1分でわかる「ミュージカル映画」
ミュージカル映画のはじまり
1920年代末期に映像と音楽が同期した「トーキー」が作られたことにより、「ミュージカル映画」が誕生しました。初期の頃は、舞台をそのまま映像化したものが多かったとか。また役者の技術もそれほどなかったため、当時はあまり人気がありませんでした。しかし時は流れ、世界恐慌によって各地が不況になったことから1流のエンターティナーたちが仕事を求めてハリウッドの街へと出向き、徐々に現在のミュージカルの形成されていきました。
ミュージカル映画とは
歌と踊りが1番の魅力のミュージカル映画。日常を彩る音楽が観る人の心を動かす魔法のようです。セリフや心情をメロディに載せて歌い上げたり、まるで舞台を見ているような楽しさがあるのが特徴です。
日本のミュージカル映画
『嫌われ松子の一生』(2006年)
山田宗樹の小説をベースに作られた映画作品。主人公・川尻松子の悲劇を描いたストーリーで、映画内では引き込まれるような凝った演出のミュージカルシーンが多く登場します。
『舞妓はレディ』(2014年)
京都の花街を舞台に、津軽弁を話す少女が舞妓を目指して奮闘する物語。主演を上白石萌音がつとめ、日本らしさが詰まった雰囲気は人気を呼び、舞台化をされるほどの大ヒットとなりました。
#『ダンスウィズミー』(2019年)
ミュージカル嫌いの主人公・鈴木静香が、ある日催眠術によって音楽を聴くと、自然に歌って踊りだしてしまう体質に変化することから物語が始まります。主演を女優・三吉彩花が務め、矢口史靖監督によって作り出されるコミカルな内容が観る人をワクワクとさせるような展開になっています。
海外のミュージカル映画
『バーレスク』(2010年)
圧倒的歌唱力を持つアーティスト、クリスティーナ・アギレラが映画初主演となった作品。歌手になることを夢見る主人公・アリの成長が描かれています。クリスティーナ・アギレラの持ち味であるパワフルな歌声とセクシーで妖艶なダンスは、画面にくぎ付けになるほどの魅力が詰まっています。
『レ・ミゼラブル』(2012年)
主演を務めたヒュー・ジャックマンが高い演技力と歌唱力を評価され、ゴールデングローブ賞で主演男優賞を獲得した作品。ラッセル・クロウやアン・ハサウェイといった豪華俳優陣が集まり、壮絶なストーリを見事に完成させたことで多くの観客の心を動かしました。
『ラ・ラ・ランド』(2016年)
ゴールデングローブ賞、アカデミー賞ともに数多の賞を受賞した最高傑作。女優を目指して奮闘する女性・ミアと、売れないながらも自らの目標に向かって頑張るジャズピアニスト、セバスチャンの切ないけれど心が温まるラブストーリーです。また舞台の映画化ではなく、完全オリジナルのミュージカル作品として話題を集めました。
名作ミュージカル映画
『シェルブールの雨傘』(1963年)
カンヌ国際映画祭で最高賞パルム・ドールを受賞した傑作。すべてのセリフを歌で表現するといった手法で、今までのミュージカル映画とは異なる魅力的な作品です。戦争によって愛し合う2人が引き裂かれるという、悲しく切ないラブストーリーが感動的に描かれています。
『サウンド・オブ・ミュージカル』(1964年)
第二次世界大戦のオーストリアを舞台に、音楽が好きで、いつもユーモアを大切にする主人公マリアの生涯を描いた作品。「ドレミの歌」や「エーデルワイス」などの名曲が劇中に登場したり、悲しみのなかにある楽しさがワクワクさせられるストーリーです。主演のジュリー・アンドリュースはゴールデングローブ賞主演女優賞、その他にもアカデミー賞で作品賞をはじめとする5つの賞を受賞するなどした名作です。
『シカゴ』(2002年)
ブロードウェイでロングランされている名作を映画化した作品。レニーゼルウィガーとキャサリン・ゼタ=ジョーンズが出演し、2人のハッと息を吞むほどの美貌を堪能できます。シカゴでミュージカルスターを目指す主人公ロキシーと、人気キャバレー歌手ヴェルマの波乱万丈な物語です。