わかなさんの「暗殺教室キャラランキング」

歪んでしまった天才

世界一の殺し屋である死神の唯一の弟子。
死神の持つスキルに憧れて殺し屋を志し、いつしか死神に認めてもらいたいと思うようになったが、死神にとって自分はただの道具に過ぎないのだということに気づいて歪んでしまった。殺せんせーの言葉を借りれば、かつては「善悪の区別のつかない少年だったが その目には才能と 彼なりの夢と希望が溢れていた」のである。
死神の目に自分は映っていないと気づいてしまったことで、自分の顔を潰し、果ては柳沢と協力し、殺せんせーを追い詰めるラスボスとなってしまったが、育て方さえ間違わなければ全く違った人生になったであろう。ある意味、殺せんせーの教師としての後悔を象徴する人物である。

また、彼が花屋の青年を偽っていたことも泣けるポイントである。死神に唯一直接褒めてもらったフラワーアレンジメントの才能。それに知らず知らずのうちに固執していたのであろう。死神に花を飾るセンスを褒めてもらった時の二代目の心の底から嬉しそうな純粋な笑顔は、是非ともよく見てもらいたい。
さらに、アニメだとわかりやすいが、彼はE組来訪時に白い彼岸花の花束を持っていた。白い彼岸花の花言葉は「また会う日を楽しみに」「想うはあなたひとり」である。二代目死神自身が意図していたかは不明だが、関東地方で群生しにくく、花束として使われることも少ない白い彼岸花のここでの登場は、二代目死神と初代死神との邂逅を暗喩していたのではないだろうか。

殺せんせー暗殺において生徒ごと殺そうとしたり、ビッチ先生を捨て石として利用したりなど冷酷な部分、最終的に生徒に出し抜かれていたりなどの精神的に未熟な部分、それら全てを二代目の過去を知ってから見ると、なんとも言えない苦しい気持ちになる。

そして18巻「敵の時間」の最終ページを見ればわかるように、初代死神は彼のことを「あと10年もすれば初代を超えた暗殺者になっていただろう」と認めていたのだ。しかし二代目は最期までそれを知ることはなかった。だからこそ、二代目が殺せんせーに殺される時に言った「……あんたに認めて欲しかった。あんたみたいに…なりたかった」というセリフが心に響く。

彼がこの物語の必要悪であることはわかるが、どうか”あっち”で殺せんせーと共に勉強をして幸せになってくれることを願う。



そしてこちらは蛇足だが、スピンオフ作品「殺せんせーQ！」のアニメ版では殺せんせーと二代目が同じコタツに入っている様子が見られるので、ぜひ見てほしい。
私はそれを見た瞬間に「二代目〜〜〜！先生と同じコタツに入れてよかったね〜〜〜！どうか幸せになってくれ〜〜〜！」と泣きそうになってしまった。
漫画版の方では殺せんせーに完全に忘れ去られていた上に、完全に敵対してしまい、原作と同じ結末を迎えていたので少し心が痛んだが……