桜の森の満開の下の詳細情報
著者 | 坂口安吾 |
---|---|
ジャンル | 短編小説 |
出版社 | 講談社 |
発売日 | 1989年4月3日 |
メディアミックス | 映画「桜の森の満開の下」(1975年) |
公式サイト | - |
参考価格 | 1,463円(税込) |
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感想・レビュー
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短編小説ランキングでの感想・レビュー
著者 | 坂口安吾 |
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ジャンル | 短編小説 |
出版社 | 講談社 |
発売日 | 1989年4月3日 |
メディアミックス | 映画「桜の森の満開の下」(1975年) |
公式サイト | - |
参考価格 | 1,463円(税込) |
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満開の桜が見せる禍々しくも美しい幻想譚
「桜の森の満開の下」は、『堕落論』や『白痴』などで知られる坂口安吾による傑作短編小説です。妖しく残酷な女と、彼女に魅了された山賊を中心に、禍々しくも美しい幻想譚が紡がれます。
鈴鹿峠には桜の森の下を通る道があり、花の季節になると旅人はみな森の花の下で気が変になると恐れられていました。この峠に住み着いた山賊は、ある時美しい女を見かけ、亭主を殺して八人目の女房として彼女を家に迎えます。女に心を奪われた山賊は、彼女の命じるままにそれまでの女房を殺し、以後もそのわがままに翻弄されていくのでした。都に住まいを移し、彼女が求めるままに人間の首を集める日々に退屈した山賊は、ふと桜の森を思い出し、女とともに山へ帰ります。ですが満開の桜の花びらは、男におぞましい情景を見せるのでした――。
あまりにも美しいものに見た時に、人の心をよぎる不安や胸のざわめきをすくい上げ、物語へと昇華した「桜の森の満開の下」。本作はどこまでも危険で、そして途方もなく魅力的な小説です。毎年桜の季節になると、この作品を思い出します。
ライター・書評家
嵯峨 景子さん (女性・40代)
1位(100点)の評価