直木賞受賞作家でありながら、自身も32年間にわたり直木賞選考委員を務めた経歴をもつ「五木寛之」。1966年に発刊された『さらばモスクワ愚連隊』でデビューして以来、数々の人気作を世に送り出してきました。そこで今回は、みんなの投票で「五木寛之の人気書籍ランキング」を決定します。2001年に映画化を果たした『大河の一滴』や、浄土真宗の開祖“親鸞”の生涯を描いた長編小説『親鸞』などの名作揃いのなか上位にランクインする作品とは!あなたのおすすめも教えてください。
最終更新日: 2020/10/05
このお題は投票により総合ランキングが決定
1932年、福岡県出身の五木寛之。早稲田大学中退後はテレビ局や広告代理店、テレビCMソングの作詞を担当するなど、幅広い活動を行っていました。1965年に小説執筆に取りかかり、1966年に『さらばモスクワ愚連隊』でデビュー。同作が直木三十五賞にノミネートされ注目を集めました。以後、『大河の一滴』(1998)や『親鸞』(2010)、『孤独のすすめ』(2017)などの小説やエッセイ、仏教・浄土真宗の教えをもとに執筆している書籍を数多く発表しています。
前項で述べたように、幅広いジャンルの執筆を行う五木寛之。『さらばモスクワ愚連隊』や『燃える秋』、『青年は荒野をめざす’99』など、映画化される作品も多数執筆しています。なかでも2001年に公開された『大河の一滴』は、200万部を超える大ロングセラーのエッセイが原作となっており、海外でも絶賛されるほどの大作となっています。
本ランキングにおける五木寛之の定義は、彼が手がける作品です。エッセイや共著、随筆の作品にも投票が可能です。ただし、海外の作品を翻訳した文学作品はランキング対象外となります。
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1位大河の一滴
2位生きるヒント
3位不安の力
4位青春の門
5位私訳 歎異抄
1位大河の一滴
2位生きるヒント
3位不安の力
4位青春の門
5位私訳 歎異抄
条件による絞り込み:なし
生きるヒントで前向きに。
1章:歓ぶ、2章:惑う、3章:悲しむ、4章:買う、5章:喋る、という風に章に分かれており、12章まであります。ご本人も書かれていますが、「人生論」や「思想」ではなくちょっとした「ヒント」の本です。とはいえ、私には、なるほど!と思うことが多くて、元気が出ました。人は、心と体で生きているのだと再確認できました。
心が楽になる
様々なテーマで日々生活する中で悩ましいこと、怒りたくなること、嬉しいことなどをどう自分自身で捉えて、コントロールすべきかがこのエッセイを読む中で理解できるようになると思いう。自分自身の感情を穏やかにさせてくれるエッセイであり、繰り返し読んでもいつも何か気づかされることがあった。
軽く読めるエッセイで面白かった
作者が高齢になってきて、人生を振り返り、また行く先の事を考えて書かれたエッセイです。自分の行く先を思案していた時に読んだので、先達の言葉としてすんなり吸収でき又考えさせられる言葉が沢山あり、面白かったです。
時々読み返している良書です
この本は小説と異なり、エッセイに近いので読みやすいです。悲しみ、喜びなど人の感情について作者の想い、苦悩が書かれているので、時には共感し、時には反感も覚えますが、読んでいてためになることは確かです。時々読み返していますが、その時により想いが異なるのを発見することができます。
生きる希望が湧いてくる。
この本はとても人生について悩んでいる時に見つけた本です。タイトルのように生きることが楽しくなることが書いてありとても助かりました。自分の感情を抑え込まないで、喜びも悲しみも味わいつくることが幸せにつながるのだなということがわかりました。
不安は強い防衛本能!
不安を悪として見て、何とか追放しよう、退治しようとする考え方は間違っていると考えているそうです。不安をたくさん抱えている人は、体に警告を発する優れた警報機をそれだけ多く持っているとも言っています。不安の多い私は、救われました。不安だらけだって、ダメな人間じゃない。
不安に対する考え方を変えさせてくれた
様々な不安の状態のなかでバランスを取ろうとする、という文章が印象に残った。それとは別に、多くの自殺者とそれに影響する人々の事を考えると、不安の少ない社会になれば良いなと心底思いました。
不安は「不安」ではない。
ネガティブに目を向けることで、ポジティブがより際立つ、そんなことを説いています。ポジティブだけなんてことはありえないし、それだけでは味気ない人生になってしまいます。
とにかく荒っぽいがこれぞ青春という感じがよい
この本をよんで、九州の筑豊の生活がわかりました。伊吹伸介という若者が時代に翻弄され、大人にもまれて苦闘しながら、自分の力で乗り越えようとする熱い情熱、エネルギーを感じることができます。
だって、これしかないでしょ
我々の世代は「青春の門」を読んで育ったと言っても過言でないと言えます。私にとって、読みながら頭の中に浮かぶ映像が映画のスクリーン的であった初めてのエンターテイメントとしての小説が、この「青春の門」でした。中でも、第一部筑豊篇での主人公伊吹信介の関わる人物の生き様が素晴らしく、小説の中に引き込まれてしまいました。
読みやすかった
親鸞という人が浄土真宗を起こしていった過程を知りたくて、この本を読みました。全6巻だったので難しい宗教的な事が書かれていると読み切れないと思いましたが、親鸞本人や周りの登場人物もとても個性的で興味深く書かれており、とても読みやすくどんどん引き込まれて行きました。
知られざる親鸞の姿に迫る大作
浄土真宗の宗祖として知られる親鸞聖人の人生を描いた全6巻という大作シリーズの始まりの章。幼少から若き青年期までが描かれており、その波乱に富んだ人生を物語としてとても読みやすく小説にしています。史実はもちろん、そこにエンターテインメント性を持たせてあるのでまるで大河ドラマのように面白く読め、あっという間に夢中になります。
北欧の不思議な世界観
ノルウェーの不気味な白夜の中で生きる難しさや、ムンクの叫びをモチーフにした戦争中の作品など、世界観が独特でひきこまれた。
読んだ後、北欧へ行ってみたくなって、旅行しました。もちろん実際は、小説とは違い明るい国でしたが、五木寛之にハマった初めの1冊。
筆者の作家としての志
「蒼ざめた馬を見よ」は五木寛之の直木賞受賞作品です。この秀逸なタイトルは作中に登場する作品の名前でもあり、本作はその小説を中心軸に、社会的・政治的な人間のあり方や考え方の根源を探るという、少し変わった小説です。蒼ざめた馬、というのは聖書に登場する"死"を象徴するものであり、後年に五木寛之がエッセイの題材として多く扱った「死」というものについての独特な感覚がすでに現れていました。
新しい人生の考え方を気付かせてくれる
人生も後半になれば、上を目指して「登山」するばかりでなく「下山」することに注意深く意識を向けていくのが良い、という考え方にハッとさせられました。下山だからと言って落ちていくのではない、次の登山に向かう準備であり、下山こそよく考えていかなければならない、という事を学びました。
登場人物の不思議な恋愛関係が面白かった
有閑マダムの霧子と学生運動に参加しながらもどこかでのめり込めない大学生の出会いから別れまでが描かれています。異なる環境にいる二人が魅かれあい恋愛ゲームのような奇妙な関係を持ち、関係を深めていく先に時を超えた意外な共通点が最後に繰り広げられます。
人間は一滴
「大河の一滴」は五木寛之によって書かれた哲学的なエッセイです。哲学的とは言っても、小難しい概念や用語が登場するのではなく、「いまこそ、人生は苦しみと絶望の連続だと、あきらめることからはじめよう」「傷みや苦痛を敵視して闘うのはよそう。ブッダも親鸞も、究極のマイナス思考から出発したのだ」というような、分かりやすく勇気づけられる言葉が散りばめられたエッセイとなっています。所詮は、人間など大河における一粒にすぎない、分かってはいても認めにくい考えを、しっかりと肯定してくれる気がして生きる意欲が湧いてきます。
人生の指南書というべき作品です
仏教の教えが根本にありますが、読みやすく素直に心に響いてきます。マイナスから逃れるのではなく、それを受け入れて静かな心で物事を受け止めることはなるほどなと思いました。今の時代で読んでも決して古くない内容になっています。
落ち込んだ時に読み直す名作
ブッダや親鸞の教えを随所にちりばめながら、作家自身の体験も踏まえて書かれた人生論。人生で行き詰まりを感じたり日常に疲れた時に読み直したい名作で、生きることの大切さを教えてくれます。本書の中にある生きることそのものが値打ちであるという言葉に救われた人も多いのではないでしょうか。
それまでに感じたことのない価値観だった
高校在学中から不安障害になってしまい、浪人(ほぼニート状態)の頃に手に取った本です。それまでは「生きること」に精一杯になっていましたが、「死なないこと」によって生きること、そんなことを自分は感じ取りました。
語りかけてくるようです
人はみな大河の一滴。寂しくなるようなほっとするような気がしました。難しそうだと思ったら、すんなりと読めるエッセイでした。肩に力が入っている時に読むとほっとするかもしれません。