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タイトルよし、テーマよし、安藤よし。
青春の痛々しさが、リアルに描かれた名作ですね。
誰だって若い時分には、つまづいたり、迷ったり、諦めたり、道を間違えたりするもの。青春時代のいろんな感情が詰まった作品で、私もたくさん失敗したなぁと、物語に気持ちを重ねました。
今作でデビューした安藤政信の存在感の大きいこと!やはり北野監督には、スターリングする千里眼もあるのだなぁと実感しました。
アーティストなたけし
この映画に登場する絵画は、すべて北野監督が実際に描いたものだそうで、才能の多彩さに感嘆しました。
この作品を見た当時、私は美術関係の仕事をしていたのですが、自分で絵が描けるわけではないので、美術の勉強の意味も込めて今作を鑑賞しました。
斬新な色使いや、空き缶さえもをアートと言ってしまう強さとか、真知寿は作家そのものだなぁ…と実感しました。画商とのやりとりは非常に滑稽で、お人好しな真知寿は、人のよさそうな監督自身ではないのかな?と感じました。
タイトルのように美しかった
今から30年近く前の作品なので、流行していたファッションとか、主流の音楽アレンジなどの古めかしさは感じるのですが、全体に抒情的な雰囲気のある作品でした。
北野監督の作品の中では、一番ピュアなラブストーリーなのではないでしょうか。グロテスクなシーンも少ないので、ヤクザものが苦手な人でも鑑賞できると思います。
ラストはとても切なかったけど、タイトルの意味がじんじんと伝わってくる印象的な終幕でした。
美しさとむごさ
色彩にこだわった作品と伺ったことがありますが、絵画や美しい写真を眺めているようで、本当に色鮮やかな作品でした。それに反してストーリーは、本当に重くてむごくて、悲しいのですが…。
季節を色で表現しているので、日本の四季の豊かさも感じられました。フランスで絶大な支持を受けている北野監督ですが、今作は外国人の方にも、日本の美しさが伝わること間違いなしです。
鉄板のテーマですが…。
少年が母を探す旅に出る。
まさに鉄板な内容で、涙をそそらない訳はないわけです。
でも通常の作品と違うのは、やはり監督がコメディアンでもあるため、笑えわせるシーンが抜群に面白かったこと。途中で出会うおじちゃんたちが非常に笑えたうえに、彼らをたけし軍団の役者が演じていることもまた、“殿”の優しさを感じました。
菊次郎がダメおやじなであることとか、久石譲作曲のテーマ曲『Summer』も非常に素晴らしいですね。