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三国志をモチーフにした大震災後の建国物語
富士山まで大噴火する大震災によって国土が壊滅し、大国の思惑で分割支配されながらも、主人公が独立国(特区)を建国していくという物語です。ある意味、荒唐無稽な物語ですが、東日本大震災後の現在、震災による国土壊滅は現実味がありますし、大国の思惑や民族性、各キャラクターの意図や思惑などもリアルに感じました。何の予備知識も持たずに読み始めましたが、キャラクターの人物名や行動から、三国志をモチーフにしていることに気が付きました(三国志好きの方なら自然と気付くと思います)。そうなると、このキャラクターは三国志では死ぬから死ぬんじゃないか?といった予想する楽しみも出てきて、物語とは違う面でも楽しめました。
3位ジパング(漫画)
太平洋戦争当時にタイムスリップさせられたイージス艦の葛藤
テレビアニメ化もされたヒット作です。現代の日本のイージス艦が1942年にタイムスリップして、太平洋戦争に巻き込まれる物語ですが、普通のタイムスリップ物とは大分印象が違いました。ズバ抜けた戦闘力を持つ最新鋭のイージス艦だけに、過去へのタイムスリップは特別な意味を持ちます。歴史を知っているだけに、自分たちが行動すれば同じ日本人(時にアメリカ人)の犠牲を抑えられる、けれども歴史を変えてしまって良いのか?その影響が未来に出るのではないか?と、乗組員たちが葛藤する様子を興味深く読みました。太平洋戦争の勉強にもなりました。イージス艦「みらい」を振り回す「草加拓海」はかわぐち作品の中でも新しいキャラクターで魅力的でした。
『沈黙の艦隊』好きは必読!海江田の少年時代
『沈黙の艦隊』の主人公・海江田四郎の少年時代を描いたアナザーストーリーです。『沈黙の艦隊』好きの方には絶対オススメの作品。海江田四郎はあらゆる漫画の中でも上位に挙がる好きなキャラクターなのですが、彼がどのような少年時代を送ったのか、なぜこのような人物になったのか、海江田好きには必読の作品です。海に囲まれた自然豊かな島の描写も美しいです。『沈黙の艦隊』とは対照的に、物語自体は非常に繊細かつ抒情的。最後の最後で『沈黙の艦隊』と繋がるのも必見!
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軍事・政治情勢を物語る濃密な潜水艦漫画
初めて読んだのは完結してからだいぶ経ってからでした。たまたま最初の数巻を読んだ所、すっかりはまってしまい、一気に読破してしまいました。タイトルや表紙の画などから、軍事オタク漫画だという勝手な印象を持っていましたが、テーマが軍事だけでなく政治や世界情勢、核兵器問題など多岐に渡っていて、非常に濃密な作品でした。現在とは変わっている面もあり、作者の信条等もあるものの、世界情勢や軍事情勢に関してとても勉強になる漫画でした。あまり馴染みのない潜水艦をメインにしている点も面白いです。最初は悪役だと思っていた海江田が最終的に英雄になるストーリーも抜群でした。潜水艦だけに、最後の心臓の「音」の比喩も興味深かったです。