1分でわかる「今敏」
アイドルを主人公にしたサスペンス映画でデビュー

PERFECT BLUE(アニメ)
(引用元: Amazon)
今敏は1963年生まれ、北海道出身のアニメーション監督。大学在学中に「週刊ヤングマガジン」のちばてつや賞に応募した『虜-とりこ-』で賞を受賞し、漫画家としてデビューしました。これを期に『AKIRA』や『童夢』などの名作で知られる漫画家大友克洋のアシスタントとして働くことに。その後、1997年に公開されたアニメーション映画『PERFECT BLUE(パーフェクトブルー)』で初監督を務め、一躍注目を集めました。しかし、惜しまれつつも2010年に膵臓癌で永眠。彼が亡くなる3ヵ月前に「人が生命を終えること」の深い意味を書き記した遺書が、最後まで人々の心に残ることとなりました。
「今敏」の主なアニメ映画作品

東京ゴッドファーザーズ
(引用元: Amazon)
2002年に初オリジナル作品『千年女優』を公開。この作品は芸術祭で『千と千尋の神隠し』と共にアニメ部門の大賞を受賞します。海外からも高い評価を得た作品で、今敏監督の代表作のひとつとなりました。以後は2003年公開の多くの映画祭で賞を受賞した作品『東京ゴッドファーザーズ』を経て、筒井康隆原作のSF作品『パプリカ』を映画化。数々の代表作を世に送り出してきました。
代表的な漫画作品

OPUS(オーパス)
(引用元: Amazon)
もともと漫画家であった今敏。『海帰線』や『ワールドアパートメントホラー』、『セラフィム 2億6661万3336の翼』『OPUS』『夢の化石』などの漫画作品を世に送り出しました。特に『OPUS』に関しては、今敏の作品テーマである「虚構と現実」の出発点となった作品です。連載中は掲載誌の休刊とともに未完のままとなっていましたが、今敏の没後の2010年に“幻の最終回”原稿が発見され話題となりました。
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今敏集大成!狂乱の夢世界
『パプリカ』は、精神科医が夢の中に入り込み治療を行うSFファンタジー映画です。主人公の千葉敦子が、盗まれた夢共有装置「DCミニ」が悪用され、人々の精神が侵されていく謎を追うところから物語が展開します。
本作は、現実の制約から解放された夢の世界と、冷徹な現実がシームレスに混ざり合う今敏監督の演出が光ります。冷静沈着な研究員である千葉敦子が、夢の中では奔放な夢探偵パプリカとして活躍するという二面性は、自己の内なる葛藤と解放を象徴しています。特に、カエルや人形、家電製品などが巨大な行列をなす「パレードのシーン」は、視聴者を圧倒するでしょう。奇想天外なビジュアルと、平沢進による不気味かつ祝祭的な音楽が一体となり、多くの人を狂気に満ちた夢の世界へと引き込みます。
夢と現実が入り乱れるその独特な世界観や、狂気的とも言える映像美は、一部の視聴者を選ぶかもしれません。一度観ただけでは難解に感じられることもあります。しかし、本作は今敏監督の演出の集大成であり、アニメーション表現の新たな可能性を切り拓いた作品として、今なお多くのファンを魅了し続けています。
▼こんな人におすすめ
・夢と現実が交錯する、SFミステリーが見たい人
・幻想的でサイケデリックな映像表現を楽しみたい人
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