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2位羅生門(小説)
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引用元: Amazon
『羅生門』(らしょうもん)は、芥川龍之介の小説。『今昔物語集』の本朝世俗部巻二十九「羅城門登上層見死人盗人語第十八」を基に、巻三十一「太刀帯陣売魚姫語第三十一」の内容を一部に交える形で書かれたものである。生きるための悪という人間のエゴイズムを克明に描き出した。
猟奇的だが現実的な話
死んだ女の髪を取ってかつらにしている老婆、干した蛇を魚の干物だと言って売っていた女、それを嬉々として買っていた貴族が出てきます。これだけ聞くと猟奇的ですが、生き残るため、という考え方と当時の社会的風潮を考えれば、現実的な選択だと妙に納得してしまうからです。
仏もまた人間
ラストでほかの者を追い散らそうとしたカンダタはまた地獄に落ちてしまいます。しかしそれを決断したのは仏様です。一度は悪人の中に残る小さな可能性に賭けたのに、これまた小さな過ちのためにその可能性を斬り捨てるなど、仏様もまた感情のままに生きる人間くさい存在なのだと感じたからです。
軍人もまた人間
本作では冒頭からとにかく衣食住に関する表現ばかりが出てくるからです。軍艦に関する読み物と言えば、ひたすら訓練とか、ひたすら戦闘とかいうものが大半です。しかし本作では乗員が飯を食ったり、ハンモックで寝たりと、実に人間らしい動きばかりをしています。これが軍事モノらしからぬ、本作の良さと考えます。
昔のエロチシズム
山の稜線を女体に、山を乳房に、柘榴を乳首に例えるなど、一見ある種のエロ本と受け取れてしまうからです。夏の夜のうだるような暑さの中でふと湧いたにしてもなかなか変態的発想ですが、この見たまま、考えたままの記述が著者の若々しさを余計に引き立たせる感じがします。
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リアリティー
作り話なのに表現に妙にリアリティーがあります。本作は幼いころに寝る前に母から読み聞かされて知りました。男が仙人になるための修行をする中、老いた両親が跪かされて、のくだりは聞いているだけで身震いするほど恐ろしく感じ、いまも記憶に残っています。