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東 紗友美さんの「泣ける映画ランキング」

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更新日: 2020/10/27
東 紗友美

映画ソムリエ

東 紗友美

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ランキング結果

1グッド・ライ 〜いちばん優しい嘘〜

グッド・ライ 〜いちばん優しい嘘〜

引用元: Amazon

制作年2014年
上映時間110分
監督フィリップ・ファラルドー
メインキャストリース・ウィザースプーン(キャリー・デイヴィス)、アーノルド・オーチェン(マメール)、ゲール・ドゥエイニー(ジェレマイア)、エマニュエル・ジャル(ポール)、コリー・ストール(ジャック)
主題歌・挿入歌Find A Way / Nico & Vinz feat. Emmanuel Jal
公式サイトhttp://www.goodlie.jp/

世界でいちばんやさしい嘘はこの映画の中にあります。

"やさしいうそ"に出会える映画は、決まって名作が多いものです。

"思いやりから生まれる相手の幸せを願ったための嘘"が描かれた作品。
数ある映画の中でも私の泣ける映画ベストは、こちらです。

1983年にアフリカ大陸のスーダンで起きた内戦をきっかけに、アメリカの各地に移住することになった3,600人の難民の若者たちを描いた人間ドラマです。

この映画は実話を基に描かれていて心に響く部分がとても強いです。

スーダンからアメリカに渡った難民たちに、ギャップだらけの生活が始まります。
知らないことだらけの新生活。
その辺りのシーンでは、笑いに溢れています。
ですが、ただ笑わせるだけでなく最後には深い感動の波に包まれます。

リースウィザースプーンは、いつの間にやらコメディ女優から正統派女優に。
彼女の瞳を通してアメリカで暮らすことになった難民たちを見ることになると思うのですが、演技がとてもうまいのでより感情移入できます。

家族がただ一緒にいられることがこんなにも幸せなことだなんて、、、。
そういった喜びをテーマにした作品は多々ありますが、実話の重みと、家族のある決断を通してそれが最もよく伝わってくる作品です。

これで泣けないのだったら心がすさんでいる!!
そんな心の定規にしていただいてもOKなくらい(笑)とても良い作品です。

国と国の分断が今でも問題になる現場がある地球上で、出逢っておきたい1本です。

2ミッドナイトスワン

ミッドナイトスワン

公式動画: Youtube

制作年2020年
上映時間124分
監督内田英治
メインキャスト草彅剛(凪沙)、服部樹咲(桜田一果)、田中俊介(瑞貴)、吉村界人(キャンディ)、真田怜臣(アキナ)ほか
主題歌・挿入歌-
公式サイトhttps://midnightswan-movie.com/

愛する覚悟も、愛を受け入れる覚悟も。その両面が描かれているからこその傑作

『下衆の愛』『全裸監督』の内田英治監督オリジナル脚本。
日本ではまだまだ少ないオリジナル脚本の映画化に賛辞を送りたい。

草なぎ剛さん演じるトランスジェンダーとして身体と心の葛藤を抱え生きる主人公の凪沙は、育児放棄にあっていたバレエダンサーを夢見る少女・一果とひょんなことから暮らし始めます。
2人の関係は、いつしか常識も性も家族という概念をも超越した愛の物語を紡ぎ出します。

血はつながらないながらも2人の間に生まれる擬似親子の関係性、
本物の親子以上に強い絆で結ばれていく2人。
そこに損得勘定はどこにもなく、
あるのは無償の愛のみなんです。

このように文章にするとありがちな物語に聞こえるかもしれませんが、この物語を支えるのは圧倒的なキャストの演技力。
この映画がデビューとなるバレエ経験においても実績のある服部樹咲さんの初々しくも力強い演技は、
生まれたばかりの白鳥のような美しさが。
彼女の舞う姿に涙しそうになりながらも、その姿はただ美しいだけじゃなく、
葛藤や悩みや揺らぎも見え隠れしていて。

そんなどこか不安げな彼女を温かい眼差しで見守る凪沙の瞳のあたたかさ。
まなざしの奥に眠る優しさ。

ここまで実在の人物を眺めているかのような感覚に陥る作品は珍しく、演者たちの演技の説得力というものを本当に感じます。

草なぎ剛さんご自身が自分の代表作になると述べている通り、トランスジェンダーを演じる草薙さんの圧倒的な演技力。
体感的な感想になりますが、この映画を鑑賞後に際映画ソムリエの私でも引きずられてしまいました。
凪沙というキャラクターの世界に飲み込まれるんですよね。

涙したい夜には、
誰かに優しくなりたい夜には。

ミッドナイトスワンをどうぞ。

3街の灯(1931年)

街の灯(1931年)

引用元: Amazon

制作年1931年
上映時間87分
監督チャールズ・チャップリン
メインキャストチャールズ・チャップリン(放浪者:リトル・トランプ)、ヴァージニア・チェリル(盲目の花売り娘)、フローレンス・リー(花売り娘の祖母)、ハリー・マイヤーズ(富豪)、アラン・ガルシア(富豪の執事)ほか
主題歌・挿入歌-
公式サイト-

撮り直し300回以上のシーンもあり!笑って泣けるチャップリン史上最高の感動作

映画を語る上で外せないのがやっぱり喜劇王チャップリン。
数あるチャップリン映画の中でもこの街の灯は、代表作の一つと言えます。
コメディアンとしての側面を覗くこともできますし、同時に最も泣けるチャップリン映画とも呼ばれています。
これがハッピーエンドかバットエンドか、今なお見るものによって議論されているところもいくつもの解釈を与えることで構成に語り継がれる作品となる一因のようです。

盲目の花売りの娘に恋をした浮浪者の話です。彼女の視力が戻るように、チャップリンの演じる浮浪者が奮闘します。

花売り娘との約3分ほどの出会いのシーンに342回のNGを出して、
撮影日数534日のうち、このシーンの撮影だけで368日を費やし1年以上かけて撮り直しされたという逸話もあり、
このエピソードにおいてもどれだけチャップリンが完璧主義だったかが伝わってきますよね。

「街の灯」は無声映画にもかかわらず、パントマイムによる変幻自在の豊かな表現で今みても新鮮で決して古びることのないユーモアに笑いつつ、胸打たれつつ、その世界に没入させてくれる。
そして無声映画なのでセリフももちろん最小限。
時折、画面に出てくる言葉もあるけど決して多くはない。
にも関わらず、言葉以上に語るものがこの映画には溢れています。
そして同様にこの映画が教えてくれるのは、笑も涙も感動も、人の心を打つものは万国共通ということが伝わるんです。

真の表現には、下手な言葉はいらないと言うことを教えてくれます。

ほぼ映像だけで語りかける作品にここまで涙するなんて、観るものの人生においても見る人にとっても非常に貴重な体験になることを約束します。

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