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Hatchi pussさんの「EPO(エポ)の曲ランキング」

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更新日: 2024/04/29

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ランキング結果

バブル前期、結婚適齢期女子のメンタル

このころのEPOの歌詞には、二番目の女や、昔の彼を懐かしく思う女のポジションが多い中で、これは珍しく結婚間近な女の多幸感があふれる歌。二番の後、カッコいい男女二声コーラスの間奏に続く大サビでは、EPOがスコーンと高音を歌うのが気持ち良い。

エバーグリーンで聴後感の非常に良い曲なので、歌いこなせる人にカバーしてほしい。旬の頃の渡辺美里(My revolutionというクサい歌で、EPOを凌駕して売れてしまって、本当は嫌い)が歌ってたら、間違いなくヒットしていたと思う。あとはイヤミの無さで河合奈保子あたりにカバーしてほしい。

タイトルの絶妙なセンス

一年365日ある日付の中から、元旦でもクリスマスでも誕生日でもない一日を選んで、一曲の中でドラマを完結させた稀有な歌。

八月十七日の夕方、街角で別れた恋人と偶然再会し、一緒に淡々と食事をするだけの内容。個人的には、まだお盆休暇から人が戻り切っていない丸の内のイメージ。サビメロが無いのが叙景的で、夜が更け二人が別々のタクシーの乗って別れることになる歌詞を聞く曲の終盤には、夜の涼しい空気がリスナーを包むかのような感覚にさせる曲。

ファンの間で根強い人気があるらしいが、曲調が地味な上に、EPO本人も思い入れが強くないようで、レコード用録音以外には、聞く機会が少ない曲。

B面もいいぢゃん、EPO

資生堂春のキャンペーンソング「う、ふ、ふ、ふ、」のB面。

「う、ふ、ふ、ふ、」とは違う気だるい曲調で、シングル盤一枚で良曲2曲が楽しめる。「う、ふ、ふ、ふ、」を買った当時の人は満足したはず。こちらはEPOお得意の二番目の女ポジションの歌詞で、この曲を好きになった人は、おそらくキャッチーなCMシングルに続いて、その後しばらくアルバムを買い支えるファンになったことだと思う。

随分後年になって、セルフカバーをしており、そちらではなんと短調に転調アレンジしている。原曲では春の土曜日昼下がり、これから夜にかけて男の部屋でイチャコラしてやろうとしていた矢先に、本命の女から電話(固定!)がかかってきた。男が電話に出たので、電話の向こうの相手に悟られないよう息を殺して不安そうに見つめているだけの女だったのが、セルフカバーでは電話に出る男や本命の女に対してドス黒い感情を持つまでに成長している。どちらも良い出来なので、聞き比べてください。

車を運転していたのは女性じゃないでしょうか?

シングル曲ではここから、清水信之の編曲を離れるから、二人の関係に何かヒビが入ったのかな?曲の内容とは裏腹に、私のようなヒネくれものは『部屋とYシャツと私(ゲェが出そうな曲)』な女に負けたのはこの時期かな?と妄想するのが楽しい(とは言え、この後すぐ絶対にヒットを外せないコカ・コーラCMソング『太陽にPUMP! PUMP!』では、大人の事情なのか一旦ヨリを戻す)。

下衆の勘繰りはさておき…
当時の20代の必須アイテムである「自動車」が大道具として効いている一曲ですよ。「車の窓に舞い降りてとけた初雪のしずく涙になった」と美しい季語「初雪」を涙に転化させるあたり、間違いなく失恋ソング。12月でエイプリルフールの季重なりのタイトルでグッと掴んでおいて、あとは5分間のドラマで全てを語るEPOの作詞が一番脂の乗った時期。「あなたと過ごす初めてのイブを淡い思い出にするはずだった…」と歌うので、イブが淡い思い出にならなかったのね、可哀想。そもそもの期待値も「淡い思い出」止まりなので、これってEPOお得意の二番目の女ポジション?

クリスマスイブを一緒に過ごそうと口約束を得られたもののドタキャン?男は優柔不断に二股かけて直前にEPOを切った、おそらく急な仕事で離れられないと言って、その実某所で「部屋とYシャツと私(再ゲェ)」していたのである。しかし男には変な優しさもあって、翌25日に罪滅ぼしの意識から会おうと言ってきたのだ。「後ろの席に置いた紙袋、貰われるあてのないプレゼント」は「貰われる」と描写しているあたり、EPOが男に用意したプレゼントと読むほうが辻褄が合う(逆なら「受け取れるはずもないプレゼント」という方がしっくりくる)。EPOが自家用車にプレゼントを積んで、自分で運転して24日夜に男を迎えに行くはずだったのだ。

車の中では、嘘くさく優しくされたり、瞳の奥を見つめたりしたうえ、結局別れ話が成立して、男は車から去って行った。そこに降ってきた初雪がフロントガラスに降りて、とけていったんですな。人間の目にはワイパーがないから、ちゃんと涙を拭いて安全運転で帰ってねEPO。この車の描写の秀逸さから、翌年EPOは『Middle Twenties』で日産ラングレーのCMタイアップをつかんだに違いない。

後年、アコースティックでセルフカバーするけれど、出来が良いのは1985年リリースのほうです。

発想がストーカー気質?

美しいメロディで薄まってはいるけど、別れた男に対してなかなかにストーカー気質なEPO節。

場面は成田空港の到着出口でしょうね。そこで別れた彼が新しい女と共にゲートから出てくるのをティーラウンジで待っている歌の女主人公、だが自作曲なのでどうしてもイメージがEPOに被さる。女を連れて二人で出てくるのだから、普通に考えて新婚旅行、ちょっと穿って海外赴任からの帰国。『声をかけずに見送らせてほしいの、昔愛した彼の門出を(ウォウォウウォ~~)』なんて殊勝に言ってますが、やってることはストーカー。他のシティポップ女性陣には書けませんよ、こんな歌詞(褒め言葉♥)。

あと少し気になるのが、歌のつなぎでウォウォウと唸りが、ちょくちょく入るところ。きっと短い日本語が音符にはまらなかったのだろうけれど、前述の「ウォウォウウォ~~」などティーラウンジで号泣と解釈しても違和感無し。以前は気にならなかったのだが、最近のEPOの印象を加味すると、うっすらと純粋すぎて変な人のフィルターがかかってしまう。

この美しいメロディーは後年、海外のアレンジャーによってストリング中心にお色直しが施され、EPOがセルフカバーしてます。そちらのバージョンはキリッとした空気感が漂い、場面がロンドン・ヒースローか新千歳空港になったよう。

EPOは叙景描写が上手いよね

初期のベスト盤「THE BEST STATION JOEPO 1980-1984」で、この曲を聴く。

歌詞全編を通して、好いた惚れた別れた泣いたの抒情描写が無くて、活気あるニューヨークの街並みを活写した曲。日記的というか俳句的というか、叙景をメロディーに乗せて、抒情部分はリスナーの感性に任せる曲構成においてEPOは良作残している。「海沿いの秋」や「八月十七日」などその好例。そこを自覚して職人的に曲作りしてくれたらと思う。

あとこの曲では、後年あまり聞かれなくなるEPOのスキャットが楽しめる。なかなかいないですよ、日本人でスキャットを自在にする歌手は。

EPOってつくづく土曜の女なのである

だって曲中で「あしたは日曜日、夜更かしができる」「あしたは日曜日、踊りに行きましょう」って歌ってるのだから。

ヒット曲「う、ふ、ふ、ふ、」が収録されているアルバムの中の一曲。
この曲のリリース時には「オレたちひょうきん族」のエンディングテーマ歌手という認知も広く浸透していて、土曜日(ただし、この曲からイメージされるのは、完全週休二日が浸透する前の半ドン)と給料日のダブルウキウキを背景にしつつも、一緒にドライブしているのは別れた前の恋人というEPOお得意のパターンである。そのせいか、楽しいようで一抹の気だるさ、やるせなさが一曲を通してただよう。

この曲を好きなファンも多いらしい(私もそう)が、そういったファンは二つの恋の間で揺れ動きたい願望をいいように操る、EPOの術中にまんまとハマっているのである。又この曲をコンサートで歌って盛り上げようとしている動画があったが、ちょっと無理がある。これは予定のない土曜の午後に部屋でマターリとレコードで聞くのにふさわしい曲。

「う、ふ、ふ、ふ、」よりイイよね

「う、ふ、ふ、ふ、」ヒットの翌年に、資生堂春のキャンペーンソングに採用。ただし本人歌唱ではなく、他の歌手への楽曲提供という形で。

それまで歌では泣かず飛ばずだったアイドル歌手、高見知佳が歌ってオリコン最高位16位のスマッシュヒットにつなげたのだからスゴイ。EPOのベスト盤の本人執筆ライナーノートに、初めて他の歌手に提供した曲とあったから、作曲家としてのEPOの名刺代わりになったに違いなく、この後B級どころの女性アイドルにたくさん曲を書き下ろして、中ヒット程度に持っていける実力者になる。

というわけで、セルフカバーは高見知佳を邪魔しないように、アルバム収録とシングルB面止まりにしたに違いない。実はこの曲のほかにEPOは高見知佳に数曲提供している。にもかかわらず、高見知佳逝去の際に目立ったコメントを出してないのが気になる。公式ウェブサイトには日記と称して、時々ブログ的短文を載せているが、故人や楽曲について言及なし。おくやみの一つぐらい言えばいいのにと思った。

「う、ふ、ふ、ふ、」が化粧品なら、こちらはビタミン剤。安直か?

「う、ふ、ふ、ふ、」が収録されているアルバムのタイトル曲で、A面一曲目にガツンと持ってくる。こちらは体の内から、健康に美しくがテーマだが、今流行りのオーガニック野菜ではなくて「一粒のくすり」と歌うのが80年代のEPO的。

初期のベスト盤「THE BEST STATION JOEPO 1980-1984」ではリミックスされて、更に景気の良い音になっていて、そちらのバージョンは評価5点増し。私が何度も言及しているこのベスト盤は、「う、ふ、ふ、ふ」やひょうきん族あたりのEPOをさらいたい人にはうってつけのアルバムで、人気曲はリミックスされたり、曲と曲のつなぎ目を工夫したりと、オリジナル音源を改良してBestestに仕上げている。以前に出した企画盤ミニアルバム「JOEPO〜1981KHz」のコンセプトを踏襲してラジオ放送ノリで編集されており、80年代のナウさを令和に聴ける史料的価値もある名盤。

「う、ふ、ふ、ふ、」とリリース順が逆だったらよかったのに

みなさんご存じの通り、EPOは曲の出来のわりにヒットの波に乗れないところがあって、「オレたちひょうきん族」のエンディング曲として知名度抜群のこの曲でも、シングル売上はサッパリだったのである。ヒット曲「う、ふ、ふ、ふ、」の数か月前にリリースされたが、「う、ふ、ふ、ふ、」の次のシングルとして、夏~秋曲としてリリースされてたらとつくづく思う。

EPOと前後してヒット曲を出した女性シンガーを思い出してほしい。渡辺真知子しかり、八神純子しかり、杏里しかり、ヒット曲をドーンと打ち上げ花火した後、続く2~3曲(良曲であることが前提ではあるが)は前曲の七掛けぐらいで売れるヒット法則があり、テレビ出演が望める旬の期間が長い歌手になれるのである。ま、EPOは黒柳さんに何か問われても、微妙な返しをしてしまいそうで、テレビ向きではなさそうだけど。

翻ってEPOの曲リリースはどうか?
「う、ふ、ふ、ふ」の後に、一年以上の期間を置いて、遡求力が低いテクノポップ「恋はハイ・タッチ-ハイ・テック」をリリース、しかも高見知佳に提供してスマッシュヒットした資生堂春のキャンペーンソングのセルフカバー「くちびるヌード・咲かせます(タイトルを微妙に変えている)」をB面に据える戦略付き。完全に時期を見誤っている。

EPO本人もどこかでコメントしていたが「土曜の夜はパラダイス」はキャッチーなメロディーとアレンジのくせに、実は失恋の曲。『踊ろうパラダイス、唄おうパラダイス』と夜遊びして失恋の憂さを晴らそうと、カラッとネアカに歌い飛ばしている。初期のベスト盤「THE BEST STATION JOEPO 1980-1984」ではリミックスされて、夜遊び感が増し増しになり、そちらのバージョンだと更に評価10点増し。詞は「う、ふ、ふ、ふ、」とテーマが被らず、曲はなんだか景気が良い感じ、そのうえ高視聴率番組のエンディング曲として毎週ガンガン流れるプロモーション付き。嗚呼もったいない。

EPOファンにとってベンチマークとなる曲

83年資生堂春のキャンペーンソングで、誰もが知る(と思いたい)EPO最大のヒット曲。

自己肯定感100%の内容で、笑い声のオノマトペを歌詞に入れるフックが効いてるから、そこから長く続くことになる好景気の初っぱなに化粧品のCMソングとして、当時のスタッフはヒット間違いなしと100点満点を付けただろうと容易に想像できる。その後何度も他商品のCMソングに使われたのも納得の出来。

できれば初期のベスト盤「THE BEST STATION JOEPO 1980-1984」で聴いて、歌詞が未定で『ラララら~ララ』と歌ってたデモテープから本番に仕上がる過程も聴いてほしい。デモバージョンの段階で、既にに完成度が高いのである。個人的には本番一歩手前のデモバージョンがツボで、これをフルで販売してほしいぐらい。

EPOは、この歌のヒットで固定ファンをかなり掴めたはず。アルバムセールスが実力のバロメーターとされるシンガーソングライターとしては、この後しばらく安定期を迎えるのだから。固定ファンは、その後きっと新曲の出来を「う、ふ、ふ、ふ、」を基準に評価したことと思う。万人受けのヒットが狙えるキャッチーさではなく、如何に自分好みのツボに入るかという点での評価である。ゆえに、私にとってこの曲は良曲のなかの偏差値50という意味で75点なのである。

CMソングにまつわる偽の記憶

初期のベスト盤「THE BEST STATION JOEPO 1980-1984」で、この曲を聴く。でもなんか聞いたことがある、特にサビ「信号が青になる前に」の部分。ミノルタか何かのカメラのCMで、城達也かだれかの渋い声のナレーションが被さって、商品を前面に出すのではなく、企業のイメージ広告的な作品に使われていたような。裏付け全く無しなのに、変に具体的なのが妙?

この辺りから、説教臭くなる

作曲は良いのだけど、歌詞が後期EPOの哲学語りだして、編曲のせいか曲が長いので、長い説教を聞かされた気分になる。

ファンには受けているらしいのだが、

一応ファンの末端につらなる私には、全く響かない曲。悪い意味での記憶に残ることもなく、本当に印象が薄い。アルバム「HI・TOUCH-HI・TECH」のなかでは「置きざりの郵便」と「海沿いの秋」を推す。

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