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百済の歴史なくては日本の成り立ちもあり得ないという実感の旅

10年程前に韓国の扶余を訪れた。ソウルから高速バスで2時間弱の扶余は古代朝鮮の1つ、百済の最後の首都で、私事だが百済由来の苗字を持つ者として一度訪れてみたかった。1500年ぶりの里帰りだと意気込んでバスを降りたったものの、辺りに英語表記もなく早速途方にくれた。すると時代劇のような仮装集団が馬と共に通りをそぞろ歩いていて、どうやら大百済祭りのパレードだった。警備の若い警察官とブロークン英語でやり取りし、何とか迷子にならずにすんだ。飛び込みで宿も確保し、百済世界遺産群のひとつ定林寺趾(チョンニムサジ)へ。奈良の飛鳥寺のモデルとされているが、その昔唐に滅ぼされたという文字が残る五重塔と緩やかに朽ち果てた石の大仏しか当時の面影を残さない、ちょっと物哀しい史跡だった。けれど広大な境内でくったくなく遊ぶ幼児達に未来を見た気がしたし、その後ロッテが再開発で観光地として整備したとの事で又行ってみたい。