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Twitterでシェアまえがき
人間が生きていくうえで「恐怖」という体験は本来忌むべきはずなのに、多くの人が映画や小説という形で「恐怖」を追体験しようとします。「恐怖」は鈍りきった生存本能を刺激するうえで、現代人に必要な感情なのかもしれません。
ということで、ホラー小説の歴史を変えた、必読(と僕が思う)の3冊を選びました。
ということで、ホラー小説の歴史を変えた、必読(と僕が思う)の3冊を選びました。
ランキング結果
2位ぼっけえ、きょうてえ
引用元: Amazon
著者 | 岩井志麻子 |
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ジャンル | ホラー |
出版社 | KADOKAWA |
発売日 | 1999年10月1日 |
メディアミックス | 映画「インプリント〜ぼっけえ、きょうてえ〜」(2006年) |
公式サイト | - |
美しく湿った恐怖
現在ではタレントのイメージが強い岩井志麻子さんの出世作。出版当時に読んだときには、怖さもありましたが、その文章の美しさに震えたことを今でも覚えています。
表題作だけでも年に一度は読みたくなる傑作。岩井さんが岡山出身ということもあるのか、横溝正史のような「ムラ社会」のドロドロとした世界と男女の情念が短いページ数で見事に展開されます。恐怖文学というだけでなく日本文学の中でも一つのマイルストーンであると思っています。
現代日本に通ずる閉塞した少年の心の恐怖
イギリスのSF作家・イアン・バンクスのデビュー作。
長らく絶版になっていましたが、昨年めでたく完全版として復刊!
衝撃的なラストゆえあまり内容には触れられませんが、イギリスでは「20世紀を代表する100冊」や「一生のうちに読むべき100冊」にも選ばれています。
舞台はスコットランドの小さな離島。隔離された世界で17歳のフランクは呪術的な残虐行為を繰り返す。
抑圧された子どたちの内世界というテーマがスティーブン・キングの「キャリー」にも通じますし、今の社会的に閉塞感のある日本とも無関係とは思えません。
こちらもぜひ読んでいただきたいです。
あとがき
実は今回のセレクトは「デビュー作・出世作」に注目してみました。
映画監督や作家は、デビュー作で語られた世界観を、ただ手法を変え繰り返す。ともよく言われます。
たしかにキングの「キャリー」なども「ダークタワー」シリーズなどで世界観を共有しています。
デビュー前に抱えたいろんな思いがデビュー作には詰まっていると思います。
ぜひ「恐怖」への入り口として楽しんでください。
映画監督や作家は、デビュー作で語られた世界観を、ただ手法を変え繰り返す。ともよく言われます。
たしかにキングの「キャリー」なども「ダークタワー」シリーズなどで世界観を共有しています。
デビュー前に抱えたいろんな思いがデビュー作には詰まっていると思います。
ぜひ「恐怖」への入り口として楽しんでください。
モダン・ホラーの原点!
言わずと知れた “モダンホラーの開祖にして頂点” スティーブン・キングのデビュー作。キングが途中まで書き、捨てた初稿を奥さんがゴミ箱から拾い上げ励まして完成させたという今作。
キングの原点ということはモダンホラーの原点。つまりキャリーがなければ、今のホラーの世界はまったく違ったものになっていたことでしょう。
内容は、狂信的な母親に抑圧され育てられたキャリーの凄絶な悲劇。超常現象と現代社会の問題をクロスオーバーさせた、今では当たり前のスタイルをキングは見事に創造しました。ホラーファン必読です。