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聖女のような主人公の光と陰が見どころ
病弱で余命を宣告された不幸な主人公が、大好きな人との約束を果たすためだけに奮闘する姿はとても感銘を受けました。
序盤は主人公満月は彼女を取り囲むさまざまな闇を抱えたキャラクターたちの傷を癒していく、聖女のような存在に描かれていますが、彼女の抱える闇は誰よりも深く悲しいものでした。
そんなギャップが素晴らしく、また、キャラクターがいろんなところで主人公との繋がりがあったことも読み進めていく上で判明しますが、そういった予測できない展開で読者を飽きさせない物語が選んだ理由です。
長編作品になっていたら間違いなく1位の作品
王道のファンタジー。キャラクターたちが与えられた使命をこなすために仲間を集めるというストーリーは少年漫画を彷彿とさせますが、そこに少女漫画ならではの恋愛要素も付け加えたハイブリッドな作品だと思うからです。
この作品がすべての異邦人を仲間にする過程をすべて描いてくれたのなら間違いなくぶっちぎりの1位でしたが、途中その部分が割愛されてしまっているのが残念なポイントでもあったのでこの順位としました。
種村有菜のはじめてのファンタジー要素なしの作品
種村有菜先生はファンタジーが基本でしたが、この作品ははじめてのファンタジー要素がない作品です。
ジェンダーについて、同性愛について、年齢層の低いりぼんで描いたことはとても高く評価できると思いました。
ただ、ファンタジー要素はないといっても、舞台となる帝国学園は現実ではあり得ないような世界なので、個人的にはかなりファンタジー寄りだと思います。また、最後のあたりは御都合主義のような展開もあり、ファンタジーではない世界を描いている以上もう少し綺麗に終わらせてほしかったなと個人的には思っています。
りぼん卒業後の種村有菜の変化が見られる作品
りぼん卒業後の種村有菜先生の変化が見られます。
りぼんと比べて絵柄はかなり変わりました。目の大きさは小さくなり、掲載雑誌に合わせにいっているように感じます。キャラクターたちの服装もごく普通の制服にごく普通の私服で、種村有菜先生の独特な雰囲気が削られて、新しい一面が垣間見える作品です。なので、種村有菜を好きな人には受け入れられがたいかも知れませんが、個人的にはこの変化も新鮮で面白かったです。
物語に関しては、ヒーローの男の子がせめて中学生であればもう少し感情移入ができてより面白かったのになと思っています。
種村有菜作品の原点とも言える作品
種村有菜先生の独特の世界観が一番満喫できる作品だと思ったからです。
綿密に練られた伏線と、読者を裏切る予想外の展開。明るく勉強も運動もできるハイスペックで非の打ち所がない主人公は女子の憧れのような存在ですが、それだけでけではなくどこか心に深い闇を隠し持っている姿もまた読者の共感を呼ぶ存在です。
ヒロインとヒーローのキャラクター性や物語の大筋は王道なのに、唯一無二の名作です。