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しばりやトーマスさんの「『オトナ帝国』『戦国大合戦』以外のクレしん映画ベストランキング」

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更新日: 2020/09/14
しばりやトーマス

映画マイスター

しばりやトーマス

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まえがき

クレしん映画でランキング集計すると『嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲』『嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦』の二本が大抵不動の一位と二位になるわけだが、この二つは除外した上でやればいいのにと思う。
この二つが傑作で泣けるのはもうわかったから!「あれは泣ける感動作なんだよ・・・」と目頭抑えながら呟いてくるファンの姿がつらい。泣ける感動作以外にも面白いしんちゃん映画はいっぱいあるじゃないか!
というわけでこのランキングは世間の泣けるしんちゃん映画、いわゆる「泣きしん」信者の人たちに笑えるしんちゃん映画をおススメしたいという意図の元つくられた。

ランキング結果

1映画 クレヨンしんちゃん 爆発!温泉わくわく大決戦

映画 クレヨンしんちゃん 爆発!温泉わくわく大決戦

引用元: Amazon

『クレヨンしんちゃん 爆発! 温泉わくわく大決戦』(クレヨンしんちゃん ばくはつ おんせんわくわくだいけっせん)は、1999年(平成11年)4月17日に公開された『クレヨンしんちゃん』の劇場映画シリーズ7作目。上映時間は110分。興行収入は約9億円。 キャッチコピーは「脱いだら無敵。」。

子供にはわからないネタがいっぱい

散歩中のしんちゃんが行き倒れているおじさんに声をかける。
「変なおじさん何してんの?」
「俺はタンバだ!」
まったく説明になってない!名前からわかる通り丹波哲郎がゲスト出演。丹波は「俺はジェームズ・ボンドとも温泉に入ったことがある!」と自分が出演していた『007は二度死ぬ』(1967)のことを言うんだけど子供にはわからないよ!
野原家の地下から伝説の温泉“金の魂の湯”の水脈があり、それを手に入れ地球温泉化計画を実行しようとするテロ組織YUZAMEに対抗する秘密組織温泉Gメンによって保護を受ける野原一家。Gメンのリーダーは草津といい、声はティモシー・ダルトン。ジェームズ・ボンドの吹き替えやってた小川真司という・・・だから子供にはわからんよ!そんなの!

終盤、YUZAMEの操る巨大ロボット(モゲラ風デザイン)がカスカベを破壊。それに対抗すべく自衛隊が出動。玄田哲章声の隊長が「おい、景気づけのミュージックだ!」というと伊福部昭の「ゴジラのテーマ」が流れる。そしてゴルフ場に面した河川敷に整列した戦車隊がロボットに一斉射撃!『シン・ゴジラ』を先取りする大バトルにようやく子供も大興奮なのだが、大多数の小さなお友達にはわからないネタを散りばめすぎたせいか、クレしん映画史上ワーストの興収記録9億円となってしまった。でも大きなお友達はタンバの大活躍から目が離せないぜ!ちなみに温泉Gメンのセクシーエージェント、指宿ちゃんの声は田村ゆかりさんです。

2映画 クレヨンしんちゃん オラの引越し物語~サボテン大襲撃~

映画 クレヨンしんちゃん オラの引越し物語~サボテン大襲撃~

引用元: Amazon

『クレヨンしんちゃん オラの引越し物語 サボテン大襲撃』(クレヨンしんちゃん オラのひっこしものがたり サボテンだいしゅうげき)は、2015年4月18日に公開された『クレヨンしんちゃん』劇場映画シリーズ第23作目。 キャッチコピーは「ありがとうカスカベ。さようならカスカベ。」。

モンスターパニック映画

映画クレしんでは世界(もしくはカスカベ)の破壊や支配をもくろむ悪の秘密結社が出てくるものだが、今回は悪の秘密結社が存在せず、メキシコに発生した人を捕食するキラーサボテンが敵となるモンスターパニック映画なのだ。
破壊しても接ぎ木して復活するキラーサボテンにはクレしん映画なので見た目は可愛いが、人間のような意思がないので大量に蠢いて人を襲っていくシーンは半端なモンスター映画より恐ろしい!そんな恐ろしい植物も産業が何もない街を栄えさせるためには必要なんだというドヤ顔の町長のせいでさらなるトラブルを呼ぶというのも『ジョーズ』以降王道の展開で、単なるギャグアニメと侮るなかれ、研究された場面が目白押しだ。おかげで104分という長尺になってしまったが、まるで役に立たないサブキャラたちが一致団結して困難を乗り切るなど、飽きさせない。人見知りでいつも不機嫌なサブヒロイン役・スマホちゃんを演じた指原莉乃の演技が意外とハマっている

3映画 クレヨンしんちゃん ヘンダーランドの大冒険

映画 クレヨンしんちゃん ヘンダーランドの大冒険

引用元: Amazon

制作年1996年
上映時間97分
原作臼井儀人
キャラクターデザイン原勝徳
監督本郷みつる
プロデューサー茂木仁史、太田賢司、堀内孝
メインキャスト矢島晶子野原しんのすけ)、ならはしみき(野原みさえ)、藤原啓治野原ひろし)、田中秀幸(ジョマ)、大塚芳忠(マカオ)ほか
演出原恵一
主題歌・挿入歌SIX COLORS BOY / 雛形あきこ
制作会社シンエイ動画、テレビ朝日、ADK
公式サイト-

初代泣きしん映画

劇場4作目にして隠れた名作、というか『オトナ帝国』ができるまではこれがクレしん映画でもっとも泣ける映画として人気だった。泣きしん映画に反発気味な筆者もこれには頭を下げる。
妹・ひまわりが誕生する前なので野原一家3人時代最後の作品。
幼稚園の遠足で群馬の遊園地ヘンダーランドにやってくるしんのすけ。まだオープンしていないサーカス団のテントに迷い込んだしんちゃんはねじ巻き人形のトッペマ・マペット(尻の穴でねじを巻く設定で、子供は大喜びだが大きなお友達は赤面)からヘンダーランドはオカマ魔女のコンビ、マカオとジョマが地球を制服する目的のために作られた場所であると告げられる。トッペマから力を貸してほしいと頼まれるしんちゃんだが、怖くて頼みを断ってしまう。しかしひろしとみさえがマカオとジョマの手下につかまってしまったことから、勇気を出して立ち向かうことに。
ディズニーのアニメに出てくる妖精のようなデザインのトッペマは今でいうところの萌えキャラ風(しかも声が潮崎ゆり子)な上にディズニーでもやらないようなダイナミックアクションを披露。終盤、ダイナマイトバディの魔女チョキリーヌと戦ってしんちゃんの目の前で息絶える(!)トッペマを涙ながらに見送るしんちゃんを見てひろしが「今、俺たちの息子が少しだけ大人になったんだ」とつぶやく場面はクレしん映画史上屈指の泣かせる名場面だ。

4映画 クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ 栄光のヤキニクロード

映画 クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ 栄光のヤキニクロード

引用元: Amazon

制作年2003年
上映時間88分
監督水島努
メインキャスト矢島晶子野原しんのすけ)、ならはしみき(野原みさえ)、藤原啓治野原ひろし)、こおろぎさとみ(野原ひまわり・埼玉のタマちゃん)、真柴摩利(風間トオル、シロ)、林玉緒(桜田ネネ)、一龍斎貞友(佐藤マサオ)、佐藤智恵(ボーちゃん)ほか
主題歌・挿入歌こんな時こそ焼肉がある / のはら家オールスターズ
制作会社シンエイ動画、テレビ朝日、ADK
公式サイト-

焼肉が食べたい

本作は非常に重要な位置づけの作品である。なにしろ前二作が『オトナ帝国』と『アッパレ!戦国大合戦』だから。今までクレヨンしんちゃんを見ていないような世代の人まで巻き込んで好評を博したシリーズのあと、映画クレしんをどういう方向に持っていくのか?
あまりに貧層すぎる朝食に抗議する野原家の面々。それは家計を節約してみさえが用意した高級焼肉のためであった。
しかし突如乱入した白衣の男と彼を捕まえにきた堂ヶ島少佐(ソフト帽にサングラス姿という『地獄の黙示録』のキルゴア中佐のパロディ)、彼が所属する秘密組織・有限会社スイートボーイズによって野原一家は凶悪な指名手配犯にされてしまい、春日部中の人々が一億円の賞金目当てに野原一家を捕まえようとする。ひろしたちはスイートボーイズの追っ手を振り切り、熱海を目指す。すべては家に無事帰って焼肉を食べるため…
どんなに家族をバラバラにされても、世界を敵に回してもたったひとつ「焼肉を食べたい」という目的のため(こんな目にあったのは焼肉が理由じゃないんだけど…)に邁進する野原一家の活躍は映画のパロディを散りばめた、ありとあらゆるドタバタが続いていく。当時流行っていたアザラシのたまちゃんを海に帰したり、野原一家がイケメンなデフォルメタッチで焼肉を食うシーンを妄想したりとバリエーション豊かなギャグがこれでもかとつぎ込まれて、観客の首根っこ捕まえてでも楽しませようというサービス精神が垣間見えて、「泣きしんちゃん」に疲れていた身には沁みた。

5映画クレヨンしんちゃん 爆盛!カンフーボーイズ ~拉麺大乱~

映画クレヨンしんちゃん 爆盛!カンフーボーイズ ~拉麺大乱~

引用元: Amazon

『クレヨンしんちゃん 爆盛!カンフーボーイズ~拉麺大乱~』(クレヨンしんちゃん ばくもり カンフーボーイズ らーめんたいらん)は、2018年4月13日に公開の日本のアニメーション映画で、クレヨンしんちゃん劇場映画26作目である。 キャッチコピーは、「アクション大盛り友情濃いめ」。

ももクロ最高

アイヤータウンに住む伝説の拳法、ぷにぷに拳の師匠(声は関根勤)に弟子入りしているマサオ君につきあう形で弟子入りするカスカベ防衛隊。しんちゃんは面倒くさがるが、師匠の一番弟子の美女ランちゃん(CV:潘めぐみ)を見てあっさり弟子入り。ぷにぷにのほっぺを見て「君には素質がある!」と師匠から直接認められたしんちゃんや風間くんたちは8つあるぷにぷに拳の奥義を次々マスターするのだが、「ぼく、兄弟子だから」と先輩風を吹かせまくるマサオ君はひとつもマスターできない(やっぱり)。そのころアイヤータウンには一度食べたら病みつきになってしまう「ブラックパンダラーメン」が大流行りだが、食べた人間は凶暴化していく。それらは秘孔の達人、ドン・パンパンによる秘孔を突いたラーメンによるものだった。パンパンはアイヤータウンを次々地上げしてブラックパンダラーメンタワーを築き、金もうけに邁進する。このただ金もうけのためだけ、という目的の悪役は珍しく、クレしん映画では世界征服や自分の思い通りの世界を作り上げようとするやつとか、その悪役も大抵過去のしょうもないトラウマが悪事を働く理由だったりする(『温泉わくわく大決戦』のボスなんて銭湯で長嶋茂雄の背番号3の靴箱が開いてなかったことで悪の道に堕ちていく)。
そしてなんとこの悪役は途中であっさりやられてしまう。映画はそこで終わらずに、ランちゃんはブラックパンダラーメンそのものが悪ではなく、この世のあらゆる悪が問題だとし、些細な悪にも鉄槌を下すようになる。コンビニの置き傘を取るやつを「お前の傘じゃないだろ!」と叩きのめし、満員電車ですかしっ屁をするやつを「人の迷惑を考えろ」とボコボコに。ねじまがった正義感を押し付けるランちゃんにみんなが怯え始める。
ランちゃんはぷにぷに拳の最終奥義を会得する権利をしんちゃんと争うのだが、奥義を伝承する力を持つぷにぷにの精(声がサモハンの吹き替えでおなじみ水島裕)が選んだのはしんちゃんで、「あらゆるものをやわらかくすることでマスターできるぷにぷに拳に、お前の考えは固すぎる」という理由でランちゃんは資格がないとされる(しんちゃんは「奥義を会得したらどうする?」という質問に「ななこお姉さんとデートする!」とふざけた回答ばかりするのだが)。
半ば強引に奥義を継承したランちゃんは「力なき正義は無力、正義なき力は暴力」を地で行くようになってしまう。そんなランちゃんの暴走を止めるきっかけはなんとマサオ君で、毎回冴えないダメっぷりを見せ『栄光のヤキニクロード』ではお菓子でしんちゃんを売って「裏切りおにぎり」呼ばわりされていたマサオ君はちょっぴり活躍。ランちゃんを改心させる手段は「なんだそれは」と言いたくなる方法で(実は映画のどこかに伏線が張ってある)思わずずっこける。
ここ数年はイマイチな作品が続いていただけに久々に改心の一撃といったところ。出番が腰砕けるほど少ないももクロの新体制主題歌も最高だ!

6映画 クレヨンしんちゃん バカうまっ! B級グルメサバイバル!!

映画 クレヨンしんちゃん バカうまっ! B級グルメサバイバル!!

引用元: Amazon

制作年2013年
上映時間95分
監督橋本昌和
メインキャスト矢島晶子野原しんのすけ)、ならはしみき(野原みさえ)、藤原啓治野原ひろし)、こおろぎさとみ野原ひまわり)、真柴摩利(風間トオル、シロ)、林玉緒(桜田ネネ)、一龍斎貞友(佐藤マサオ)、佐藤智恵(ボーちゃん)ほか
主題歌・挿入歌RPG / SEKAI NO OWARI
制作会社シンエイ動画、テレビ朝日、ADK
公式サイト-

とにかくやきそばが美味そう

浦沢義雄脚本作品ということで期待値の上がった一本。
B級グルメの撲滅を企むA級グルメ機構との対決という話だが、A級グルメ機構のボス、グルメッポーイは幼少のころ、B級グルメである屋台やきそばを食べようとしたところ、親に止められたため食べることが出来ず逆恨みでB級グルメを滅ぼそうとするという、心底どうでもいい理由で争いが起きる。浦沢脚本は理由も結論もどうでもいい具合に割り切っているのが素晴らしい。なによりやきそばが美味そうだ。やきそばというチョイスが最高ではないですか。想像しただけでソースのにおいが漂ってきて、ラーメンやご飯ものでは感じられないインパクトがある、まさにB級グルメだもの。

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