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2位藪の中(小説)
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引用元: Amazon
「藪の中」(やぶのなか)は、芥川龍之介の短編小説。初出は「新潮」1月号(1922年)、初刊は「将軍」(1922年)。複数の視点から同一の事象を描く内的多元焦点化(ジュネット)の手法がとられ、殺人と強姦という事件をめぐって4人の目撃者と3人の当事者が告白する証言の束として書かれており、それぞれが矛盾し錯綜しているために真相をとらえることが著しく困難になるよう構造化されている。その未完結性の鮮烈な印象から、証言の食い違いなどから真相が不分明になることを称して「藪の中」という言葉まで生まれた。今昔物語集を下敷きにしたいわゆる「王朝物」の最後の作品であり、創作の度合いは最も高い。また今昔物語の他にもビアス「月明かりの道」、ブラウニング「指輪と本」などとの類似が指摘されている。
真相が未だ分からない、映画化もされた作品。
黒澤明氏によって、映画化も果たした傑作です。今昔物語の「具妻行丹波国男 於大江山被縛語」をベースにアレンジを加えた作品で、多元焦点化(一つの物事を多くの視点から描く)という手法で書かれています。ストーリーとしては、とある殺人事件を解決するために7人の証言を書いていく、というもので作中で真相が書かれることがありません。この、真相をめぐって様々な研究者たちが論文を発表していますが、未だに真相は解明されていません。なぜなら7つの証言を見ていくと、必ずどこかで矛盾が生じます。なので、誰かが嘘をついているという仮定の下検証していくので、解釈は様々出てきます。
善と悪について考えさせられる作品
1918年に書かれた作品で、ポール・ケーラスの因果の子車をベースに書かれた短編小説です。あらすじとしては、地獄に落ちたカンダダという男が、かつて蜘蛛を助けたことがあるという理由で、お釈迦様が蜘蛛の糸を垂らして助けてやろうとします。カンダダは糸を上り天国に行こうとしますが、他の罪人がぶら下がり始め…、という内容です。人の欲深い部分を浮き彫りにするこの作品は、善とは何か、悪とは何かを問いかける重い作品です。短編ながら、内容の濃い作品です。
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病んでいる芥川の内面が、赤裸々に描かれた作品
この作品には、ストーリーらしいストーリーはありません。しかし、主人公が見る不気味な幻想や、それにおびえる主人公の内面を巧みに描き、読者に焦燥感を抱かせることに成功しています。あの、川端康成も「すべての作品に比べて断然いい」と絶賛しました。全体的に、暗い死のイメージが作品全体を支配していますが、実際にこの作品を書き上げた三か月後に芥川は自殺しています。また、生前芥川は片頭痛に悩まされていたそうですが、片頭痛に悩まされる人はよく歯車の幻想を見るそうです。この作品はまさに、芥川が命をかけて伝えたかった、内面の苦しみそのものではないでしょうか。