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高橋 真生さんの「4歳児向け絵本ランキング」

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更新日: 2020/11/16
高橋 真生

学びと読書のアドバイザー、絵本専門士

高橋 真生

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まえがき

ほとんどのお子さんが集団生活を経験する4歳頃。みんなで同じことをする楽しさを知ったり、好奇心や自立心が高まったり、緊張の反動で甘えたくなったり…… そんな気持ちに応えてくれる絵本を選びました。

子どもたちが、保育園や幼稚園、それから物語の世界で、思いっきり楽しめるのは、安心できる場所があるからこそ。親子で絵本を読む時間の積み重ねは、お子さんにしっかりと愛情を伝えてくれますよ。

ランキング結果

大人にも愛される、ちょっととぼけたねこたち

50年以上読み継がれている「11ぴきのねこ」シリーズの中でも、「なつかしい!」という声が多い『11ぴきのねことあほうどり』。コロッケやさんを始めたものの、売れ残りを食べ続けて、とりの丸焼きが食べたくなってきたねこたちと、そこへ現れたあほうどりのお話です。

下心たっぷりなのに憎めないねこたち、3までしか数えられないあほうどり、おいしそうなコロッケ、まさかの展開、と子どもを夢中にする要素がつまっています。

笑ったりつっこみを入れたりしながらのびのび楽しめる絵本なので、じっと座って話を聞くのが苦手な子にも喜ばれます。また、小学校1・2年生でも大笑いしてくれますから、きょうだいのいるご家庭にもおすすめです。

2ちいさなヒッポ

ちいさなヒッポ

引用元: Amazon

著者マーシャ・ブラウン
出版社偕成社

子どもの安心と勇気につながるもの

主人公は、小さなかばのヒッポです。お母さんのそばにいさえすれば怖いものなしなのに、一人でふらっと遊びに出かけていき、ワニに襲われてしまいます。ハラハラしますが、あたたかい気持ちがわいてきて、読んでいると子どもがピタッとくっついてくるような絵本です。

子どもたちにとっては、お母さんの愛情もヒッポの成長も、自分のことのようにうれしくて誇らしいもの。その気持ちが、実生活での安心感や勇気になって、心の成長を自然と助けてくれます。

作者は、『三びきのやぎのがらがらどん』でおなじみのマーシャ・ブラウンですが、『ちいさなヒッポ』はカラフルで美しい版画です。がらがらどんの北欧とはまた違う、アフリカの自然や野性的な空気、動物たちの力強さをたっぷりお楽しみください。

濃厚な「あいうえお」にどっぷりつかる楽しみ

「あいうえおきろ おえういあさだ おおきなあくび あいうえお」― 谷川俊太郎さんの詩に、『めっきらもっきらどおんどん』の降矢ななさんが絵を付けた、なんともシュールでユーモラスな絵本です。

「あいうえお」の絵本は、楽しく五十音に触れられるものから、ひらがなの書き順が覚えられる本格的なものまで様々ですが、日本語の音の豊かさ、おもしろさという点では、『あいうえおうた』は抜群です。また、絵に導かれて「あ」から「ん」までの旅に出るかのような、不思議な楽しさもあります。

読み聞かせの後、子どもたちが「のねぬになけば ねばねばよだれ」など、全身で表現しては大笑いする姿をよく見かけます。頭だけでなく、身体でことばを吸収する、そんな体験ができる絵本です。

あとがき

4歳頃は、身体を動かすのもとても楽しい時期で、声を出すことも喜びますから、「せーの」「一緒にね」と声をかけたり、順番で読んだり、一緒に読み合ったりするのもおすすめです。子どもはことばのリズムやおもしろさに敏感なので、印象的なフレーズはすぐに覚えてしまいます。

大きな声で笑ったり、驚きを全身で表現したりしたときには、ぜひ一緒に楽しんであげてくださいね。

とはいえ、大人には、読み聞かせが大変だったり面倒だったりすることもありますよね。でも、いい文章を声に出しているうちに気持ちよくなってきて、いつの間にか元気になることもあります。まずは短いものからでも、お試しください。

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