1分でわかる「樋口一葉」
短い生涯でいくつもの名作を生み出した「樋口一葉」
1872年生まれ、東京都出身の作家・樋口一葉。樋口一葉の代表作の1つ『たけくらべ』は、ある決められた運命を背負った男女の実らない恋を描いた小説です。ちなみに「男女の叶わない恋」は樋口自身も体験したことでした。『たけくらべ』が高く評価された後は、遊女を題材にした『にごりえ』や明治という時代に翻弄された女性の辛さを描き出した『十三夜』、大晦日を意味する『大つごもり』、移り変わりゆく雲のような恋を描いた『ゆく雲』などの作品を次々と世に送り出します。14ヶ月の間にこれらの名作を生み出したということで、この期間は「奇蹟の14カ月」と呼ばれました。しかしその才能溢れる女性小説家は、24歳という若さで短い生涯を閉じることになります。
名作『たけくらべ』のきっかけ
幼い頃は裕福だった樋口一葉ですが、兄の病死と父の事業の失敗・病死によって、貧乏のどん底に。17歳にして、一家の大黒柱として家計を支えなければいけませんでした。21歳の時に荒物・駄菓子屋を経営。売り上げこそ少なかったものの、この時の経験が後の名作『たけくらべ』の題材を思いつくきっかけになったと言われています。