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Twitterでシェアまえがき
1930年代に、有名なクロスロード伝説で「自分の魂を悪魔に売った」と言われるロバート・ジョンソンがロックの始まりとも言われています。
クロスロード伝説とは、
「ギターが上手くなりたければ、夜中の12時少し前に十字路に行って1人でギターを弾くと、『レグバ』という大柄の黒マントの悪魔がやってきて、ギターを取り上げチューニングし、1曲弾いてから返してくれる。その時からなんでも好きな曲が弾けるようになる」
というのが概要ですが、ロバート・ジョンソンが悪魔に魂を売り渡す前にやっていたブルースですら、現在では「ロック」と言っても過言ではないと思います。
それほど膨大なバンドがある中で、やはりパンクスである自分が選ぶなら「パンク」に関係したバンドにさせていただきます。
今回のランキングでは、パンクが出る以前から、すでにパンクとしか言いようがない音楽をやっていたバンドと、個人的にハードコアパンクにすら影響を与えていると思っているバンドにしました。
若い人たちには馴染みがないかもしれませんが、このバンド達に影響を受けたバンドは山のように存在します。
界隈では有名なバンドですので、調べればすぐに情報が出てきます。レコードや CDも容易に入手できますし、音楽配信も行われているので、このランキングを見て興味を持ったら、すぐにチェックしてください。
これらのバンドがいなければ、あなたの好きなあのバンドも無かったかもしれません。ぜひ聴いてみてください。
ランキング結果
1位THE STOOGES
引用元: Amazon
ストゥージズ(The Stooges)は、アメリカ合衆国出身のロック・バンド。 1960年代末のガレージロックを代表するグループの一つ。フロントマン イギー・ポップの過激なパフォーマンスが特徴で、後のパンク/ニュー・ウェイヴに大きな影響を与えた。
2位Patti Smith Group
引用元: Amazon
女性ロックシンガー史上世界最高峰のボーカリストが在籍
Patti Smith Groupは、女性シンガーであるパティ・スミスを中心としたロックバンド。
1位に挙げたTHE STOOGESのイギー・ポップが「パンクのゴッドファーザー」であれば、パティ・スミスは「クイーン・オブ・パンク」と呼ばれる、女性ロックシンガーの草分け的な存在だ。
まだパンクシーンが台頭する以前の1975年に、アルバム「ホーセス」で29歳という遅咲きとも言えるデヴューをPatti Smith Groupとして飾る。
アルバム「ホーセス」「ラジオ・エチオピア」「イースター」「ウェイヴ」あたりまでの初期作品は必聴で、特に歌詞は多くのパンクスに支持されている。
70年代の男性主流のミュージックシーンにおいて、パティ・スミスは女性として圧倒的な存在感を見せ、そのアティテュードは詩的であり、文学への造詣の深さがありありとわかるアナーキーで反体制的な歌詞で、のちに起こるパンクムーヴメントの女王とも呼ばれる存在となるのである。
前述のTHE STOOGESにも影響を与えたバンドであるMC5のギタリストであるフレッド・スミスとの結婚により音楽活動を休止していたが、復活後に夫との共同作業で発表した曲「PEOPLE HAVE THE POWER」は、ロック界不朽の名作と言っても過言ではない素晴らしい歌である。
「人々はパワーを持っているんだ!」
と、力強く高らかに歌うパティは、2020年のアメリカ大統領選挙に向け、ストリートでいきなりこの「PEOPLE HAVE THE POWER」を歌い出す姿がSNSに投稿されるなど、その精神や行動力は現在においても「パンク」であり「ロック」であり続けている。
デヴューから現在まで、世界最高峰の女性ロックシンガーだと断言できる存在である。
3位Joy Division
引用元: Amazon
ジョイ・ディヴィジョン (Joy Division) は、イギリスのロックバンド。 1976年にグレーター・マンチェスターのサルフォードで結成され、ポストパンクを代表するバンドの一つとして活躍。ボーカリストのイアン・カーティスの書く内省的な歌詞や特徴的なライブパフォーマンスは多くの人を惹きつけた。
ロック史上でも特に異彩を放った、イアン・カーティスが在籍したバンド
1976年に、イギリスのマンチェスターで結成された、ポストパンクの代表的なバンド。
1977年頃に起きたパンク・ロックムーヴメントが下火になり、ポスト・パンクと呼ばれたムーヴメントが始まった。その代表的バンドであるジョイ・ディヴィジョンの特筆すべきは、ボーカルのイアン・カーティスであることは間違いないだろう。
YouTubeなどで映像を見てもらえばわかると思うが、その異彩を放つボーカルは唯一無二であり、ステージ上やPV、テレビ出演時のイアン・カーティスの異様なテンションのボーカルは、初めて観る人間には恐怖感すら与えかねないものである。
退廃や荒廃とでも言えば良いのだろうか?人間の心の奥底にある陰鬱でどうしようもない感情を、叙情的に表現するイアンのボーカルは、それまでにあったロックンロールなどの明るいロックとは対照的な陰湿さと過激さが、バンドの全てにおいて漂っているのである。
イアン・カーティスの尋常ではない眼光は、一体何を見つめているかもわからず、ひょっとしたら何も見ていないのかとさえ思えるような、人として何かが全く違うような印象を受ける。そのダークな音質の声とともに、イアン・カーティスの世界に否応なく引き摺り込まれて行く。
持病の癲癇と鬱病があったために、しばしライブ中にも発作が起きることもあったようで、その様子は映像にも残されているが、あまりにも異様な雰囲気のライブは、パンクやロックというものを超越した存在であるといえよう。
バンドで成功したイアン・カーティスだったが、スケジュールの過密さなどによる心労により自殺未遂を図る。
1度目の自殺未遂では命を取り止めたが、1980年の全米ツアー出発の前日に、自宅で首を吊って死んでしまう。
残された2枚のアルバムでしかイアン・カーティスを感じることはできないが、前身のWARSAW名義の曲でも初期Joy Divisionの感覚を知ることができるし、WARSAWの方が荒削りでパンクであると感じる。
パンク・ロックのような明るさは微塵も感じられないJoy Divisionだが、その徹底した暗さは、のちのハードコアパンクに影響を与えたのではないかと個人的には思っている。
イアン・カーティスという人間に、興味を持たざるを得ないJoy Divisionというバンドは、ロック史上の中でも特に異彩を放つ特別な存在であると言えるだろう。
あとがき
でもやはり「パンク」という部分にこだわることが、パンクスとしての自分が作るランキングにはふさわしいと思い、この選択になりました。どれも「パンク」に属しても全く違和感のないバンドたちです。
いずれもボーカルが突出して素晴らしいので「歴史に残るボーカリストを要する洋楽ロックバンド」といった感じでも良いかもしれません。
それほどこの3バンドのボーカルの才能は飛び抜けており、曲やボーカルラインだけでなく、歌詞も熟読してほしいです。
日本ではあり得ないタイプの3人ですので「これぞ洋楽ロック」といったランキングだと思います。
本当に素晴らしいバンドばかりですので、知らない方はぜひ聴いてみることをおすすめします。
パンクのゴッドファーザーと言われる、ロックを体現し続ける男「イギー・ポップ」のバンド
1967年に、アメリカ・ミシガン州デトロイト近郊の街アナーバーで結成されたバンド。
ボーカルのイギー・ポップは「パンクのゴッドファーザー」とも言われるほどパンクへの影響は非常に大きなものがあり、パンクが世に認識される以前の1960年代後半の段階でTHE STOOGESによって、すでにパンクが存在したと言っても過言ではないだろう。
ステージ上での性器露出や嘔吐、自らの体を切り刻んで流血しながら歌う姿など、ボーカルのイギー・ポップによる過激なステージパフォーマンスは伝説的で、現在のパンクにおける過激なパフォーマンスの創始者と言える。
1968年に彼が世界初のステージダイビングを行ってから、ロックやパンクのバンドによる観客席へのダイビング行為は、ライブパフォーマンスにおけるスタンダードになって行く。
THE STOOGESの楽曲をカヴァーしているパンクバンドも多く、SEX PISTOLSやTHE DAMNEDといった初期パンクロックの代表と言えるバンドが「NO FUN」や「I FEEL ALL RIGHT」をカヴァーしている。他にもハードコアパンク創世記バンドのG.B.Hが「I FEEL ALL RIGHT」のカヴァーを行っているなど、パンクへの影響は絶大なものがある。
THE STOOGES名義では「1969」と「FUN HOUSE」を、IGGY AND THE STOOGES名義では「RAW POWER」を発売しているが、この3枚のアルバムはロック史上でも名盤であり、聴かなければ後悔必至の作品だ。
イギー・ポップのソロ活動では、デヴィッド・ボウイとのコラボレーションによるアルバム「LUST FOR LIFE」は必聴である。
現在でもイギー・ポップはソロ活動を続けており、アルバムの出来如何に関わらず「イギーのアルバムが発売されれば必ず買う」という人間がかなり多く存在する。「THE STOOGESの中で、ベストアルバムはどれか?」「イギーのソロで1番好きなアルバムは何か?」という議論がファンの間で頻繁に行われるほど人気は衰えることを知らない。
それほど魅力溢れる人間がイギー・ポップであり、THE STOOGESとイギー・ポップによって「ロック」の本質を理解することになるだろう。