みんなのランキング

レモンさんの「桐野夏生おすすめ作品」

8 1
更新日: 2020/10/30

ランキング結果をSNSでシェアしよう

Twitterでシェア

ランキング結果

1OUT(小説)

OUT(小説)

引用元: Amazon

『OUT』(アウト)は、桐野夏生の小説。1998年に日本推理作家協会賞を受賞した。テレビドラマ化、映画化、舞台化もされた。深夜の弁当工場で働くパートの主婦・弥生が、夫によるDVに耐えかねて殺害したことをきっかけに、平凡な主婦たち4人が自由を求めて日常を離脱・脱社会化し、「OUT(アウト)」してゆく物語である。

スリルと生々しさ

平凡な主婦のが家庭内暴力に悩み夫を殺害してしまい、その死体をバラバラに切断し…という、実際にありえなくもない設定にまず引き込まれます。
殺人の事実を隠しながら仕事に行き、切断した死体を処理し、警察の目を恐れる…ドラマや映画にもなりましたが、これらの生々しい描写は活字で読むからこその面白さだと思います。

2東京島(小説)

東京島(小説)

引用元: Amazon

1945年から1950年にかけて、マリアナ諸島のアナタハン島で起きたアナタハン島事件をモチーフに創作された作品。『新潮』(新潮社)にて、2004年1月号から2007年11月号まで断続的に計15回連載され、2008年に刊行された。第44回谷崎潤一郎賞受賞作。

本能とは何か

無人島に31人の男、女はたった一人の自分。
一瞬聞こえは良いが、その男たちも俳優の様なイケメンでも何でもなく、自分の夫と見知らぬ日本人・中国人男性。
無人島で女が1人ということは、男たちの欲が溜まってきたらどういうことになるのか。
また、無人島で女が1人という価値の高さに気付いてしまったら女はどう豹変するのか。
日常生活から切り離された時の、人間の本能を見せつけられました。

救われない人間もいる

娼家で産み落とされ、親が誰かも分からないまま児童養護施設で育った主人公。
娼家では大人たちから汚いものとして扱われ、児童養護施設でも親が分からないことでいじめられ、ただただ凶悪な人間に育って行く。
さらに救われないのは、そんな主人公の周りに誰一人として善良な人が居なかったこと。
数々の悪事を働いて過ぎていく主人公の人生は救われず、読んでいて絶望感に包まれました。

今まで少し違う桐野作品

多くの作品は「性」「金」「欲」のようにドロドロとしたテーマが多い中、この作品は福祉制度が崩壊して渋谷の街で生活することになった少年の物語。
「こんな悲惨な社会になるわけない」と思いながら当時読んでいましたが、危機的な状況を迎えている2020年現在、ちょっとリアリティが出てきたなと感じています。
今までの生々しい作品とは少し違う、ちょっとだけ社会派な雰囲気の作品です。

5だから荒野

だから荒野

引用元: Amazon

『毎日新聞』朝刊の連載小説で、2012年1月から9月まで掲載された。執筆にあたっては連載の前年に発生した東日本大震災を意識していたことを連載終了後に桐野が明かしている。2013年に大幅に加筆修正されたものが単行本として出版された。

主婦のリアルな気持ち

我ままで勝手な家族にうんざりし、自分の誕生日に家族をすてて来るまで家でする主婦の物語。
この作品も血生臭さはないが、中年の既婚女性の抱える葛藤や矛盾する気持ちをきっちり表現されているのではと感じます。
桐野夏生作品の中では軽い気持ちで読める1冊です。

このランキングに共感できましたか?

総合ランキングをみる