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萩尾 瞳さんの「面白い洋画ランキング」

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更新日: 2020/10/27
萩尾 瞳

映画評論家、ミュージカル評論家

萩尾 瞳

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まえがき

毎年のベストテンを選ぶのにも、ああでもない、こうでもないと悩みまくっているのに、3本だけ選ぶなんて、本当に難しくて悩みまくります。10本くらいは、だいたいいつも固まっているのですが、その中から3本となると…。

というわけで、3本はジャンルが重ならないよう心がけてチョイスしてみました。「ブレードランナー」はSFだけれど、ヒューマン・ドラマとしても面白いと思います。好きなミュージカル映画に関しては際限なく思い浮かぶので、ここはトップ・オブ名作を選んでみました。

逆に言えば、他のジャンル・ランキングには入れにくい作品チョイスになったとも言えそうです。

ランキング結果

1ブレードランナー

ブレードランナー

引用元: Amazon

制作年1982年
上映時間116分
監督リドリー・スコット
メインキャストハリソン・フォード(リック・デッカード)、ルトガー・ハウアー(ロイ・バッティ)、ショーン・ヤング(レイチェル)、エドワード・ジェームス・オルモス(ガフ)、M・エメット・ウォルシュ(ハリィ・ブライアント)ほか
主題歌・挿入歌愛のテーマ / ヴァンゲリス
公式サイト-

一度は見るべきSF映画

SF映画の名作中の名作です。いえ、SFという枠に収まりきらない、切なく深遠なドラマなのです。
もともとは映画野原作となったフィリック・K・ディックの小説「アンドロイドは電気羊の夢を見るか」が大好きでした。原作ファンの場合、映画にはどここかしら不満を持ってしまうものですが、リドリー・スコット監督のこの映画にはそれがありませんでした。

日本のどこかをモチーフにしたような未来都市のヴィジュアルは、いま見ても古びてませんし、CG技術もなかった当時のSFXと呼ばれた特撮もいま見ると逆に新鮮です。
主演・ハリソン・フォードもいいのですが、お気に入りは敵のレプリカントを演じるルドガー・ハウアーとダリル・ハンナです。

人間とレプリカントとの対立を描いたドラマは、永遠の文明論ともいえます。
ヴァオジョンがいくつかありますが、最初に公開されたこのヴァージョンが、個人的には好みです。

2ウエスト・サイド物語

ウエスト・サイド物語

引用元: Amazon

制作年1961年
上映時間152分
監督ロバート・ワイズ、ジェローム・ロビンズ
メインキャストナタリー・ウッド(マリア)、リチャード・ベイマー(トニー)、ジョージ・チャキリス(ベルナルド)、リタ・モレノ(アニタ)、ラス・タンブリン(リフ)ほか
主題歌・挿入歌トゥナイト / ジミー・ブライアント、マーニ・ニクソン
公式サイト-

ミュージカル映画の金字塔

ミュージカル映画が大好きなので、いくつも入れたくなってしまうのですが、1本だけ選ぶとなるとやはりこの作品になってしまいます。それは、この作品を見た時の衝撃があまりに鮮烈だったからでしょうか。

オープニングで始まるダイナミックなダンス・シーンは、いまも新鮮です。名匠レナード・バーンスタインの音楽が、また素晴らしい。「トゥナイト」「マリア」「アメリカ」などなど、どれもスタンダード・ナンバー化している名曲ばかりです。
「ロミオとジュリエット」を、50年代ニューヨークに移植した物語は、とても普遍的。移民同士の争いが引き裂く恋は、人種差別や対立がこの世からなくならないかぎり永遠にあり続けでしょうし。

いま見ると、冒頭タイトル・シーンが長過ぎるとは思います。原作舞台なら、開幕前にオーケストラが演奏する「オーヴァーチュア」という部分に匹敵するのですが。そこは、ちょっと我慢して、できれば大画面で見ると、ラブ・ストーリー好き、ダンス好き、音楽好きは、きっと楽しめるはずだと思います。

3スタンド・バイ・ミー(映画)

スタンド・バイ・ミー(映画)

引用元: Amazon

制作年1986年
上映時間89分
監督ロブ・ライナー
メインキャストウィル・ウィートン(ゴーディ・ラチャンス)、リヴァー・フェニックス(クリス・チェンバーズ)、コリー・フェルドマン(テディ・デュチャンプ)、ジェリー・オコンネル(ヴァーン・テシオ)、キーファー・サザーランド(エース・メリル)ほか
主題歌・挿入歌Stand by Me / ベン・E・キング
公式サイト-
動画配信サービスU-NEXT:配信中
Amazon Prime Video:配信中
Netflix:配信中
Hulu:なし

胸にしみる永遠の絆

夏の終わり、田舎町に住む少年4人が体験する冒険物語。とはいえ、冒険は、あくまでストーリーに過ぎず、描かれるのはそれぞれが背負った運命と、少年たちの強い絆です。

共に冒険をしながらも、4人が歩まざるを得ない道は大きく分かれて行きます。ただただ友情と冒険心だけで共にいられる、つかのまの時期。まさに夏の終わり、少年期の終わりの宝石のような時間が、この作品には描かれています。その時間にまばゆさに、いつ見ても胸が熱くなってしまうのです。

そして、なんといってもリバー・フェニックスの凛々しさが見もの。早逝してしまったことが惜しまれます。
テーマ曲に使われたベン・E・キングの名曲を耳にするたび、この映画の場面が思い浮かぶほど、ずっとずっと好きな作品です。

あとがき

3本を選んでみると、大好きなラブ・ストーリーやガールズ・ムービーが入っていませんでした。うっかり落としたのではなく、好きな作品があり過ぎて、同点3位が10本みたいになってしまうのです。
そこで、ここは、もう潔く外してしまった、というわけで。

4位にどれか1本くらいは、とも思ったのですが、それも絞り込めなくて。我ながら、決断力ないにもほどがあります。

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