変魚さんの「洋楽女性アーティストランキング」

真のポップスター

デビュー時はもちろん、ブレイクした頃もまだティーンエージャーだったビリー。いわゆる「女子＝元気でキュート」というステレオタイプとは対極にある、今にも消え入りそうなボーカルスタイルと、気怠げでダークな世界観でその名を世界中に轟かせていった。そんな彼女は、一見するとアバンギャルドに思えるかもしれない。しかし、包み隠さないリアルな若者像をあらゆる面で体現し、世界中のリスナーたちの共感を得たという意味では、非常にポップだと言えるのではないだろうか。このバランス感覚は音楽性にも反映されているように思う。彼女が作る曲には、様々な時代の正統派ポップミュージックの影響が確かに詰まっていると同時に、彼女ならではのどこか風変わりなアイデアや芸術的センスが全体に散りばめられている。
そんな唯一無二のポップソングを届け続ける彼女は、この何年かで最高のポップスターだと思う。