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ISHIYAさんの「洋楽ハードロック曲ランキング」

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更新日: 2020/11/18
ISHIYA

ミュージシャン/音楽ライター

ISHIYA

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まえがき

「洋楽ハードロック曲ランキング」ということですが、はっきり言ってハードロックの定義というものがわかりません。
中にはヘヴィメタルにカテゴライズされるバンドもいますし、ロックにカテゴライズされるバンドもいるでしょう。
その上バンドではなく「曲」に絞り込むというのは、非常に難しく頭を悩ませるランキングでした。

特に第3位に関してはいくつかの候補があり、非常に悩ましく、選定にはかなりの塾考が必要でした。
個人的には第1位と第2位のバンドの楽曲でベスト10は埋まってしまいますが、あえて違うバンドを選ぶことで、非常に困難なランキング作成となりました。
難産の上に産み出したベスト3となっていますので、共感してもらえたならば、非常に嬉しく思います。

ランキング結果

1Ace of Spades / モーターヘッド

Ace of Spades / モーターヘッド

公式動画: Youtube

アーティストモーターヘッド
作詞・作曲レミー・キルミスター、エディ・クラーク、フィル・テイラー
リリース1980年11月8日『Ace of Spades』
収録アルバム『Ace of Spades』
タイアップ-

ハードロック、ヘヴィメタル、ハードコア・パンクを超越したキングオブキングスMotörheadの代表曲

第1位はMotörheadしかあり得ない。この世のハードロック・ヘヴィメタル好きはおろか、ハードコア・パンクスの人間にとってもMotörheadの曲以外がこのランキングで第1位になる選択肢などないと断言できる。
正直に言って、どんなに少なく見積もっても、ランキング上位5曲は全てMotörheadの曲で埋まるだろう。
ただ大きな問題が俺に重くのしかかって来た。

「いったいどの曲を選べばいいんだ?」

1 stアルバム収録のバンド名を曲名にした『Motörhead』もいいし、『Over Kill』もヤバイ。『Bomber』や『Iron Fist』も素晴らし過ぎるし、『Rockn’ Roll』も外せない。後期Motörheadになってからも、アルバム「Bastards」は名曲オンパレードであり、名盤「Motörizer」もたまらなくかっこいい。

同じくアルバムでは「Another Perfect Day」や「Sacrifice」、「Overnight Sensation」もいい曲ばかりだし、他にもあげればキリがない。おっと「We are Motörhead」で披露されたSEX PISTPLSの『GOD SAVE THE QUEEN』も忘れちゃいけない。
全てのアルバムに"これぞMotörhead"という楽曲が詰まっていて、1曲に絞らなければならないなんて拷問でしかないのだが、これほど至福の時間もないだろう。

1曲に絞るというなら、やはり『Ace of Spades』になるだろう。
個人的にMotörheadで初めて聴いたのが、ライブアルバム「No Sleep ‘Til Hammersmith」だった。日本版タイトルが「極悪ライブ」というとんでもないアルバムで、その一曲目に収録されているのが『Ace of Spades』だ。

曲の始まりに弾かれるレミーのベースは、この世のものとは思えないほど凶悪であり、問答無用で聴く者をMotörheadワールドへ誘う。
ギターのエディ・クラークが、Rockn' Rollを基調としたギターで魂を刺激し、ドラムのフィルシー・アニマルの重戦車のような2バスが、とてつもない疾走感と重低音で襲いかかる。後期のライブのアンコールでは必ずこの曲を演奏し、観客もこの曲を聴かなければ気が収まらないという、これぞMotörheadといえる代表曲である。

Motörheadを知りたければ、まずこの曲が収録されている「No Sleep ‘Til Hammersmith」を聴けば間違いないだろう。それほど凄まじいライブ音源であり、ロック界の金字塔と言っても過言ではない作品である。

メタルヘッズとパンクスが喧嘩になった時には、Motörheadの曲をかけるだけで喧嘩が収まるほど、ジャンルを超えた存在であるMotörhead。
もし、万が一にも聴いたことがないのであれば、今すぐに聴かなければならない。
Motörheadの音を聴けば、魂を揺さぶられ自然に身体が動き、Ba.Vo.であり中心人物であるレミー・キルミスターの歌詞は、人間の生き様として非常に重要なことが全て詰められている。

惜しくも2015年の12月26日、自らの誕生日の2日後にレミーは他界してしまったが、レミーの魂は、メタルやパンクを超えた世界中のRockn‘ Rollerの中に永遠に生き続けている。

2SYMPTOM OF THE UNIVERSE / Black Sabbath

SYMPTOM OF THE UNIVERSE / Black Sabbath

引用元: Amazon

アーティストBlack Sabbath
作詞・作曲ビル・ワード、ギーザー・バトラー、オジー・オズボーン、トニー・アイオミ
リリース1975年7月28日『SABOTAGE』
収録アルバム『SABOTAGE』
タイアップ-

偉大なる伝説のバンドBLACK SABBATHの中でも、ハードコア・パンクにも絶大な影響を与えた名曲

個人的第2位に選んだBLACK SABBATHの「SYMPTOM OF THE UNIVERSE」。BLACK SABBATHといえば一般的には、『Paranoid』や『Iron man』、『War Pigs』といった楽曲が代表曲として選ばれるところではあると思うし、BLACK SABBATHを知らない人間にも、上記の楽曲を勧めるのが無難だろう。

しかしあえてこの『SYMPTOM OF THE UNIVERSE』を選んだ理由は、冒頭に弾かれるギターのリフが、ハードコア・パンクスにとってはDNAに染み付いてしまっているほどの素晴らしいフレーズだからとしか言いようがない。

他の作品でも一貫して、悪魔的とも言うべきダークネスなBLACK SABBATHサウンドとしか言いようのない曲を聴かせてくれるのだが、中でもアルバム「SABOTAGE」に収録されている『SYMPTOM OF THE UNIVERSE』のリフは、かなり凄まじいフレーズと言えるだろう。ハードさとダークネスさを兼ね備え、ハードコア・パンクとしても成り立つような凶悪なフレーズであり、ボーカルであるオジー・オズボーンの悪魔的なボイスの入れ方によって、さらにダークで激しい疾走感を伴った素晴らしい楽曲になっている。

BLACK SABBATHは、オジー・オズボーン在籍時のアルバム&楽曲全てにおいて素晴らしいのであるが、パンクス、それもハードコア・パンクスの自分としてはこの曲がNo.1であると思う。
イギリスのハードコア・パンクバンドであるDOOMがこの曲をカヴァーしているほかにも、アメリカのハードコア・パンクバンドのBLACK FLAGは全ての楽曲を作る際にBLACK SABBATHを意識していたという話もある。ハードコア・パンクに対して絶大な影響を与えたのがBLACK SABBATHというバンドである。

1位に選んだMotörheadと同様、これほどまでに1曲を選ぶのを悩むバンドもそうはないであろう。
この曲だけでなく、オジー在籍時には至極の名曲揃いなので、もしBLACK SABBATHを知らないのであれば、ぜひ聴いてみることをお勧めする。現在人気のあるハードロックやヘヴィメタルのバンドでも、BLACK SABBATHに影響を受けていないグループはいないだろう。それほどハードロック、ヘヴィメタルで重要不可欠なバンドがBLACK SABBATHである。

3Black Dog / Led Zeppelin

Black Dog / Led Zeppelin

引用元: Amazon

アーティストLed Zeppelin
作詞・作曲ジョン・ポール・ジョーンズ、ジミー・ペイジ、ロバート・プラント
リリース1971年11月8日『レッド・ツェッペリン IV』
収録アルバム『レッド・ツェッペリン IV』
タイアップ-

尋常ではない天才的なリズム感とグルーヴが生み出される、LED ZEPPELIN至極の名曲

このランキングで一番悩んだのは、実はこの第3位である。
1位と2位のバンドはすんなり決まり、楽曲の選定に悩んだだけであるが、第3位に関しては非常に難航を極めた。

まずはDEEP PURPLEとLED ZEPPELINで非常に悩んだ。DEEP PURPLEの楽曲では『BURN』と『SPEED KING』、『HIGHWAY STAR』。LED ZEPPELINでは『IMMIGRANT SONG』、『BLACK DOG』。

悩みぬいた末に俺の出した答えは、LED ZEPPELINの『BLACK DOG』だった。
この曲はアルバム「LED ZEPPELIN Ⅳ」に収められている。俺が初めて聴いたLED ZEPPELINのアルバムであり、その1曲目である『BLACK DDOG』の衝撃は大きいものがあった。特にサビに入る前のリフでズレるというのかズラしているとでもいおうか…。あのフレーズとドラムのリズム感は、いまだに謎であり、かなりの衝撃を受けた思いが強い。

ドラムのジョン・ボーナムに影響を受けているドラムスは世界中に多くいると思うが、ハードコア・パンクの世界でも影響は大きく、ジョン・ボーナムモデルのスティックは特殊な形をしているのだが、それを愛用する人間も多くいる。
そういった部分を見ても、個人的にはLED ZEPPELINの影響はドラムのジョン・ボーナムによるところがかなり大きいと思っている。

ハードロックマニアにとっては、LED ZEPPELINの名盤はⅣではなくⅢやⅡという話を多く聞くが、個人的には「Ⅳ」であり、中でも『BLACK DOG』が一番好きな曲なので、第3位とさせてもらった。

あとがき

パンクやロックのバンドランキングよりも悩んだのが、この「洋楽ハードロック曲ランキング」でした。
第3位が特に難しく、DEEP PURPLEの曲と非常に迷いましたが、以上の順位とさせていただきました。
DEEP PUPLEは同率3位と思っていただいても良いと思います。

ハードロックというカテゴライズ自体にも悩み、当初はSLADEやMC5、IRON MAIDENなども候補に上がっていましたが、ハードロックとしか呼ぶことができない代表的なバンドの曲を選ばせていただきました。

ヘヴィメタルやハードロックはおろかハードコア・パンクとしてのカテゴライズでも問題なく、大きな意味での「ハードなロックンロール」の王の中の王としてMotörheadを第1位とさせていただきました。

異論のある方はたくさんいると思いますが、特に1位と2位だけは個人的にどうしても譲ることはできません。
それほどパンクスとしても思い入れのある選択になっています。

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