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Twitterでシェアまえがき
なので、ここでは、ぼくが無条件に楽しい気分になる、元気になる、気持ちが上がる三本をセレクトしました。
いずれも昭和30年代から40年代にかけての日本映画です。この時代の映画は、二本立て、二週間で次の作品に番組が変わる「プログラムピクチャー」でした。映画館には笑いが溢れ、「あー、面白かった」と一時の娯楽を楽しむ庶民で賑わっていました。
その時代の空気も体感できる三本です。
ランキング結果
2位キングコング対ゴジラ
引用元: Amazon
制作年 | 1962年 |
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上映時間 | 97分 |
監督 | 本多猪四郎、円谷英二 |
メインキャスト | 高島忠夫(桜井修)、佐原健二(藤田一雄)、藤木悠(古江金三郎)、有島一郎(多胡部長)、田崎潤(東部方面隊総監)ほか |
主題歌・挿入歌 | - |
公式サイト | - |
日米怪獣の対決をサラリーマン喜劇で!
東宝特撮映画でも根強い人気の「キングコング対ゴジラ」(1962年・本多猪四郎)が、他の怪獣映画を一線を画しています。とにかく明るく、楽しいコメディ映画なのです。
キングコングを南海の孤島・ファロ島から連れてきて、パシフィック製薬の宣伝に利用しようとする宣伝部長・有島一郎さん、そしてクライアントの命を受けてキングコング捕獲の冒険に出かける、高島忠夫さんと藤木悠さんの凸凹コンビ。怪獣映画はとかくリアリティを追求しますが、この映画では、キングコングとゴジラをどう戦わせるか? を当時、全盛だった「東宝サラリーマン喜劇」のスタイルで描いているからです。
世界に誇る円谷英二特技監督による日米怪獣の対決シーンは、時にはリアルに、時にはコミカルに、子供たちが熱狂した「怪獣プロレス」の醍醐味を味わせてくれます。昭和30年代の東宝娯楽映画の楽しさいっぱいの「キンゴジ」は、観ていて元気になれること請け合いの大傑作です!
2021年公開予定の、ハリウッド版「ゴジラ」モンスターバース最新作「ゴジラVSコング」の前に、ぜひ、オリジナルの楽しさを味わってください!
3位喜劇 女は度胸
渥美清の元気がみなぎる傑作コメディ!
「男はつらいよ」第1作と第2作の間、昭和44(1969)年10月1日に公開された『喜劇 女は度胸』は、先日亡くなった森崎東監督のデビュー作です。松竹上層部から「何か喜劇を作れ」の一言で、山田洋次監督(原案)と森崎監督が捻り出したのは「愚兄賢弟」の喜劇。愚かな兄と賢い妹が「寅さんの世界」とするなら、こちらは、河原崎健三さん演じるインテリ志向の弟が、渥美清さん演じる粗野でパワフルなダンプカー運転手の渥美清さんの行状に悩まされるというコメディです。
ヒロインはこれがデビュー作となる倍賞美津子さん。元気いっぱい、はちきれんばかりの倍賞美津子さんの若さも見ものです。なんと言っても渥美清さんの「きつくゼンマイを巻いたおもちゃ」のようなキビキビした動きと、鮮やかなセリフの数々。それを眺めているだけでも楽しいのですが、「家族」をテーマにしたパワフルな作風でのちに「重喜劇」と呼ばれる森崎東監督による「庶民のエネルギー」は、まさに元気が出る映画です!
あとがき
「キングコング対ゴジラ」の勢いは、ぼくにとっては、高度経済成長時代をイメージするには最も適していると思います。
「あー、面白かった」「あー、楽しかった」。それが元気の源なのです!
ニッポン高度成長時代を駆け抜けた無責任男の元気!
東宝クレージー映画の植木等さんを観ていると「根拠のない元気」が漲ってきまし。「いいからいいから」「堅いこと言わない」「いっちょブワーといくか!」。呵呵大笑する植木さんを観ているだけで、なんだかシアワセな気分になれるのです。
映画における植木さんをパワフルにしてくれたのは、突撃演出で知られる古澤憲吾監督の「なぜかこうなる」強引な作劇によるところが大きいです。映画に勢いをもたらすため、植木さんの登場シーンは必ず、画面に走り込んできます。時には、ホップ・ステップ・ジャンプの三段跳びでフレームイン!
この「日本一のホラ吹き男」は、のちに「日本一シリーズ」と呼ばれる植木さん単独主演作の第1作。東京五輪の三段跳び候補の初等(はじめひとし)が、アクシデントで選手生活をあきらめ、サラリーマンとなって八面六臂の大活躍、最後は重役に出世するというもの。「東京五輪音頭」「ホラ吹き節」「馬鹿は死んでも直らない」など次々と登場する植木さんの歌にも惚れ惚れします!