1分でわかる「太宰治」
日本を代表する小説家「太宰治」
太宰治は、1909年から1948年を生きた小説家。自殺未遂や薬物中毒を克服し、戦前から戦後にかけて多くの作品を発表しました。1948年6月13日に東京の三鷹付近にある玉川上水に、愛人であった山崎富栄と入水し、6日後に遺体で発見されました。わずか39年の生涯でしたが、歴史に残る数々の名作を残した、日本が誇る文豪の一人です。
太宰治の著書
太宰治が手掛けた本には、人気作品が多数。代表例は、日本文学史上最大のベストセラー「人間失格」、教科書に掲載され抜群の知名度を誇る「走れメロス」。さらに、日本の昔話をアレンジして再解釈を加えた物語「御伽草子」、戦後ベストセラーとなった小説「斜陽」、執筆中に太宰が死亡した未完の小説「グッド・バイ」など。太宰の小説の特徴でもありますが、自身の思いや経験が色濃く反映された作品が多いです。
本当の私は私以外だれも知らない
太宰作品と言えば、「私のことが書かれているかと思った」と人々に思わせるほど、人間の内面が深く描かれていることで人気を博しています。
その中でもあまりにも有名なタイトルとして、『人間失格』が挙げられます。
この作品は、太宰自身が入水自殺を当時の恋人と図る一か月ほど前に書かれています。波乱万丈な太宰の人生と重ねて読んでも、考えさせられる作品です。
興味深いシーンや名言がいくつも出てきますが、私は特に少年時代の主人公が道化を演じ、みんなから人気を得ている時、唯一少し知的な発達に遅れがみられる同級生に「ワザ、ワザ」と指摘される場面が印象に残っています。ここから、主人公の自意識が明らかに変化していると感じるのです。
読んでいるうちに、「主人公は私自身は……?」という不思議な気分を味わえるはずです。[続きを読む]
金田はやしさん
1位(100点)の評価
言わずと知れた名作
名作だ名作だと言われ、食わず嫌いしている人もいるかも。でも、人間失格って決して古くさいストーリーじゃない。現代を生きる我々にも主人公の葛藤は手に取るようにわかる部分がある。主人公の苦悩は太宰治本人の叫びなのかなぁと思ったり。自分を、人間という不可思議な存在を考える上でこの一冊は役立ちます。哲学書のような一冊。
ぴっとさん
2位(95点)の評価
今だからこそ読むべき1冊
あまりにも映像化され過ぎて、きっと読んだことのない方のほうが多いのではないでしょうか。
下敷きは恐らく太宰自身なのでしょうが、どこかここかにナルシシズムを感じる1冊です。きっとこの作品から感じるよりも太宰はナルシストな気がします。1度読んでみることをオススメします。
かなこさん
2位(90点)の評価