とほや和希さんの「弓道漫画ランキング」

主人公のキャラがいい。

神社の少年流鏑馬のシーンが絶品！そして物語の中でもヒロインがこれを機会に中学で弓道部に入る。中学に弓道部があるなんてなんてシブいんだと思ったが、話の展開はもっとシブかった。神社と恋愛と、友達関係と弓道、そして事件。いろんなものが絡まり合って、シリアスになるかと思いきや花乃の力の抜けた性格のおかげで笑いながら読めた。弓道場の空気の中笑って、脱力して、展開にハラハラして、そして矢は放たれる。ラストはなぜか涙も出て、手塚治虫賞受賞も納得の作品。登場人物がひとりひとり個性豊かで、読み終わって一本のドラマを見ていた気になる話だった。
姉妹本に短編集「駅から５分」があり、「花に染む」とエピソードが重なっている。どちらも単独で読める話だが、「花に染む」と前後して読むと、双方パズルのように楽しめた。