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2位クジラの彼
引用元: Amazon
『クジラの彼』(クジラのかれ)は2007年1月に角川書店より出版された有川浩による短編小説集。イラストは徒花スクモ。自衛隊員の恋愛を描いた六つの短編小説集。 雑誌『野性時代』に不定期掲載された後に単行本化された。同作者の作品である「空の中」と「海の底」のスピンオフ作品も収録されている。
海の底の番外編
短編集なのですが、その中でもクジラの彼という作品があり、その作品がとても好きです。有川浩さんの別作品、海の底の登場キャラクターの冬原春臣と春臣の恋人、聡子の話なのですが、海上自衛隊の彼氏だからこそのさみしさみたいなものが強くて、とても好きな作品です。また恋人ではあるけど、彼がなんていう潜水艦にのっているのかさえ家族じゃないから教えてもらえない、知らないという辛さ。事件に巻き込まれ春臣が帰ってきた時のシーンがとても好きです。ストーカーに遭っていて困っていたところに春臣が帰ってきて助けてくれるのですが、ずっとお風呂に入れなかったこともありくさい…ってなるんです。そのシーンがとても好きです。
素敵な男性を拾う話
ある日突然、行き場がなくて困ってる樹という男性を拾っちゃうんです。「お嬢さん、僕のことを拾ってくれませんか?」って。王子様が急に降ってくるという非現実な感じからしてもうとても素敵だなと思いました。そして一緒に生活をしていくうちにお互いに好きなのに言えないもどかしさ。休日には一緒に野草を取りに行って、樹がご飯を作ってくれるのに、ある日突然いなくなってしまう。でもさやかは樹のことを忘れられなくて。道を歩いていても樹が名前を教えてくれた野草がたくさんあるから。無事に樹が帰ってきてくれたところで泣きました。また、番外編の「ゴゴサンジ」がたまらなく好きです。
リアルな演劇業界
観劇が好きなこともあり、リアルな演劇業界の話が描かれているところが魅力的だと感じました。どうしたら舞台は儲けが出るのか、というところから稽古期間の話など。演劇は有名な役者でも割にあった仕事ではない。好きだからやっているという本当にそういう業界なんだなと。また主人公の巧はだめっ子な主宰、他のシアターフラッグの劇団員も個性が強く、とても面白いです。また巧の兄の司が唯一の常識人。巧を冷たく見放したりもするけど、結局見放しきれない兄弟愛もとても素敵です。またそれぞれの登場キャラクターの恋愛模様もとても素敵な作品です。