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2位巷説百物語
引用元: Amazon
『巷説百物語』(こうせつひゃくものがたり)は、角川書店から刊行されている京極夏彦の妖怪時代小説集。「巷説百物語シリーズ」の第1作目。1997年より角川書店が発行する妖怪マガジン『怪』創刊号より作品の連載が開始され、1999年の第伍号まで連載されたものを収録している。
おんぎょうしたてまつる
神も仏もない虚しい人の世を、嘘の妖怪や化け物を使って帳尻を合わせて収める悪党のお話です。小股潜りの又市、山猫廻しのおぎん、事触れの治平ら、悪党を名乗りながらも非道は行わない裏の人間と、とある事件でかかわった堅気の主人公 山岡百介。好奇心旺盛な百介はどんどん裏へ引き込まれていきます。最終的に又市、おぎんは百介を表へ追い返しますが、百介は彼らと過ごした時間を、生涯忘れられませんでした。
3位姑獲鳥の夏
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『姑獲鳥の夏』(うぶめのなつ)は、京極夏彦の長編推理小説。「百鬼夜行シリーズ」の第一弾である。京極夏彦が本作を講談社に持ち込みをしたことでメフィスト賞創設のきっかけとなったデビュー作品である。2005年に実相寺昭雄によって映画化された。
この世には不思議なものなど何もないのだよ
百鬼夜行シリーズの原点。衝撃的な作品でした。奇怪な事件を妖怪にたとえて、延々と続く京極堂の蘊蓄は非常に奥が深く、その膨大な知識と情報量に驚きました。憑き物落としという儀式で、深層心理を暴き真相を解明する京極堂の手法は斬新でした。結局、関口君の胡乱さが根源だったわけですが、人は思い込みで見えているものが見えなかったり、見えないものが見えたりするものだと、つくづく思いました。関口君は奥さんをもっと大切にしないといけません。
軍鶏鍋食べたい
作中に出てきた軍鶏鍋が何故か印象に残りました。百鬼夜行シリーズでは屈指の好きな作品です。白昼夢のような感覚に浸ることができます。あるはずの無い記憶の謎、何度首を切っても蘇って訪れる男、集団自殺、髑髏を巡る狂騒、その結末はいかに。ヒロインが最後で見せた行動が痛快で惚れました!
4位今昔続百鬼 雲
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『今昔続百鬼――雲』(こんじゃくぞくひゃっき くも)は、講談社から刊行されている京極夏彦の妖怪探偵小説集。百鬼夜行シリーズの「番外編」となる4作品を集めたミステリー中編集。副題は『多々良先生行状記』。タイトルは鳥山石燕の画集『今昔画図続百鬼』から採られている。
冒険妖怪小説
多々良先生とお供の沼上君の珍道中のようなドタバタ感が大好きです。計画性も経済観念も無い二人が、毎度無一文になり大ピンチの時に、冨美ちゃんが助けるのがお約束です。冨美ちゃん登場時の安堵感は半端ないです。
4位西巷説百物語
これでしまいのこんぴらさんや
巷説百物語シリーズから舞台を上方(大坂)に変えて、又市の悪友、林蔵一味が主役になります。この林蔵という男は、舌先三寸口八丁で相手を嘘船(さながら亡者船)に乗せ、知らぬ間に相手を彼岸へ流すため「靄船の林蔵」の二つ名があります。このお話で特徴的なのは、粛清対象や被害者視点で物語が進行します。林蔵の少し頼りない(詰めが甘い)感じもそれはそれで良いです。又市、百介もちょっとだけ登場します。
5位鉄鼠の檻(小説)
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『鉄鼠の檻』(てっそのおり)は、日本の小説家・推理作家である京極夏彦の長編推理小説・妖怪小説。百鬼夜行シリーズ第四弾である。第9回山本周五郎賞の候補作となった。
坊主小説
レギュラーメンバー以外、ほぼ坊さん。「禅」を話題の中心に捉えた、雪深い山奥のお寺でおこる連続殺人事件です。1300ページ以上にも及ぶ大作ですが、扱う事件は1件(連続坊さん殺害事件)だけ。魍魎や狂骨、絡新婦のような多層構造ではなくてシンプルな構成です。そのぶん謎解き要素が強くなっています。
シリーズ1の大作
支度と始末の分冊になりますが、2000ページ近い大作です。複数の強力な勢力が絡み合い混沌とするさまは、まさに宴といった賑やかな雰囲気です。極限まで広げた風呂敷を一気にたたんでいく手腕は見事です。ただ、宴の中心にあったもの、それは意外でもあり、、、、なんだか少し寂しくなりました。でも間違いなく大作です。
8位邪魅の雫
榎木津の物語
今回の妖怪「邪魅」は、関口君が今昔画図続百鬼から引用してみせました。前回の陰摩羅鬼から、従来に比べて話のスケールが小さくなってきた感は否めません。ただし、被害者側、犯人側にも複数の主人公が登場し、各人の物語が並行して場面が切り替わりながら進行するという、斬新な手法となっています。途中から犯人と事件の全容が見えてきます。まあ、なんというか、やっぱりスケール感が気になりましたね。
あなたが蜘蛛だったのですね
百鬼夜行シリーズは全作品読みましたが、「絡新婦の理」が最高傑作だと思います。1400ページ越えを一気に読破しました。蜘蛛の糸のように張り巡らされた仕掛けにより、犯人の意識外で繰り返される犯罪、糸の中心にいる真犯人には絶対にたどりつけない仕組み、一見何の関係も無い事件が時と場所を超えてつながっていく様は、お見事としか言いようがありません。冒頭の描写が結末へつながる構成は美しくさえあります。シリーズ最高傑作です。