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che bunbunさんの「ミュージカル映画ランキング」

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更新日: 2020/07/20
che bunbun

映画の伝道師

che bunbun

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まえがき

全編歌で進行するオペラに対して、会話の量を増やしライトに仕立てたオペレッタがある。

そのオペレッタの文化が映画に流れ、ミュージカル映画の基礎を作りました。歌と会話の緩急が織りなす世界。感情が高まり、非日常が映画を包み込む様は、落ち込んだ者に優しく手を差し伸べてくれます。

ミュージカル映画が好きで、大学時代ミュージカル論のレポートを書いたチェ・ブンブンがオススメするミュージカル映画10本をご紹介します。

ランキング結果

1マンマ・ミーア!

マンマ・ミーア!

引用元: Amazon

制作年2008年
上映時間108分
監督フィリダ・ロイド
メインキャストメリル・ストリープ(ドナ・シェリダン)、アマンダ・セイフライド(ソフィ・シェリダン)、ピアース・ブロスナン(サム・カーマイケル)、コリン・ファース(ハリー・ブライト)、ステラン・スカルスガルド(ビル・アンダーソン)ほか
主題歌・挿入歌Mamma Mia / ABBA
公式サイト-

よくよく考えたらクレイジーだよね!

ミュージカルの強みは、ノリと勢いでゴリ押しできてしまうところにある。

『キャッツ』は舞台版も映画版も一言でいうならば、「いかがでしたでしょうかブログ」だ。個性的な猫を片っ端から紹介して、最後に「いかがでしたでしょうか?」で終わらせるからだ。物語として破綻してはいるのだが、音楽やヴィジュアルのノリと勢いで全て解決してしまっているから凄いと思う。

閑話休題。

『マンマ・ミーア!』は汚れ一つない晴天の中、ABBAのヒットサウンドをサファイアのように輝くアマンダ・サイフリッドの抜群の笑みが包み込み、その中でそしてジェームズ・ボンド、キングスマン、エリック・セルヴィグ教授を交えたフィーリングカップルを行うこれ以上にない心の祭が繰り広げられる。

しかし、どういうことでしょう何度見ても、この映画誰が本当の父なのかよくわからないのです。毎回、謎の高揚感に包まれ煙に巻かれた気持ちになるのだ。

よくよく考えたら、自分の本当の父を見つける為に母に内緒で、父親と思しき人3名を交えてフィーリングカップルするってクレイジーですよね。

でも、これほどまでに心踊らされる作品はありません。

これこそがミュージカル映画の王である。

2四十二番街

四十二番街

引用元: Amazon

『四十二番街』(よんじゅうにばんがい、42nd Street)は、1933年のアメリカ映画。ワーナー・ブラザース製作。

誰もが観たことある《あのシーン》の元祖

ミュージカル映画好きなら誰しも観たことがあるでしょう。

天から人々が万華鏡のように幾何学模様を形成していく場面。

『グレイテスト・ショーマン』を始め、『コララインとボタンの魔女』や『ヘイル、シーザー!』といったアニメ映画やドラマ作品でもミュージカルを強調する際のお決まりとしてこのような演出が施されます。

その技術を開発したのがバスビー・バークレーだ。彼は、1930年代のミュージカル映画で大勢のキャストを使った今観ても新鮮なマスゲームを次々と世に送り出しました。

そんな彼が生み出す万華鏡演出の「えっどうやって撮影したの?」感が堪らなく好きな作品です。

(無数の女の顔が襲いかかるように動き回る『泥酔夢』が観たい...)

3Tommy/トミー

Tommy/トミー

引用元: Amazon

『トミー』(Tommy)は、1975年に公開されたイギリスのミュージカル映画。ザ・フーが1969年5月に発表した史上初のロック・オペラ・アルバム『トミー』を映像化した作品である。監督はケン・ラッセル、原案、音楽監督はザ・フーのピート・タウンゼント。主人公のトミーをザ・フーのロジャー・ダルトリーが演じた。

エルトン・ジョン、ピンボールの魔術師に!

全編、音楽で進行するミュージカルとして『シェルブールの雨傘』が有名ですが、あのロックバンドThe Whoが多数のミュージシャンと総力あげて創り上げたこのロックオペラの存在を私は伝えていきたい!

トラウマを抱え、「見ざる、聞かざる、言わざる」を全身に宿した少年はピンボールの才能を開花させ、汚い大人の引力にとって祭り上げられ奈落に落とされる。

ティナ・ターナーのオーラからして危険度マックスなACID QUEEN、マリリン・モンローを崇拝する党を従えるエリック・クラプトンも素敵ですが、何と言っても巨大なブーツを履き、ロジャー・ダルトリーとピンボール対決するエルトン・ジョンが好きで好きで、時あるごとに彼の勇姿を拝んでいます。

4オール・ザット・ジャズ

オール・ザット・ジャズ

引用元: Amazon

『オール・ザット・ジャズ』(All That Jazz)は、1979年のアメリカ合衆国のミュージカル映画。ボブ・フォッシー監督の自伝的作品。出演はロイ・シャイダーとジェシカ・ラングなど。

人生にさよならする時の走馬灯に涙する

誰しもがスランプに陥る。

スランプに陥ると単調な暮らしの中に、輝いていたあの頃を思い出し更に苦しむ。

振付師ボブ・フォッシー自身の苦悩をミュージカルにした本作は、イキイキと踊りは輝いているのに、その世界を再び掴むことができない男の姿がチラつき毎回胸が締め付けられます。

そして、恍惚と光り輝く中、

さよなら、さよなら人生
さよなら、さよなら幸福
こんにちは、孤独

と歌う主人公に涙します。

自分の人生の終わりに聴きたい曲である。

5鴛鴦歌合戦

鴛鴦歌合戦

引用元: Amazon

『鴛鴦歌合戦』(おしどりうたがっせん)は、日本のオペレッタ時代劇映画である。1939年(昭和14年)の日活京都撮影所製作、日活配給作品、日活とテイチクの一連の提携作品のうちの一作である。監督は当時31歳のマキノ正博、のちの巨匠・マキノ雅弘の戦前のトーキー作品である。

隠れた日本のミュージカル

最近は日本でもミュージカル映画が1年に1、2本作られるようになったが、かつて日本はミュージカル映画大国でありました。そんな昔の日本のミュージカル映画の中でイチオシは『鴛鴦歌合戦』だ。

鴛鴦と書いて「おしどり」と読みます。

本作は、当初作られる予定のなかった作品。主演の片岡千恵蔵が病気で『弥次喜多 名君初上り』が作られなくなったという状況下で無理矢理生み出された奇跡のミュージカルだ。

貧乏浪人と恋人・お春。そして浪人を狙う二人の女とお春を狙うお殿様。複雑にこじれた恋の行く末をコミカルな歌で包み込む。『シェルブールの雨傘』では煎じ茶を入れる動作を歌で説明していましたが、こちらでは麦こがしの美味しさを歌でプレゼンする場面があります。

お殿様の登場シーンの軽妙さは癖になります。

6ラ・ラ・ランド

ラ・ラ・ランド

引用元: Amazon

制作年2016年
上映時間128分
監督デミアン・チャゼル
メインキャストライアン・ゴズリング(セブ)、エマ・ストーン(ミア・ドーラン)、ジョン・レジェンド(キース)、ローズマリー・デウィット(ローラ)ほか
主題歌・挿入歌-
公式サイトhttps://gaga.ne.jp/lalaland/

これぞデイミアン・チャゼルのミュージカル論

『ラ・ラ・ランド』はミュージカル映画なのか?論争が後を絶たないのですが、『ラ・ラ・ランド』はミュージカルに関する論文映画だとブンブンは捉えています。

フレッド・アステア、ジンジャー・ロジャースが大活躍したあの時代に始まり、フランスや日本に飛び火し独自の変容を遂げてきた時代、ウディ・アレンやフランシス・フォード・コッポラが苦労して創り上げたミュージカルの要素を取り入れ、最後に『巴里のアメリカ人』の御都合主義過ぎなあのエンディングを否定することで自分のミュージカルを語る。

まさしく、先行研究を行い反論ないし持論の肉付けを行う論文手法が取られた異色の映画なのだ。そんな骨太前衛映画ながら、前半に目の保養なパフォーマンス、メインにアーティストの辛辣な理想と現実問題を持ってくることで多くの人に刺さる物語へと押し上げた。そのデイミアン・チャゼルの技量に脱帽です。

7ブルース・ブラザース

ブルース・ブラザース

引用元: Amazon

『ブルース・ブラザース』(The Blues Brothers)は、1980年にジョン・ランディスが監督したアメリカ映画。アメリカ合衆国のコメディアンであるジョン・ベルーシとダン・エイクロイドが主演で、彼らをフロントメンバーとするR&B/ブルースの音楽バンドとしても活動している。 アメリカのNBCの人気番組『サタデー・ナイト・ライブ』の、同名の人気コーナーのキャストとバンドをベースに、ストーリーをつけて映画化したもの。スラップスティックコメディ、アクション、ミュージカルなどの要素が入り混じる。

この映画でアレサ・フランクリンを知りました

小学4年生の頃、家族でこの映画を観てアレサ・フランクリンの虜になりました。

アレサ・フランクリンがボンクラ亭主に
Think!
と圧をかけまくりその横で、ブルース・ブラザーズが遠慮気味に踊るところがツボです。

この映画のおかげで、R&Bにハマりモータウンの音楽を聴きまくるようになってました。当然ながら、小学生当時、周りに洋楽を聴いている人はおらず、学校で浮きまくる結果となりました...

8ロッキー・ホラー・ショー

ロッキー・ホラー・ショー

引用元: Amazon

制作年1975年
上映時間99分
監督ジム・シャーマン
メインキャストティム・カリー(フランクン・フルター博士)、スーザン・サランドン(ジャネット・ワイズ)、バリー・ボストウィック(ブラッド・メイジャース)、リチャード・オブライエン(リフ・ラフ)、パトリシア・クイン(マジェンダ)ほか
主題歌・挿入歌-
公式サイト-

《IT》おじさんのもう一つの沼

今やTwitterで沼に誘い込む陽気なピエロとしての印象が強くなってしまった『IT』のピエロさん。

そんなピエロさん(ペニーワイズ)を演じたティム・カリーが観る者を沼へ引き摺り込む作品がもう一つあります。

それが『ロッキー・ホラー・ショー』だ。

筋肉マッチョな人造人間をロッキーを作りたい!ロッキーに愛されたい欲にまみれた陽気なマッドサイエンティストが観客を最後まで楽しくおもてなし。

カタルシス抜群な曲を歌うイメージが強いミート・ローフも緊急参戦し、世にも恐ろしく、滑稽なパーティを盛り上げてくれます。

コロナが収束したら、みんなで絶叫上映に行きたい...

9ボヘミアン・ラプソディ

ボヘミアン・ラプソディ

引用元: Amazon

制作年2018年
上映時間135分
監督ブライアン・シンガー、デクスター・フレッチャー
メインキャストラミ・マレック(フレディ・マーキュリー)、ルーシー・ボイントン(メアリー・オースティン)、 グウィリム・リー(ブライアン・メイ)、ベン・ハーディ(ロジャー・テイラー)、ジョゼフ・マゼロ(ジョン・ディーコン)ほか
主題歌・挿入歌-
公式サイト-
動画配信サービスU-NEXT:配信中
Amazon Prime Video:配信中
Netflix:なし
Hulu:なし

未来しか見なかった男が過去と向き合うまで

QUEEN好きにはたまらない!
ピアノの上に乗ったカップの位置まで完全再現されたライブエイドの高揚感は歴史に残るものありますが、物語も実は寓話として美しいものとなっています。

未来のことしか見ないフレディ・マーキュリーが、成功の花道をいけいけドンドン駆け上がるのだが、その狂乱の中から少し外れ、苦しみ、いつの間にか周りに誰もいなくなっていたことに気づく。

その時初めて《過去》をみて反省する。

この流れがあるからこそ、ライブエイドでのカタルシスが深まっているとブンブンは思います。

(実はオールタイムベストです)

ブンブンのオールタイムベスト。

マニアック過ぎる作品なので、ここでは10位に隠居させているのですが、これ程までにどうかしているミュージカルを観たことがありません。

15世紀の話だというのに、ヘビメタやラップで物語が紡がれ、Choo Choo TRAINする尼僧と闘い始めたりする。しかも、シルクドソレイユのスタッフが振り付けを考えているのに、素人目に見て、謎の動きが多過ぎる踊りに驚愕する。

しかし、そのアヴァンギャルドさが音楽の持つ社会に対する反抗やら、子どもの大人に対する反発を象徴させていて、音楽とは何かという本質をがっつり掴んで離さない異常な傑作と言えます。

日本公開は絶望的なので、ブルーレイで是非!

あとがき

他には『巴里ののアメリカ人』や『錨を上げて』、『フットルース』などといった作品が好きです。

今年はレオス・カラックスがアダム・ドライバーと組んだ『Annette』が楽しみです。

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