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綺麗な部分だけが人じゃない
「羅生門」にせよ「鼻」にせよ人間のエゴについて巧く書かれている。
特にオススメは「鼻」
鼻の一節である
”人間の心には互いに矛盾した二つの感情がある。
勿論、誰でも他人の不幸に同情しない者はない。
ところがその人がその不幸をどうにかして
切りぬけることができるとなんとなく物足りないような心もちがする。
少し誇張して云えばもう一度その人を、
同じ不幸に陥れて見たいような気にさえなる。”
人の本質を短い文章で表している。
ブラックユーモアの名手
O. ヘンリーと双璧をなす短編の名手として有名なサキだが、
その作風はとにかくブラック。
騒ぐ子どもを黙らせるために不謹慎な物語を話して聞かせる『話し上手』や、
幽霊譚と見せかけて実は‥‥なオチのある『開いた窓』など、
皮肉と冷笑に溢れたスマートな短編で中毒性が高い。
どれも短い話の中に機転の効いた結末が有り、
さらっと読めてとにかく面白い短編を読みたい人にはうってつけである。
ラテンアメリカ・マジック!
南米のマジックリアリズム。それはファンタジーともSFともシュールレアリズムとも違う、南米の土壌から生まれた南米ならではの文学手法。ごく普通に人が宙に浮かび、突然海から薔薇の匂いが溢れ、老齢の天使が地上に降りてくる。
摩訶不思議で粗野なイメージに満ちた南米文学の中でも、本書はおとぎ話や民話のような感覚で読み易く、尚且つ南米の空気を存分に体感できる傑作短編集。
ガルシア=マルケスを読んでみたいが、「百年の孤独」は読みづらい‥という人にもお勧めの一冊。
悲哀に満ちた隠れた名短編
「ダーバビル家のテス」など長編小説が有名なハーディだが、実は短編も面白い。
人間のエゴを厭世的に描いた作風は、日本人にも響きやすいと感じる。
他の女に対するライバル心から好きでもない男と結婚した女が、最終的に夫も息子も失ってしまう『妻ゆえに』。
元恋人のことを忘れられない妻に夫がしたサディスティックな仕打ちを描く『グリーブ家のバーバラ』。
国や時代が違えど面白いのは、エゴイスティックな人間の本質を描いているからなのだろう。
6位九マイルは遠すぎる
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引用元: Amazon
『九マイルは遠すぎる』(英: The Nine Mile Walk)は、1947年にハリイ・ケメルマンが発表した短編推理小説。ハリイ・ケメルマンのデビュー作でもある。「安楽椅子探偵」ものの一つに位置づけられる。
「安楽椅子探偵」の縮図
表題作の九マイルは遠すぎるは30ページそこそこの短編だが
14年もの年月を掛けて作られたという。
「九マイルの道を歩くのは容易じゃない、ましてや雨の中となるとなおさらだ」
この一行がら全てが始まり全てが終わる。
世に出る「安楽椅子探偵」の縮図を感じることができる一冊。
ロシアの問題児が放つ問題作
性器、糞尿、スプラッターなど、タブーを盛り込んだ作風で世界を驚かせたロシアの異端児による短編集。
ここまで俗悪な要素を文学作品に仕立てる作者はすごい。
表題作で一話目の『愛』は、全速力で終局へと突っ走るような圧巻の短編で、もし「愛」をテーマにしたアンソロジーを編むなら、必ずこの作品を加えたいというくらい印象的な作品。
万人にはお勧めできません。
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文章が短いほど面白い。
「女の一生」「脂肪の塊」で有名なフランスの作家モーパッサン
個人的にはモーパッサンは文章が短いほど面白いと感じる。
人間の思い込みや固定概念を逆手に取るケースが多くみられる。
海外小説の中でも読みやすい小説である為、初めての方にもオススメです。