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しかしひと口に「野球アニメ」といっても、中には思わぬ切り口で描かれている作品や、ルールを知らなかったり興味が無い人でも惹きこまれ、楽しめる作品が実は沢山あります。
今回は数ある野球アニメの中でも、野球好きな人からルールを知らない人まで楽しめる、個性的な作品を3本選ばせていただきました。
(実は選者自身、アニメや漫画で触れるまでは野球のルールも知らなかったのですが…そんな人間でも夢中になれて、しかもルールやその面白さまで知ることができた作品達でもあります)
ランキング結果
2位グラゼニ(アニメ)
実は働く⼈が共感できる”お仕事アニメ”?
プロ野球の中継ぎ投⼿が主⼈公の本作。そう聞くと、あまり野球に興味が無い⼈には⾃分とは違う世界のお話に聞こえてしまうかもしれません。しかし本作は働く⼈なら職業関係なく共感できる“お仕事もの”として楽しめるのが何よりの特徴です。
同じポジションでも⾃分より年俸の⾼い選⼿にはどこか気後れしてしまったり、かと思えば⾃分より年俸の低い相⼿には強気でいられたり。結果を出せれば⼀攫千⾦という向上⼼や欲もある⼀⽅で、不調や失敗によっていつ痛い⽬をみるかもわからず結果慎重になって現状維持に⽢んじてしまったり…。
そんな野球の試合以上に重点を置いて描かれる”⼈間味の強い主⼈公が⾝の振り⽅や⼈⽣設計を考えて⼼を浮き沈みさせる描写”が、華やかなイメージの強いプロ野球選⼿も、当たり前ですが『⾃分達と同じお仕事をして⽣活をするひとりの⼈間なんだ』と思わせてくれて、深く感情移⼊ができます。
それでも特殊な職業であることに変わりはありませんが、そうしたどこか⾝近にも感じられる描写があることで、単にプロ野球選⼿のリアルな姿を覗くだけでなく、主⼈公に共感し、彼の生き様に⾃分も明⽇を⽣きるやる気がもらえるような…そんな斬新な野球アニメです。
3位メジャーセカンド
前作を知っていても、知らなくても楽しめる?”2世もの”アニメ
野球アニメに詳しくない⼈でも、もしかしたらタイトルは聞いたことがあるのでは?というくらい有名な「メジャー」という作品の続編となる本作は、いわゆる“2世もの”としてみると、野球に詳しくない⼈でも楽しめるのが特徴です。
本作の主⼈公は、タイトルや2世ものという⾔葉からも分かる通り「メジャー」時代の主⼈公の息⼦。しかし世界で活躍した有名な⽗親と⽐べ、ずば抜けた才能に恵まれている訳でもなく、憧れる⽗親の存在がいつしか逆にコンプレックスになってしまいます。
そんな主⼈公が、挫折や葛藤を経て、様々な障害にぶつかりながらも、⽗を“越える”のではなく、“⾃分のやり⽅”をみつけて大好きな野球に向き合っていく姿には、野球アニメであるという前提に関係なく、ひとりの⼈間の成⻑ドラマとしても強く胸を打たれるはずです。
そうした一面があることで、野球ものどころか前作を知らない⼈でも十分に物語を楽しむことができますし、前作を知っている⼈は知っている人で、新旧主人公のギャップや、前作を知っているからこそ気づく胸熱展開に夢中になれます。
実は2位の「グラゼニ」と同じ監督が⼿掛ける本作。同じ監督が手掛ける同じ野球アニメでありながらも、それぞれが違った魅力をみせてくれるのも面白いところです。両方視聴して、その違いを味わってみるのもよいのではないでしょうか。
まるで”⽂系野球作品”?
新⼊⽣しかいない発⾜したての硬式野球部が甲⼦園を⽬指す——とだけ聞くと、スポーツモノとしては王道な、無名チームの痛快な下剋上的展開を予想されるかもしれません。
しかし本作の特徴を⼀⾔で表すなら、ずばり”文系野球作品”。王道どころか、野球ものとしてはなかなかみられない切り口で、野球アニメなら沢⼭みてきたよという人から野球のルールを知らない人まで夢中にさせる作品なのです。
1年⽣チームが周りの強敵に勝つために効率よく練習を⾏おうと取り⼊れるのはなんと”メンタルトレーニング”。そして試合では、もちろん野球の専⾨的な戦略も展開されるものの、同時に”各選⼿の⼼理描写がかなり深く描かれる”ことで、ルールを知らなくともしっかりと感情移⼊が出来、試合の展開や勝利の⾏⽅を⼿に汗握って⾒守ることができるのです。
汗も涙も流すし泥だらけにもなる一方で、野球アニメと聞いて思い浮かぶ”スポ根”のイメージともかけ離れたこうした本作独特の文系的な魅⼒たちが、野球をあまり知らない⼈から野球が好きな⼈まで、野球知識のあるなしに関係なく物語にのめり込ませてくれます。
ぜひ⼀度、その新鮮な感覚を味わってみてください。