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高橋 真生さんの「絵本作家ランキング」

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更新日: 2020/12/25
高橋 真生

学びと読書のアドバイザー、絵本専門士

高橋 真生

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まえがき

今回は、好きな絵本作家の中でも「子どものときに出会ってほしい」「大人になって読み返してほしい」絵本作家を選びました。

この3人の絵本作家の絵本なら、どれを選んでも、いずれ子どもたちの「思い出の一冊」になるでしょう。また、大人になってから改めて出会うことで、子どものころとは違う発見をしたり、ほっとなごんだりできるはずです。

また、どの絵本も、自分が生きていく世界のすばらしさを教えてくれます。暗い気持ちになりがちな、今だからこそ読みたい絵本としてもおすすめします。

親子で、そして一人で、どうぞお楽しみくださいね。

ランキング結果

1かこさとし

かこさとし

©株式会社偕成社

生没年1926年〜2018年
生年月日 / 星座 / 干支1926年3月31日 / おひつじ座 / 寅年
出身地福井県
代表作品絵本『だるまちゃん』シリーズ
絵本『からすのパンやさん』
資料集『伝承遊び考』

子どもの力を信じ、子どもたちに愛される

『からすのパンやさん』や「だるまちゃん」、「どろぼうがっこう」などの物語に、人体から宇宙まで多様なテーマの科学絵本。絵本以外のものも含め、600を超える作品を手がけたのが、かこさとしさんです。

かこさんの絵本には、子どもの好きなものや不思議なことがたっぷりつまっています。「わあ!」という感動は、好奇心や想像力を刺激し、科学的な物の見方を教え、日々の生活を充実させてくれます。

数々の名作は、かこさんの真摯な姿勢から生まれました。かこさんは、日本を代表する絵本作家、児童文化の研究者、工学博士でありながら、「子どもが先生」と子どもの生の声を聞き続けたのです。

まじめで、知的で、楽しい。かこさんの子どもたちへの愛情が、どの絵本からもあふれてきます。

2ロバート・マックロスキー(John Robert McCloskey)

ロバート・マックロスキー(John Robert McCloskey)

引用元: Amazon

生没年1914年〜2003年
生年月日 / 星座 / 干支1914年9月15日 / おとめ座 / 寅年
出身地アメリカ
代表作品絵本『カモさんおとおり』
絵本『すばらしいとき』
絵本『ハーモニカのめいじんレンティル』

絵本の中で、子どもたちをのびのびと遊ばせてくれる

絵本を開けば子どもたちがスーッと引き込まれ、ハラハラしたり笑ったり、そして大満足のため息でラストを迎える…… それがマックロスキーの絵本です。

『うみべのあさ』『かもさんおとおり』などを代表作とするマックロスキーの絵本は、あたたかくてゆかい、その文章には思わず口ずさんでしまうリズミカルなフレーズがちりばめられています。

また、つぶさに観察され描き込まれたリアリティのある絵は、映像作品を見ているよう。何もかもがいきいきと動き、大きさ、スピード、高さ、音や匂いまでがダイレクトに伝わってくるのです。

そして、最大の魅力は、絵本からあふれてくる幸福感です。自身の生活を元にした、けれどいかにも絵本らしい物語は心をほぐし、家族や自然、毎日の暮らしの、すばらしさと愛おしさに気づかせてくれます。

3エドワード・アーディゾーニ(Edward Jeffrey Irving Ardizzone)

エドワード・アーディゾーニ(Edward Jeffrey Irving Ardizzone)

引用元: Amazon

生没年1902年~1979年
生年月日 / 星座 / 干支1902年10月16日 / てんびん座 / 寅年
出身地イギリス
代表作品絵本『チム』シリーズ
絵本『時計つくりのジョニー』
自伝『エドワード・アーディゾーニ若き日の自伝』

困難な状況でもなくさなさい、希望や勇気を描く

「チム」シリーズや『ダイアナと大きなサイ』など、アーディゾーニの絵本に出てくるのは、勇敢で、賢くて、自分の思いに真っ直ぐな子どもたち。

意志を貫くのは、いつだって、簡単なことではありませんね。彼らも、周囲の無理解や誹謗中傷など、現実的な厳しさにぶつかります。それでも懸命に困難に立ち向かう姿、幸せな結末には、大人でも胸が熱くなります。

そんなふうに、人が生きていく上で必要な希望や勇気を見せてくれるのが、アーディゾーニの絵本です。

絵は、ペンで描いた線と透明感のある色彩が印象的で、人々の暮らしや街並みが、自身の思い出と共にリアルに美しく描かれています。

お子さんの最初の1冊には、『チムとゆうかんなせんちょうさん』がおすすめです。5・6歳でも、「続きが気になる」ソワソワを味わうことができますよ。

あとがき

今回のチョイスは、気付けばロングセラー絵本の作者ばかりでした。かこさんは日本、マックロスキーはアメリカ、アーディゾーニはイギリスを代表する絵本作家で、世界中で愛されています。

どの絵本も、もう長いこと読み継がれているのに、ちっとも古びていません。それどころか、いつ読んでも新鮮で、子どもにも大人にも、深い喜びをもたらし、心をやわらかにしてくれます。

まずは、気になる1冊に触れてみてくださいね。時代を超えて読まれる絵本の持つ確かな力を、きっと感じられるはずです。

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