Satoruさんの「歌唱力の高いアーティストランキング」

過小評価されている

玉置浩二、布施明、久保田利伸なども男性ヴォーカルとしては同格で上手いとは思うのですが、全盛期の最高到達点という観点で言うとやっぱりこの人をおいて他にいないのではないでしょうか。

この手のランキングは「高いレベルで長期間変化していないこと」、「年齢を重ねても（全盛期の）声が維持されていること」が重視されている印象があります。例えば小田和正、稲葉浩志、松山千春などが該当するのかなと。

その一方でこの人の場合、曲もそうですが歌唱もデビュー時から相当変遷しています。ざっくりな切り分けですが、デビュー当時のフォーク/歌謡曲テイスト、セールス全盛期のフィジカルに優れたそれ、人によってはクセを感じるここ20年程の歌唱。そして例の事件からの復帰後の、若い時以上に一生懸命な今の歌唱。それぞれ好き嫌いはあるでしょうが、こうして変化しながら、様々な曲を歌いながら、時代を超えてきた歌手がもう少し評価されても良いのではないかと思うのです。

全盛期はオリジナル版（出演しているアーティストのレベルが後の日本版とは全く異なる）のMTV Unpluugedへの出演、90年代前半～半ばに東アジアでも人気を確立していたこと等、日本国内の枠を超えた活動をする初めての邦楽アーティストであったことは間違いありません。アジアNo.1のアーティストとして複数年に渡りモナコ音楽祭にも呼ばれていた実績もあります（その後呼ばれたのは安室奈美恵だけのはず）。歌唱力も当然ながらそれに見合ったものでした。

最近サブスクも解禁されましたし、全盛期のライブ動画などもYoutubeで見られます。例の事件はもちろんご本人に責任があるのですが、それにしても現在は過小評価されすぎています。再評価が進むことを願ってやみません。