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漫画業界を世間にわからせた作品
そもそも漫画家を題材にした作品自体が少ないですが、この漫画はもっと踏み込んで漫画家の視点から少年漫画業界そのものを描いている点がオンリーワンです。
しかも、実在の週刊少年ジャンプという雑誌・編集部をそのまま使っています。
私もジャンプ出身ですが、ジャンプの裏側のディテールがかなりリアルなので、ここまで描いていいのかと驚きました(原稿料まで・・・)。
ベールがかかっていてよく知られていない業界の裏側をありのままに紹介してくれました。
また、漫画家を目指すという題材を聞いた時に「これだけアクション的に地味な題材は少年漫画として厳しくないかな」と少し心配になったのですが、読み始めてみるとそれはただの固定観念から来る杞憂に過ぎなかったと気付きました。
基本的に主人公達がやっていることは、言う・描く・行く、という行動なのですが、テンションが上がる演出がかかっていることによって、まったく目が、脳が飽きないのです!
演出力(そのほとんどがコマ割りの力)が光る漫画です。
お笑い業界をリアルに描いたレアマンガ
週刊少年ジャンプを経て、週刊ヤングジャンプでも掲載された漫画。
連載スタートを聞いたときの感想は「森田先生ホントにやった!」でした。
と言うのも、その前の連載「ROOKIES」の頃に森田先生が「いつかお笑いマンガを描きたい」とコメントされていたのを拝見し、「見てみたいけどお笑いをマンガにするって難しいんじゃないかな」と思っていたからです。
ですから初めて読んだ時に、「マンガでお笑いができてる…も、森田先生すげえ…」と感動したのを覚えています。
少年漫画は非現実的な設定を使ってアクションで見せていくもの…という私の固定観念をひっくり返してくれた作品です。
しかもギャグマンガではなく、お笑いの世界をリアルに描いたストーリー漫画であるというところにしびれます。
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見たことない発想と張りつめた空気感!
2020年現在、自分の中でイチオシの漫画です。
序盤で思ったのは、第1話で感じた漫画のジャンルや方向性が、読み進めているうちに予想と違った方へ変わっていったことです。
「そういう漫画!?」と、心地よい意外性をくれました。
第1話ではそういう匂い全くさせてないんですもん。
もう一つ特質すべきはオリジナリティです。
技の発想や演出、敵のビジュアル、敵の登場シーンなどの演出が見たことないオリジナリティあふれるものになってるのです。
たとえば少年漫画の技ってもう出し尽くされた感がありますが、チェンソーマンの技や能力は固定観念の外側の発想で作られています。
特に、闇の悪魔の登場の演出には度肝を抜かれました。
こんな発想ができてしまう作者の藤本タツキ先生はどんな脳みそをしてらっしゃるのか、一度拝見してみたいものです。
また登場人物が容赦なく死んでいくので、気が休まらない張りつめた空気を感じる世界観になっています。
ジャンプの漫画の中ではやや対象年齢が高い漫画かもしれません。