狂うひと 「死の棘」の妻・島尾ミホの詳細情報
ジャンル | ノンフィクション |
---|---|
著者 | 梯久美子 |
出版社 | 新潮社 |
発売日 | 2016年10月31日 |
メディアミックス | - |
公式サイト | - |
参考価格 | 3,201円(税込) |
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ジャンル | ノンフィクション |
---|---|
著者 | 梯久美子 |
出版社 | 新潮社 |
発売日 | 2016年10月31日 |
メディアミックス | - |
公式サイト | - |
参考価格 | 3,201円(税込) |
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作家夫婦の業と狂気に迫る傑作ノンフィクション
島尾敏雄の代表作として知られる『死の棘』は、夫の情事が引き起こした妻の狂気を描く私小説です。『狂うひと』は『死の棘』のモデルとなった島尾ミホを中心に、膨大な資料と丹念な取材を通じてこの名作の背景と島尾夫妻の修羅の真実に迫ります。
著者は島尾敏雄とミホの作品だけでなく、二人が残した大量の日記や手紙、創作メモなども検証し、あわせて徹底した関係者取材も進めます。そのなかで浮かび上がるのは、恋と死と文学が絡みあった島尾夫妻の“共犯関係”です。「書く人」である敏雄の文学的野心と、「書かれる女」になることで夫を支配したミホ。著者は『死の棘』の情事の相手も特定し、もう一人の「書かれる女」にも光を当てることで、島尾夫婦の濃密なつながりと、書くことに魅入られた人間の業をあぶりだしていくのです。
書かれる女であったミホは後年筆を執り、書く女へと自らの立ち位置を変えました。言葉によって結ばれ、言葉をめぐって闘争を繰り広げた夫婦の姿を生々しくも鮮やかに伝える作者の手腕には、脱帽せずにはいられません。従来のミホ像を更新し、『死の棘』に新しい読みをもたらす傑作ノンフィクション本です。
ライター・書評家
嵯峨 景子さん (女性・40代)
1位(100点)の評価