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2位姑獲鳥の夏
引用元: Amazon
『姑獲鳥の夏』(うぶめのなつ)は、京極夏彦の長編推理小説。「百鬼夜行シリーズ」の第一弾である。京極夏彦が本作を講談社に持ち込みをしたことでメフィスト賞創設のきっかけとなったデビュー作品である。2005年に実相寺昭雄によって映画化された。
夏の小説。
京極堂シリーズの第一作として強烈なインパクトを残しました。狂気に満ちた世界の中で、印象に残る夏の蒸し暑さ。膨大な知識と論理によって「憑き物」を落としていくという、リアルのみの中から妖怪という装置を解き明かしていく京極堂節の開幕となる記念碑的作品。
一般公募。
百鬼夜行シリーズによって確固たる地位を築きつつあった京極夏彦が少年少女を主人公として、物語の設定をなんと読者から公募し、SF小説を書くという意欲的な試み。それまでの作風から、自己内で完結しただ黙々と堅く小説を生み出していく職人肌のタイプかとも思われていた京極夏彦ですが、全然そうではなかったということを広く知らしめたという点でも面白い。
匣の構造。
小説の構成自体がテーマである「匣」の構造になっているという見事さ。
別々の色彩を帯びた話が重層的に語られている構成は、読んだ者の記憶としても別々の物語としてそれぞれ別の匣の中に納められている感もあります。
推理に動機は必要なく、ただ事実のみを論理的に追うべきだという示唆も印象的です。