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Twitterでシェアまえがき
まったく、しょうがない。ならばとっておきの3本を紹介しよう。
ここにあるのは、ドイツ、中国、韓国と、一風変わった作品ばかりだ。だが、不治の病よコンニチワ、交通事故に記憶喪失と、そういうバカげた映画では決してない。
私は今回、この苦しい時代、生きにくさを感じつらい思いをしている人々を温かく励まし、並走してくれる心強い作品を選んだつもりだ。
今は、勝っている人たち、成功している人たちばかりが過剰に目立つ時代だ。それは、彼らとてそうし続けなければ、いつ転落するかわからない、稼ぎ続けられないからである。そんな、全日本的に余裕がない時代ということだ。
当然、彼らの陰にはスポットライトすら当たらず、必死に生きている普通の人々が大勢いる。私はそうした人たちに寄り添う作品を、探し紹介していきたいと思っている。
ランキング結果
2位ペガサス 飛馳人生
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公式動画: Youtube
制作年 | 2019年 |
---|---|
上映時間 | 98分 |
監督 | ハン・ハン |
メインキャスト | シェントン(チャン・チー)、ホアン・ジンユー(リン・ジェントン)、イン・ジョン(スン・ユーチャン)、チャン・ベンユー(ジ・シン)ほか |
主題歌・挿入歌 | 一半人生 Half a Life / ASHIN(Mayday) |
公式サイト | https://cinemedia-movie.jp/pegasus/ |
大爆笑で気づかなかった大量伏線が回収されるたびに号泣
30代以上のオッサンたちや、インターネットの毒々しい中国サゲのヨタ記事ばかり読んでいる人たちには信じられないかもしれないが、近年の中国映画のレベルはもはやハリウッドを一部超えているほどに高い。そんな中でもイチオシなのがこの「ペガサス/飛馳人生」である。
主人公は、すっかりくたびれたオッサン。彼はかつてはトップレーサーだったが落ちぶれ、今はもう何もなく、はかない自信だけが残り、それでも復帰に全てを賭けている。何のために? 愛する息子のために、だ。
ビッグマウスで格好悪い主人公のだらしなさに、序盤は大爆笑。ちょっといいシーンでもオチをつけて笑わせる。だが……終盤に用意された驚きの展開とラストのメッセージには共感度1000。すべての伏線が回収されるとき、あなたの目には温かい涙が流れていることまちがいない。
エンド曲「一半人生 Half a Life」が心にしみる。あなたのフェイバリットな一本になることを願っている。
3位ファイティン!
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引用元: Amazon
制作年 | 2018年 |
---|---|
上映時間 | 108分 |
監督 | キム・ヨンワン |
メインキャスト | マ・ドンソク(マーク)、クォン・ユル(ジンギ)、ハン・イェリ(スジン)ほか |
主題歌・挿入歌 | - |
公式サイト | http://fightin.ayapro.ne.jp/ |
強くない、頭もよくない、そんな人をも全面的に肯定する
腕相撲、アームレスリングというのはなかなか絵になる競技と思うのだが、意外と映画にはなっていない。シルベスター・スタローンの主演作が一本あるくらいだ。
そんな中、久々に、韓国から登場したのがこれだ。主演はマ・ドンソク。見るからにおっかない強面ガチムチのオッサンだが、これがまた心優しい力持ち。彼の持つこのキャラクター特性が、ストレートなスポ根的ストーリーにピッタリマッチしているのが本作だ。
世の中には、実力が足りずどうにもならない事がある。いや、多くの人間にとっては人生、そんな局面ばかりだ。そんな時、私たちは自己嫌悪に陥って沈み込む。
だが、これからのあなたにはこの映画がある。決してイケメンでもスマートでもない、マ・ドンソクの武骨で不愛想で不器用な姿が、彼が最後に語る力強いメッセージが、必ずあなたを失意のどん底から救い出し、明日への希望を与えてくれるだろう。
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負け組たちが、それでも抗う姿に泣ける
勝ち組だ負け組だと、人様の人生を勝手に格付けしてマウンティングする風潮があるが、まったくくだらない話である。しかしSNSを開けばさりげなくもあからさまな自慢大会。俺にはまったくいい目がない。気分が落ち込むばかりの毎日に、何かいい映画はないものか……。
そんなあなたが見るべきは「レボリューション6」で決まりである。いわゆるルーザーズムービーの白眉で、時代に置き去られた左翼活動家の、挫折と再生を描く感動作となっている。
主人公の男は久々に会った昔の仲間たちがみなまともになり、出世している中、自分だけが不器用に過去にとりこのされてしまったことを知る。最後の誇りだった価値観までもが揺らぎ、将来への不安にさいなまれる中、それでも彼は、最後の抵抗を試みる。
世渡り下手な人なら、彼の気持ちが痛いほどわかるはずだ。弱者へ対する作り手の暖かい視線と、ほんのわずかだが希望を感じさせるラストに涙が止まらない。素晴らしい映画だ。