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クールな綾辻のもう一つの裏の顔
渾身のスプラッターホラー小説。ここまでの残酷描写で迫る小説はなかなかお見受けできません。
クールでおしゃれな印象の女性ファンの多い綾辻行人がまさかこんな作品を書いていたなんて!と驚かれるかもしれませんが、京大時代に我孫子武丸と交換日記のように、スプラッター小説を書きあっていたエピソードからも、これは作家綾辻行人のれっきとした一つの顔であることがわかります。
ラストであっと驚かせる仕掛けが盛り込まれているのは、ミステリー作家として本領を感じます。
3位時計館の殺人
引用元: Amazon
『時計館の殺人』(とけいかんのさつじん)は、推理作家綾辻行人による長編推理小説。綾辻の代表シリーズである館シリーズの第五作である。 1992年度 第45回日本推理作家協会賞長編部門受賞作にして、作者の代表作の一つである。
種明かしで時間が捻じれる、読者を異次元へ誘う
『十角館の殺人』からスタートした綾辻のライフワーク、館シリーズですが、そのひとつの集大成ともいえる大長編ミステリー(1,000枚級)が『時計館の殺人』です。
いつものように館に集まり、いつものように事件が起きて。ごく普通のミステリーと思っているとメイントリックで読者は稀有な体験をすることになります。
種明かしで時間が捻じれ、まるで読者は自分が生きている時間軸が狂ってしまい、まるで異次元に招かれたような経験をすることになるでしょう。
他のミステリーでは味わえない、不思議な感覚はこの作品ならではの持ち味です。
ミステリーのおいしいところてんこ盛り!
綾辻行人のデビュー作。
文章の拙さに初々しさが残るものの、ミステリーを愛し、本物のミステリーを追求したからこそ窺える、ミステリー小説のおいしいところがてんこ盛り、マニアはもとよりミステリーになじみのない読者も面白いと感嘆せしめる濃い内容となっています。
ミステリーの門を叩くなら、まずはこれを読みなさい!とおすすめしたい作品です。