった7人。ひょんなことから別れ別れになった彼女らの25年後のリユニオンを描いた作品です。
7人の少女たちの個性の違いも、彼女らの交流を生き生きと描いたシークェンスも楽しく魅力的です。
25年後、再会を果たそうとするくだりはワクワクドキドキ。最後には、切なさと温かな思いが胸に広がっていくのですが。
大好きなガールズ・ムービー・ジャンルの傑作だと思います。日本をはじめ各国でリメイクされるのも当然でしょう。

3トンマッコルへようこそ

トンマッコルへようこそ

引用元: Amazon

制作年2005年
上映時間132分
監督パク・クァンヒョン
メインキャストシン・ハギュン(ピョ・ヒョンチョル)、チョン・ジェヨン(リ・スファ)、イム・ハリョン(チャン・ヨンヒ)、ソ・ジェギョン(ムン・サンサン)ほか
主題歌・挿入歌-
公式サイト-

心優しい反戦映画

見ているうちに、こちらの心も温かく優しくなっていくような映画です。でも、最後は切ないんですけどね。
物語の背景は1950年、朝鮮戦争が激しくなっていく頃。そんな戦争のことさえ伝わっていない山奥の小さな村が舞台です。そこにやって来た韓国軍兵士たちと、彼らの敵・人民軍兵士たち。さらに、墜落した飛行機のアメリカ人パイロットは連合軍所属。当然ながら反目し牽制し合う三者が、やがて親しくなっていきます。けれど、その平和も永遠には続かず…といった物語です。
声高に反戦を謳っているわけではないけれど、やっぱり反戦ドラマ。そんなテーマは別にしても、しみじみ胸にしみるヒューマン・ドラマです。

4友へ チング

友へ チング

引用元: Amazon

制作年2001年
上映時間118分
監督クァク・キョンテク
メインキャストユ・オソン(イ・ジュンソク)、チャン・ドンゴン(ハン・ドンス)、ソ・テファ(チョン・サンテク)、チョン・ウンテク(イ・ジュンホ)、キム・ボギョン(ジンスク)ほか
主題歌・挿入歌-
公式サイト-

男たちの熱いドラマ

幼なじみの4人の少年が、高校時代を最後に別々の道を歩いていくヒューマン・ドラマ。と言っても、けっこうヴァイオレンスだったりもします。
2人は大学に進み、2人は裏社会に入りと、それぞれの道が離れていくのですが、さらに裏社会の2人は敵対する関係になってしまいます。それでも、心の奥にかつての友情が秘められているというのが、なんとも切なくなる作品です。
幼い頃のピュアな姿が印象的で、胸にしみます。

あとがき

4位の「友へ~チング~」は、リアルタイムで見て、けっこう衝撃を受けた作品です。「まえがき」でも書いたように、韓国映画が世界マーケットで存在感を強めたのは80年代以降。もっと言えば90年代。「シュリ」(選ばなかったけど、選ぼうかと迷いました。)あたりから韓国ニューウェーブと呼ばれる、ドラマ性を重視した作品が続々と登場し、それまでの韓国映画野概念を塗り替えてしまいました。その意味で、「友へ~チング~」は記憶に鮮やかな作品でもあるのです。

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