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身を焦がす地獄の恋
本作はゴダール監督と並ぶヌーヴェルヴァーグの象徴であるトリュフォー監督の代表作だが、はっきり言って内容自体は昨今だとそんなに目新しくない。今では出会い系やマッチングアプリなどで簡単にこういう不倫じみたことが出来てしまうからだ。しかし、その上で尚本作の面白い所は「一緒では苦しすぎるが、ひとりでは生きていけない」という、何とも複雑怪奇に満ちた大人の男女の恋愛の妙を端的に、しかし的確に言い表しているからだ。そしてだからこそあの衝撃の結末には納得する他はない。
サイレント喜劇の擬似的な復権
本作は同タイトルの小説を映画化したものだが、最大の特徴は何より昔懐かしサイレント期のスラップスティックコメディ映画(チャップリンやキートンなど)の作風を1960年という映画全盛期に擬似的な形で復権している所だ。はっきり言ってザジの周りで大人達が起こす支離滅裂な騒動には何の関連性もロジックもない、全て突発的に起こる。しかし、映像の上で見ると何の違和感もない。これがいわゆるヌーヴェルヴァーグの先駆けとなっている所以だろう。
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愛の逃避行、その行く末に
本作は「気狂いピエロ」と並ぶゴダール映画の傑作であるが、今見直しても凄く面白いのがそのどこまでも果てしなく常識の枠を破って愛の逃避行を続ける二人の男女の行く末をただ淡々と描いているところだ。はっきり言ってテーマなんて大層なものはない、ただ男女が車に乗って逃げ回るというだけだ。しかし一度社会のレールから足を踏み外した二人の愛は狂気となり、人肉食までやらかす。しかもそれをごく普通の日常として淡々と描いているというのが恐ろしい所だ。