人魚の森がランクインしているランキング
感想・評価
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人魚モノとしては異色だが唯一無二の異彩を放つ作品
人魚の肉を食べたことで不死となった男女が時代を超えて旅を続けるという内容ですが、行く先々で出会う人々の個性が強烈。みんな欲まみれで自分本位な面々なわけですが、よくもまあ、こんなに揃いも揃って、という具合に終いには苦笑してしまうほど。このあたりの人間描写の上手さはさすが巨匠というところですかね。
モチーフになっている人魚はほぼ毎回のように登場します。時にはミイラだったり、ある時は生きた姿だったりとまちまちですが、何というか生きた姿の描かれ方もスゴイ。これまでの世間一般でのイメージを大胆に粉砕してくれます。旅とその行先で遭遇する事件の物語とも言えるわけですが、毎回毛色が異なるので飽きることはありません。
夜の曳航船さんの評価
ホラーとして見た人魚
人魚を怖いものとして捉えた作品集。人魚の肉を食べることで不老不死になれる、ということから主人公(漁師の青年)の目を通して描かれていく。高橋留美子のそれまでの作品と違いダークなホラー要素があり、又大人も楽しめるエピソードの数々は今読んでも面白い。人魚として登場する人物もいわゆるお姫様的な役割ではない。
野菜の種さんの評価
不老不死になるという人魚の肉を巡る人間ドラマ。素晴らしい作品です。
食べれば不老不死になれるという人魚の肉を巡って、人間の愚かさや哀しさを描いた素晴らしい作品です。
永遠の命と若さを手に入れたにもかかわらず、姿が変わらないため、一つの土地に滞在できなかったり、周りの大切な人がなくなっていき、置いていかれてしまう寂しさ、それでも不老不死を手に入れたがる人間たちの心情が、読み手の心をうちます。
ねこたま(^^)さんの評価
美しくも不思議な『人魚の肉』をめぐるストーリー
食べると不老不死になるという伝説の『人魚の肉』をめぐる、不思議な世界観のストーリーです。高橋留美子さんの作品ですが、うる星やつらやらんまのような明るさはなく、ただ不思議な世界観に引き込まれていきます。美しく幻想的な雰囲気の漫画です。
みーみぃぃさんの評価
高橋留美子先生が不死をテーマに描いた名作
人魚の肉を食べると不老不死になるという伝説にまつわる高橋留美子先生の作品です。不老不死について問いかけるテーマになっており、サスペンス調のストーリーで奥の深い作品になってます。
わんさんの評価
考えさせられる名作
人魚の肉を食べ不老不死になった男の物語。高橋留美子さんに対して抱いていたイメージとともに、人魚という生き物へのイメージを一気に変えられた。忘れられない個人的にはすごく好きな作品!もっとみんなに知ってほしい!
パルマー1号さんの評価
おぞましくも悲しい人魚の物語
人魚の肉を食べた人間は不老不死になる。そんな伝承は嘘であり真な世界で不老不死になってしまった男女の苦悩や葛藤と人魚の肉を巡る悲喜交々が描かれた作品です。人魚の肉は確かに食べた人間が不老不死になります。ですが人間のとしての理性、知性を得られるのはごく一部。殆どは化け物となりはててしまいます。そんな中偶然人間のまま不老不死になった男性が「人魚に出会えばどうにかなるかもしれない」と一人孤独な旅に出ますが、結局不老不死をとく方法は見つかりません。ですが同じく不老不死になった女性を出会い、共にアテの無い旅にでる事に。その中で人魚の肉に翻弄される人々の悲劇と喜劇を見届けていく。
基本的にホラーなのでおぞましい表現も出ますし、決して人魚は良いようには描かれていません。ですが伝承の人魚のイメージとしては然程外れておらず、人々の苦悩と葛藤が鮮やかに描かれているので見る価値はあると思います。
S.Hさんの評価