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Twitterでシェアまえがき
もはや取り戻せないもの。
僕たちはそれらのものにどのように向き合えばいいのか。
村上春樹は、失われたものへの向き合い方の一つの形を教えてくれる。
失ったものを鎮魂するかのように、物語を紡ぎだすことによって。
失われたものを再度失うことの僕の痛みは、僕たちの本来的なあり方を呼び覚ます。
ハルキ的鎮魂のあり方が丁寧に提出されている作品群のランキングを作成してみました。
ランキング結果
2位国境の南、太陽の西
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引用元: Amazon
『国境の南、太陽の西』(こっきょうのみなみ、たいようのにし)は、村上春樹の7作目の長編小説。 バブル絶頂期(1988年 - 1989年頃)の東京が主な舞台となっている。小説の前半3分の1ほどは、主人公が会社を辞めバーを開店するまでの半生が描かれている。
欠落した「僕」に雨が降る。
「僕のためのもの」。
それは、イズミを決定的に傷つけ、有紀子との生活を破壊しようとする。
「僕という人間が究極的には悪をなし得る人間であるという事実」
単にささやかな存在でしかない僕たちは、欠落した何かを決定的に埋めてくれる何かのために、「悪」をなす。
しかも、それは僕が僕であろうとすることによって。
光が強ければ強いほど、影も濃くなるように、求めれば求めるほど失うものがある。
この「平坦な戦場」で僕たちは、どのように生き延びればいいのだろうか。
3位1973年のピンボール
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引用元: Amazon
『1973年のピンボール』 (せんきゅうひゃくななじゅうさんねんのピンボール) は、村上春樹の2作目の長編小説。
入り口には出口がなければならないのだから。
「物事には必ず入口と出口がなくてはならない」
ハルキの失われたものへの鎮魂というモチーフが、はっきりと打ち出された作品。
ある日、出現した双子は、「僕」に鎮魂の仕方を教え、そして去っていく。
「僕」が得たものは、決定的に失われたものとの関係を正しく結び直すことだった。
それは、常に既に迷いこんでしまった物語の出口を探す行為でもある。
4位中国行きのスロウ・ボート
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引用元: Amazon
『中国行きのスロウ・ボート』(ちゅうごくいきのスロウ・ボート)は、村上春樹の処女短編小説集。
ハルキの処女短編集。
「大丈夫、埃さえ払えばまだ食べられる」
この地上に転がり落ち、進んで埃をかぶる僕たちは、ある時気がつかされる。僕が失っていくもののあまりの多さに。そして、埃まみれになっているのだ。
「アルバイト先で知り合った無口な女子大生」
「午後の最後の芝生」
僕にできるのは、ただ思い出すことだけ。どのように埃をかぶってきたのかを。
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初期三部作を完結させる!
失われた初期三部作への「鎮魂」にふさわしい長編作品。
「オドロルンダヨ。オンガクノツヅクカギリ。」
直子、共同経営者、足の長いよく気がつく女の子、キキ、羊男…。
そして、鼠のいない世界で「僕」はどのように生きるのか。
配電盤の悲しみは、踊り続けることの悲しみに仮託され、描き出される。