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Twitterでシェアまえがき
②連載時に読んでいた作品
③完結後に読んだ事がある作品
以上の順番でランキングしました。
毎週購読していたのは1982年~1989年の間ですので、ほぼ昭和の作品のランキングです。
「増刊」にも好きな作品たくさんありますが、対象外なので泣く泣く除外しました。
ランキング結果
音楽の可視化という革命
●上條淳士
●1985年16号~1987年15号
ともすれば、ダサさの極致となってしまう「歌」の場面で、一切「文字」を書かず絵のみで表現する事で、読者の頭の中に「音」を鳴らしてしまうという漫画表現の一大転換点となった作品。
上記の表現を可能にしたのも、無駄なタッチを排し、スタイリッシュに洗練されていった筆致あってこそ。
時代が産んだ漫画家「上條淳士」と、時代が産んだ歌手「藤井冬威」がオーバーラップされる、まさに時代の寵児による奇跡の一作。
「ヨシムラ」「モリワキ」「エルフモト」はこれで覚えました
【第30回小学館漫画賞少年部門受賞】
【週刊連載デビュー作】
●新谷かおる
●1981年44号~1985年32号
テコ入れでコメディに路線変更した事によって、シリアス路線よりも人物の熱さがより際立つという、その後の新谷氏の作風を確立させた作品。
マニアックさとポップさが、ギリギリのバランスを保ち、同じく漫画家である奥様の「佐伯かよの」氏が描く可憐な女性キャラが華を添え、男女問わず人気作となりました。
当時は、二輪駆動の「バトル・ホーク」が実現されると信じてました。
4位B・B
おはよう…パパ!
【第34回小学館漫画賞少年部門受賞】
●石渡治
●1985年24号~1991年09号
「レイプ」「撲殺」の展開時はジャンプ派しかいないクラスメートを瞬間最大風速的にサンデーに振り向かせた破壊力がありました。
まさに「10センチの爆弾」。
エロあり、グロあり、戦争あり、政治あり、宗教あり、宇宙あり、何でもありの力技で小学館漫画賞をもぎ取ったトンデモボクシング(?)漫画。
リアルロボットブームの終焉
【第36回小学館漫画賞少年部門受賞】
●ゆうきまさみ
●1988年17号~1994年23号
てっきりオタク漫画家と思っていた、ゆうき氏のストーリー漫画家としての実力を思い知らされた作品。
コメディ回あってこその、シリアス回の熱さに感服しました。
服のデザインセンスだけはオタク丸出しでしたが…
「日常の中のSF」ではなく「SFの中の日常」
●藤子・F・不二雄
●1968年01号~1969年06号
●連載時未読
藤本氏が一番楽しんで描いたといわれる、長編の中で最もSF色の濃い作品。
藤本氏のSF愛がギミックとしてだけではなく、舞台設定に生かされており、うんちくや解説も非常にタメになりました。
7位漂流教室(漫画)
「きょうからおれが学校の支配者だっ!関谷さまといってみろ!」
【第20回小学館漫画賞少年部門受賞】
●楳図かずお
●1972年23号~1974年27号
●連載時未読
説明不要、日本漫画史に残る問題作。
「デビルマン」と並んで、全漫画読みの必須古典科目。
あだち充連載作品で初の野球漫画
●あだち充
●1976年05・06号~1976年18号
●連載時未読
定時制高校、軟式野球部の熱い青春群像劇。
まだ劇画タッチだった頃の作品。
一見ラブコメ作家と思われている、あだち作品の根底に流れる熱い展開は、この頃に養ったものでしょう。
「これでわかったわ!ジンギィがいやらしい理由が!」
【週刊連載デビュー作品】
●上條淳史
●1984年22号~1984年51号
雁屋氏のベタすぎる原作が、逆に上條氏の作風を開花させた作品。
「上條淳史」というのは、実は「上條淳史」氏と「Yoko」氏の連名ペンネームですが、Yoko氏の描く女性キャラのタッチが向上するにつれ、荒涼とした世紀末の世界が徐々に華やかに見えるなど、作風全体にも変化が表れてきた印象です。
ジャップ
●新谷かおる
●1985年43号~1986年21号
「タイトル変更」に端を発した、新谷氏が小学館と決別する原因となる、ある意味問題作。
連載当初は新谷氏自身の力の入れようも並々ならぬものがあり、新谷版「ゴルゴ13」になったかも知れない作品なので、「主人公退場」「設定変更」「打ち切り」は非常に残念でした。
12位LOVe(ラブ)
「B.B」の続編
●石渡治
●1993年46号~1999年10号
「えー、サンデーに出戻ってB.Bの続編?石渡もすっかり落ちぶれたもんだな」と連載前は思っていましたが…完全に裏切られました!
「BL」「ボクっ娘」「薬物」「主要人物ナレ死」と普通にテニス漫画を描けない石渡氏はやはりトンデモない。
バイクロマンからマッドマックスへ
【週刊連載デビュー作品】
●石渡治
●1980年41号~1982年27号
事故死する前半、戦死する後半。
いくらテコ入れと言えど「命」をテーマに、ここまで作品カラーを変えられるものなのか。
同じく命をテーマにした「B.B」のトンデモ展開の原型がここにある!
学園サイエンスから密室サスペンスへ
●石渡治
●1999年24号~2001年38号
病みまくった石渡氏は、この作品を最後に再びサンデー本誌を去っていき、以降は白石渡に生まれ変わりました。
プライベートもお幸せそうです。
嬉しいんだか、悲しいんだか…
スポーツにおける「ゾーン」を描いた先駆的作品
●小山ゆう
●1984年46号~1987年17号
「廃人」になるリスクを負いながら、肉体の限界を超えようとする挑戦者の物語。
「狂気」を熱く描けるのは、さすが小山氏。
少し不思議な現代的寓話
【週刊連載デビュー作品】
●里見桂
●1982年21号~1984年21号
誰も傷つけない優しい世界観が現代にも通用しそうな、一話完結形式のファンタジーコメディ作品。
二人と一匹のロードムービーは、子供心に自由な世界を感じ憧れました。
第31回小学館漫画賞少年部門受賞の実績を携えて、サンデー本誌デビュー
【週刊連載デビュー作品】
●尾瀬あきら
●1986年39号~1988年01号
時間転移サバイバルSFものですが、古臭いながらも柔らかいタッチによって、現在の異世界転生ものにも通ずる世界観を感じさせます。
少年ビッグコミックでの作風しか知らなかったので、最初は食わず嫌いでした。ゴメンなさい。
「花田くん、なんだねそのかっこうは。今日からうちは演劇部になったのだよ」
【週刊連載デビュー作品】
●吉田聡
●1985年17号~1987年20号
まさか漫画で「天丼笑い」を学ぶ事になるとは思っても見なかった。
スピンオフは総じて泣ける展開で、さすが湘爆の作者です。
ギリギリアウトな下ネタギャグ
●安永航一郎
●1985年42号~1986年52号
同人出身の安永氏ですが、この作品からタガが外れたように、下ネタギャグの巨匠へと登りつめていく様は壮快でした。
そして、現在は同人へと帰っているらしいですが、現代のコンプライアンスではメジャーシーンに戻るのは難しいでしょうか。
「ごはんが食べられないと、おなかがすくじゃないか」
●ゆうきまさみ
●1985年34号~1987年32号
当時は世間一般的に「あ~る」が好きだと公言出来る空気ではありませんでした。
しかし、確実にオタクの市民権獲得はこの作品から始まったと断言できます。
第一次F1ブームを影で支えた先駆的作品
●村上もとか
●1977年13号~1979年38号
●連載時未読
まだF1がロマンに満ちていた時代の作品。
村上氏のタッチも、まだ荒々しいのですが、それがこの時代のF1に良く似合います。
「赤いペガサス」続編
【週刊連載デビュー作品】
●千葉潔和
●1988年46号~1989年42号
スタイリッシュな筆致、リアルな車体描写は師の前作を超えたと感じました。
バブルに沸く日本人が熱狂した第二次F1ブームの渦中で、村上氏との師弟コンビにより産まれた佳作。
23位六三四の剣(漫画)
サンデー的王道スポーツ漫画
【第29回小学館漫画賞少年部門受賞】
●村上もとか
●1981年17号~1985年41号
アニメ化、ゲーム化もされた剣道漫画の最高傑作。
どこまでも真面目で爽やかです。
この作品で村上氏のタッチは徐々に洗練されていきました。
24位がんばれ元気(漫画)
「暗くアウトロー」 なボクシング漫画を「明るく爽やか」に転換した最重要作品
【第22回小学館漫画賞少年少女部門受賞】
●小山ゆう
●1976年19号~1981年14号
●連載時未読
この作品以降、サンデーのスポーツ作品は明るく爽やかになっていきます。
しかし、作品序盤の父との二人時代は充分に暗く貧しく、その対比により中盤以降の展開を明るく見せているのかも知れません。
メカデザイン:出渕裕、原作: 火浦功の隠れた本格SFコメディ
●里見桂
●1984年31号~1985年10号
軽妙なキャラ設定で一見取っつきやすいが、SF設定はかなり本格的。
初SF作品の里見氏は相当に苦労したらしく、短期連載に終わってしまったのは残念。
SF・怪盗・アクション・コメディ、要素盛り沢山の隠れた娯楽作
●里見桂
●1985年15号~1986年30号
前作「奪戦元年」で教訓を得たのか、ギミック、舞台設定ともに一般読者にも取っつきやすくなっています。
その分、心理描写が深みを増しており、後年開花する里見氏の本領が発揮された作品。
27位帯をギュッとね!
史上初、スタイリッシュな柔道漫画
【第1回コミックグランプリ受賞】
【週刊連載デビュー作品】
●河合克敏
●1989年01・02号~1995年52号
上條氏のアシスタントを経ての鮮烈なデビュー作品。
師のスタイリッシュなタッチを受け継ぎつつ、より漫画表現に適した進化を遂げていて、サンデーを代表する作家に成長していきます。
神々を滅ぼす男
●岡崎つぐお
●1984年34号~1985年52号
数百年に渡る星間戦争、特殊部隊の生き残り、神に選ばれた主人公。
アニメ「装甲騎兵ボトムズ」のハードな世界観が好きな人には間違いなくオススメ。
30位青空しょって
近年の若手プロゴルファーブームを先取り
●森秀樹
●1987年24号~1991年51号
序盤はプロである父親のダメっぷりを容赦なく描き、主人公は明るく爽やかに王道を突き進む展開。
まさに「がんばれ元気」で確立された「サンデー的スポーツ漫画」の様式美。
この作品で「テニスエルボー」を間違って覚えました
●みやたけし
●1984年49号~1985年25号
かわいい頭身のスポーツ少年を描かせたら天下一品。
集英社→小学館→秋田書店と渡り歩いていく苦労人が、サンデーに遺した数少ない佳作。
愛がなくちゃね
●石渡治
●1982年32号~1985年15号
石渡氏特有のトンデモ成分が、学園モノの爽やかさと「ハングリィィ!」のバカバカしさで上手く中和された、奇跡のバランスを誇る一作。
作品内の時間経過は現実通りで、各エピソードを半年くらいでまとめているので、展開を暴走させる時間がなかったのも大きな要因。
きっちり3年で卒業させないといけないですからね。
最盛期は「アニメ化してほしいランキング」で常に上位でした。
絶対無理ですが。