1分でわかる「中村文則」
小説家・中村文則の略歴
中村文則は、1977年9月2日生まれ、愛知県出身の小説家。大学を卒業後、フリーターを経て2002年に『銃』を発表しデビューを果たしました。重く陰鬱でネガティブな作風が魅力の彼の作品。世の中の闇に切り込み、ストレートに表現されている文章が読者の心を掴んでいます。そんな彼の思考や作品は、昔から愛読していた海外の作品からの影響を受けているそう。また、中村文則の描く作品の多くは、舞台化や映画化などメディアミックスされ、幅広いジャンルで人気を集めています。
中村文則の代表作
2002年のデビュー以来、数々の作品で賞を獲得している中村文則。デビュー作『銃』は、2018年に村上虹郎主演で映画化され話題となりました。彼の手がける作品にはほかにも、狂気的な主人公から目が離せない『遮光』や、芥川賞を受賞した『土の中の子ども』、世界で認められたベストセラー作「掏摸」の兄妹篇として発売された『王国』などが挙げられます。
初のエッセイ本『思考回路』を発売
数々の賞を受賞し、人気作家となった中村文則。2019年7月には、自身初となるエッセイ集を発売し話題となりました。本作では、作家デビューから現在までの約17年分のエッセイが111本収録されており、自身の小説誕生秘話や、愛好している作家であるドストエフスキーや太宰治への思いなども綴られています。また、東日本大震災時に出身大学のある福島に寄せたメッセージや、社会問題についてなどさまざまな問題にも触れており、タイトルにもなっているとおり中村文則の''思考回路''がこの一冊にまとめられています。