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まず、この作品はバンドリシリーズではあるが、過去のキャラが出てくるもののストーリーに絡むことはなく、シリーズ初見の人でも問題なく見ることができる(知っている人が見れば思うことがあるかもしれない)。バンドものとしてというより、人間ドラマとして見ると非常に良くできたシナリオで、一定以上の合理性があるので、トンデモ展開に見えるところも、単なるご都合主義ではない説得力がある。前半は話が全く進まないように見えるが、この間に伏線が張られていく。一部のシーンで主人公のモノローグはあるものの、基本的に説明的な台詞がなく、日常的な会話や表情、仕草等からキャラの置かれた状況や人となり、心情といったものを察していかないと話の進展に気付かないので、頭を空っぽにして視聴したい人にとっては険悪なシーンでしかない。そういった伏線を回収しつつ、7話のライブからバンドの崩壊が始まり、その後再生していく流れは見応えがあり、ドラマチックな展開でありながら説得力がある。また、物語の節目にライブ回があり、物語を見てからのライブシーンは味わい深い。使用された楽曲は好き嫌いは別にして、ストーリーに非常にマッチしていて、その歌い方も含めて、よく考えられたものだと思う。特に10話のライブシーンは、ツッコミどころはあるものの、そんなことはどうでもよくなるくらい、力があるシーンだった。3DCGについては、3話の主人公一人称視点の演出、7話の定点カメラ視点による緊張感の演出、ライブシーンでのカメラワーク、日常シーンからライブシーンへのスムースな移行等、作画とは違った魅力があった。その一方で、バンドものとしては、急に演奏が上手くなったり、観客の民度が高かったりと緩いところもあり、それが気になる人もいる。新人声優さんの演技も日常会話のリアルさを優先させたなら問題ないが、アニメ作品としての演技は、(実際にバンド活動をしていることを加味して)今後に期待といったところだ。ただ、そういったマイナスポイントがあっても、それを遥かに超える面白さがあり、非常に尖ったシナリオで、個人的には今季一だと思っている。また、終盤に入ってからアニメ解説のYouTube動画で高評価が出だしたり、海外でも視聴者は少ないものの良作と評価されているみたい(現時点でMALのスコアだけなら「リコリスリコイル」とほぼ同じ)で、もっと評価されても良い作品だと思っている。
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人間ドラマとしては非常に良くできたシナリオ
まず、この作品はバンドリシリーズではあるが、過去のキャラが出てくるもののストーリーに絡むことはなく、シリーズ初見の人でも問題なく見ることができる(知っている人が見れば思うことがあるかもしれない)。
バンドものとしてというより、人間ドラマとして見ると非常に良くできたシナリオで、一定以上の合理性があるので、トンデモ展開に見えるところも、単なるご都合主義ではない説得力がある。
前半は話が全く進まないように見えるが、この間に伏線が張られていく。
一部のシーンで主人公のモノローグはあるものの、基本的に説明的な台詞がなく、日常的な会話や表情、仕草等からキャラの置かれた状況や人となり、心情といったものを察していかないと話の進展に気付かないので、頭を空っぽにして視聴したい人にとっては険悪なシーンでしかない。
そういった伏線を回収しつつ、7話のライブからバンドの崩壊が始まり、その後再生していく流れは見応えがあり、ドラマチックな展開でありながら説得力がある。
また、物語の節目にライブ回があり、物語を見てからのライブシーンは味わい深い。
使用された楽曲は好き嫌いは別にして、ストーリーに非常にマッチしていて、その歌い方も含めて、よく考えられたものだと思う。
特に10話のライブシーンは、ツッコミどころはあるものの、そんなことはどうでもよくなるくらい、力があるシーンだった。
3DCGについては、3話の主人公一人称視点の演出、7話の定点カメラ視点による緊張感の演出、ライブシーンでのカメラワーク、日常シーンからライブシーンへのスムースな移行等、作画とは違った魅力があった。
その一方で、バンドものとしては、急に演奏が上手くなったり、観客の民度が高かったりと緩いところもあり、それが気になる人もいる。
新人声優さんの演技も日常会話のリアルさを優先させたなら問題ないが、アニメ作品としての演技は、(実際にバンド活動をしていることを加味して)今後に期待といったところだ。
ただ、そういったマイナスポイントがあっても、それを遥かに超える面白さがあり、非常に尖ったシナリオで、個人的には今季一だと思っている。
また、終盤に入ってからアニメ解説のYouTube動画で高評価が出だしたり、海外でも視聴者は少ないものの良作と評価されているみたい(現時点でMALのスコアだけなら「リコリスリコイル」とほぼ同じ)で、もっと評価されても良い作品だと思っている。