simple読書会 前田さんの「サスペンス・ミステリー小説ランキング」
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『simple読書会』主催者
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2位火曜クラブ
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引用元: Amazon
『火曜クラブ』(かようクラブ、原題:The Thirteen Problems, 米題:The Tuesday Club Mystery)は、1932年に刊行されたアガサ・クリスティの短編集。クリスティの4作目の短編集であり、ミス・マープルの初登場作「火曜クラブ」を含むマープルものの短編推理小説13編が収録されている。
ポアロと並ぶ名探偵
警察、医者、弁護士、女優など、各界のプロたちが集い、
実際に起こった難事件を出題し合うゲームを始める。
冴え渡る推理力でたちどころに事件の真相を導き出したのは、
田舎暮らしの地味なおばあさんだった。
話を聞いただけで事件を解決してしまう安楽椅子探偵の妙技が堪能できる連作短編集。
一つ一つの事件のクオリティが高く、優れた人間観察による「人間性」から推理を展開していくのが面白い。
周りが頭を悩ませる中、軽く見られていたミス・マープルが次々と事件を解決していくのが痛快な一冊。
3位ブラウン神父の童心
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引用元: Amazon
『ブラウン神父の童心』(英: The Innocence of Father Brown)は、ギルバート・ケイス・チェスタトンによって1911年に発表されたブラウン神父を主人公とする推理小説である。『ブラウン神父の無知』という邦題もある。
逆説マニアによる逆説の宝庫
ボロボロのこうもり傘を持ちヨレヨレの服を着た冴えない神父が、
得意の「逆説」で事件を鮮やかに解決する短編集。
不可解な状況で起こった殺人を、「どういうトリックで殺したか」ではなく
「誰ならこう殺すか」と考える。それがブラウン神父のアプローチ法。
話は基本短めなのでさらっと読める上、品質は全て高水準。
特に序盤の展開には、ミステリーを読み慣れた人ほど驚くのではないでしょうか。
翻訳の大事さを改めて感じさせる一冊
「その女アレックス」が日本で流行ったがそのシリーズの1作目。
訳自体が本当に素晴らしい。 訳者の文章が美しく読んでいて心地がいい分
作品の「残酷」がより際立つものとなっている。
この訳者でなければここまで魅力的な作品にならなかったとも思う。
ちなみに訳者で調べてみたら「奴隷のしつけ方」という本を訳していた。
流石である。
怪奇と密室とドタバタ
爬虫類館で起きた密室殺人という怪奇風味の舞台装置が魅力的な本書。
ミステリー好きには、怪奇ものが好きな人も多いはず。
ゴシックホラーのような不気味な雰囲気に浸りながら、
密室トリックの本格謎解きも同時に楽しむことができます。
探偵役は禿げて太った癇癪持ちの、何かとドタバタした口うるさいおじいさん弁護士。
重々しくなりがちな本格ミステリーの雰囲気を程よく中和しています。
歪な館の殺人劇
遺産争い、家族間の不和、密室殺人、屋敷の見取り図、という要素は古典ミステリー好きにはたまらない。
乱歩といえば、怪奇趣味が漂う不気味な作風が持ち味ですが、
こちらは直球勝負の正統派推理小説。
大味の密室トリックに、登場人物たちが織りなす人間模様、と安定感の有る一冊。
古き良き日本の推理小説かと思いきや、実は乱歩の完全オリジナルではなく、海外小説の翻案と驚いた一冊。
7位月長石
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引用元: Amazon
『月長石』(げっちょうせき、The Moonstone)は、イギリスのヴィクトリア朝の小説家ウィルキー・コリンズの長編探偵小説。1868年出版。 T・S・エリオットは「最初の、最長の、最上の探偵小説」、「最大にして最良の推理小説」と称えている。19世紀後半にイギリス小説界で絶大な人気を得た大ヒット作であり、コリンズの代表作である。盗難を主題とした推理小説は、のちに怪盗ものが流行するものの、捜査視点で一貫している点、長大さの点で今なお隔絶した孤峰となっている。
月長石はどこへ消えた?
殺人は起きず、巧妙なトリックもないが、圧倒的な物語の面白さでぐいぐい読ませる古典ミステリー。
登場人物たち自身が語り手のため、キャラクターが活き活きとしているのが魅力。
率直に語る人、偏見で語る人、真摯に語る人‥彼らの性格や今までの人生までも見えるような気がする。
ミステリーとしてだけでなく、一つの読み物として抜群の面白さです。
長い小説のため、読むのをためらうかもしれませんが、読み出したら止まらない一冊。
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悪意に満ちた短編のフルコース
ビュッフェ料理のように各短編が紹介されるという洒落た趣向の割りに、
全体的にエグ味は強め。 意地の悪い話がつまった本書。
本格推理ものの完成度が高く、フーダニット(誰がやったか)や倒叙ものなど、
どれも一級品の面白さです。推理もの以外にも、人間の怖さにぞっとする話やブラックなオチのある話など、様々なテイストのミステリーを楽しめます。
ラストの短編『ジェミニー・クリケット事件』は秀逸で、推理小説という枠組みに収まらない展開には痺れるところがあります。