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どんでん返しと悲しみと
本格ミステリ大賞にも選ばれ、飛ぶ鳥を落とす勢いの作品。作者は88歳。戦争経験者ならではの想いが作品に込められており、真相が明らかになったときには悲しみと怒りの涙が頬を伝いました。戦時下から戦後にかけても様子がしっかりと描かれ、そんな厳しい状況でも活き活きと生活する若者たちの群像劇としても読むことが出来ます。登場人物が個性的で楽しいからこそ、ラスト近辺で皆の道が分かれ始めるところでは、涙が止まらなくなります。
人情モノの傑作
プリズンホテルシリーズは全4作で、極道が宿泊するホテルを巡って、様々な登場人物の気持ちが交錯する群像劇。主人公の小説家は性格がとても悪く、母親にもきつく当たるような男で、同情できる書き方をされてはいません。そんな彼や母親に秘められた秘密が明らかになる展開には、先の流れを知っていても涙が止まらなくなる。主人公が交流する人々とのエピソードも面白く、主人公のクズっぷりが爽快さになることもあって、楽しい作品。