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ミバリさんの「りぼん漫画ランキング」

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更新日: 2020/06/25
ミバリ

少女漫画マイスター

ミバリ

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まえがき

りぼんは小学生の時から読んでいたのですが、2000年前後から購読をやめ、単行本派です。詳しいわけではありませんのでそこんとこご勘弁願います。

ランキング結果

1有閑倶楽部(漫画)

有閑倶楽部(漫画)

引用元: Amazon

作者一条ゆかり
ジャンル少女漫画
出版社集英社
連載りぼん(1981年~)
マーガレット
コーラス
巻数全19巻

毎年楽しみにしていた何でもありセレブコメディ

2度もドラマ化された、一条ゆかり大先生の一大シリーズです。
お金持ちの子女が通う聖プレジデント学園の生徒会メンバー6人が
いいことをしたり、逆にとんでもない悪いことをしたり、かと思いきや幽霊に取りつかれたり…とにかくなんでもありの漫画です。
正直なところ、まだ本当は「完結」していないのでは…?
で、この漫画よく考えるとメンバーはみんなセレブなんですけれど、
「血筋」的なものとはほぼ関係がありません。超大金持ちの悠理は父親が土地成金、母親はメイドです。可憐も親が宝石店をしているだけ、魅録の父もたたき上げの警視総監だし(お母さんは名家の人ですが)。美童は貴族の生まれだけど、おばあちゃんは日本人だし。
今の漫画に出てくる「セレブ」とは違う。なんというか…生き方にしがらみがなかったと思います。すごい下品な話もありましたしね。
私が読んでいたころは毎年一回前後編ないし3回の連載。それが毎年楽しみでした。
スケールの大きいアクション系の話が好きでしたが、巻が進むごとにオカルトものが増えていったのは残念だったかな。

2グッドモーニング・コール(漫画)

グッドモーニング・コール(漫画)

引用元: Amazon

作者高須賀由枝
ジャンル少女漫画
出版社集英社
連載りぼん(1997年9月号〜2002年4月号)
巻数全11巻

現在も続編連載中。ゆるゆる同居ラブコメ

主人公の菜緒はどこか抜けててぼんやりした女の子。
家族が田舎に引っ越すのを嫌がり、一人暮らしを始めるのですが、なんとその部屋がダブルブッキング。悪徳不動産に騙されたのです。
その相手は同じ学年の上原君。イケメンでめちゃくちゃモテるのだが、菜緒はあまり興味がなかった。
大家さんの勧めで同居をすることになるのだが、上原君、イケメンなのに性格が非常にマイペースで食欲魔人。
距離が自然に近づいたことで上原君ファンに囲まれたりするけど、ぼんやりキャラの菜緒の悩みはそれよりも「勝手にプリンを食べられる!」ことだったり。
ライバルが出てきそう…になっても菜緒と上原君がその流れをめちゃくちゃにしてしまう。ホンワカしてしまう。
同時代のりぼんの漫画が深刻な内容を扱っている中で、とことんいざこざを起こさずゆるーい雰囲気を放っていました。
一応ラブコメディなんですけど、「どこからつきあったっけ?」と本人たちもあまり自覚していませんでしたね。
その空気を今も好むファンがいるからこそ、現在、本編よりも長い続編があるのだと思います。現在は大学を卒業し、就職し、いよいよ結婚か?という感じです。

3株式会社ラブコットン

株式会社ラブコットン

引用元: Amazon

作者樫の木ちゃん
ジャンル少女漫画
出版社集英社
連載りぼん(2007年3月号〜2009年2月号)
巻数全6巻

恋愛一切なし!お金が欲しい女子のファッション漫画

頭脳明晰だけどド貧乏な金星成。生活費を稼ぐために祖母の洋品店で服を売ろうと決意。でも、彼女にはおそろしいほどセンスがない。
そこでデザインの才能がある未来、スタイル抜群でセンスがいい鈴、裁縫がめちゃくちゃ上手い正を見出して会社を立ち上げる。
主人公の成はケチだけど社長としての才覚があり、三人の仲間をうまく動かしてファッションブランドを作り人気を集めていきます。彼女のキャラクターが濃くて強い。
が、恋愛には一切興味がなく、最終回まで本当に誰も恋愛しません(番外編には恋愛が出てきてしまい、非常に残念でした)。

それから、私がこの漫画を推したい理由はもう一つあります。
四人は仕事に一生懸命になるあまり学校に行かなくなります。先生たちにこのままでは留年になるといわれ、頭のいい成が三人の成績を面倒見ることで学校側を黙らせてしまいます。
ところが、ファッションのアイデアに行き詰まった四人は、「じゃあ久しぶりに学校へ行こう」と思い立って学校の空気を取り入れに行ったりするのです。
彼女たちと「学校」との関係は非常に自由。学校に振り回されず、逆に学校を利用していました。
日本の学生は学校に縛られすぎですし、少女漫画は学校がないと成り立たないことがあります。
でも、この漫画は「そんなことはないよ」と読者に呼び掛けていたんじゃないかなと思うのです。

4天使なんかじゃない

天使なんかじゃない

引用元: Amazon

作者矢沢あい
ジャンル少女漫画
出版社集英社
連載りぼん(1991年9月号〜1994年11月号)
巻数全8巻

翠より、マミリンが好き。

りぼん黄金時代の名作。開校したばかりの学園で、副生徒会長になってしまった冴島翠が明るく楽しく学校生活を送る青春ものです。
初回読んだとき、それまでの矢沢さんの漫画が苦手だったんですけど(ヤンキーくさいというか、ウェットというか)、自分のツボにがっつりハマりました。
翠と須藤晃の関係もいろいろ混迷を極めハラハラしましたが、私は翠よりもおカタいマミリンにシンパシーを感じていました。
才女でお嬢様で気高いのですが、素直になれない。滝沢マンが好きなのに、なかなか近づけない。
翠とマミリンの性格はほぼ正反対で最初は全く気が合わなかったのですが、マミリンが突如「私は 冴島翠になりたい」と翠に打ち明けるシーンがあって…そこで泣きそうになったのを思い出します。二人の友情がすきだったんですよ!
お話は卒業まで続きますが、生徒会を引退し青春がどんどん終わっていく姿を見届け、せつないなと感じたものです。

5満月をさがして(漫画)

満月をさがして(漫画)

引用元: Amazon

作者種村有菜
ジャンル少女漫画
出版社集英社
連載りぼん(2002年1月号~2004年6月号)
巻数全7巻

種村さんは、りぼんを壊してなんかいない

デビューしてまもなく「神風怪盗ジャンヌ」がアニメ化し、当時としてはあり得ないほどの書き込みと絵の華やかさで注目を集めた種村さん。
しかし並行してインターネットが盛んになった時代。パソコンの画面には「りぼんを壊した」などいろいろひどいことが書き込まれました。
私は、種村さんが好きです。そして、彼女の作品は当時のりぼんっ子に夢を与えたと思っています。また、ジャンルを超えて漫画界に影響を与えている。ちゃおに部数を抜かされていたのは、単なる時代の不運です。

そして、私が一番好きなのはこの作品です。そもそもアニメありきで作られた連載なのですが、少女漫画に必要な「変身もの」で、「アイドル」になり、かつ「ふしぎ」要素があった。
それでいて主人公満月は重い運命を背負い、遠いところで暮らす英知くんをずっと想っていた…
なのに。

ショッキングな事実を知った満月はそれでも歌い続ける。運命にもあらがう。そして最後の最後のシーンでなぜか泣けたのです。
英知くん…そうか…君は…

タクトの声を当てていたのは桜塚やっくんだったんだよ!というトリビアを残して。

6流れ星レンズ

流れ星レンズ

引用元: Amazon

作者村田真優
ジャンル少女漫画
出版社集英社
連載りぼん(2011年2月号~2014年8月号)
巻数全10巻

りぼん新世代を牽引する村田さんの出世作

現在「ハニーレモンソーダ」が大人気爆発中の村田さん。その出世作がこれです。
主人公の凛咲は自分より他人を想うものすごく心のきれいな女の子。そんな凛咲を見つけた、学校でも目立つ存在の夕暮くん。
夕暮くんは現代の「ヤンキー」というか…学校生活の枠とは違う生き方をしている男の子なのですが、二人はお互いを想いあい、成長していきます。

村田さんのモノローグ、話運び、何気ない会話などは昔のりぼん乙女からすると「理解できない世界」ではないかと思われます。
私も最初のうち絵柄がとっつきにくくてなかなか手を出せませんでした。でも、学生生活の一瞬でしか味わえない「キラキラ」を表現できている。瞬きしているあいだに通り過ぎる、強い感情がドカドカと胸に突き刺さるのです。

それまでのりぼんの漫画家と違い、ツヤツヤサラサラした絵柄とはまた違う独特なタッチ。それが現代のりぼんっ子に支持されています。
現在連載中のハニレモ、ぶっちゃけ人気独走状態ですからね。

7つばさとホタル

つばさとホタル

引用元: Amazon

作者春田なな
ジャンル少女漫画
出版社集英社
連載りぼん(2013年9月号〜2017年12月号)
巻数全11巻

けなげ女子、バスケ部で花開く

春田ななさんは中学生デビューで注目され、それからりぼんの看板としてゆるぎない人気を集めてきましたが、私はそんなに好きではありませんでした。絵は好きなので、コミックスはずっと買っています。
彼女の描く主人公は自分勝手な子が多く、自分が不利になると感じたらごまかしたり逃げたり、好きな子に八つ当たりしたり。それが中高生のリアルである、と言われればそれまでなんだけど、でもなあ…と思ってたのです。

ところが、この作品からガラリと変わります。主人公も、相手の男の子もすごいいい子なのです。

主人公のつばさは思い込んだら命がけ、好きな相手に対して重いアプローチをしてしまう女の子。しかし友達の友梨ちゃんに誘われバスケ部のマネージャーになるとその「重さ」が「甲斐甲斐しさ」に変化。男バスのみんなに驚かれます。
同じ一年生男子たちと仲良くなりますが、その中で背は低いけど一生懸命バスケに打ち込むアッキーが好きになります。
アッキーは言葉が少なくてシャイですが、とてもやさしい男の子。
二人の距離は近づきそうで、でも、お互いがお互いを想うばかりにそうもうまくいかなくて。さらにイケメンの鳥羽がつばさを好きになりちょいちょい邪魔をするので大変なことに。
でもつばさは、アッキーをひたすらに応援しつづけるのです。

自分をごまかさない。相手を大事に思う。ただそれだけの事。
それだけで主人公は光る。
もともと絵は抜群にきれいだった春田さん。その絵と話がようやく釣り合ったなと思った作品です。
この後の「6月のラブレター」も主人公がいい子でよい作品です。

あと話とは関係ないかもなのですが、春田さんには他のりぼん作家が持っている「オタク性」がないんですよね。

8ロッキン★ヘブン

ロッキン★ヘブン

引用元: Amazon

作者酒井まゆ
ジャンル少女漫画
出版社集英社
連載りぼん(2006年1月号〜2008年8月号)
巻数全8巻

酒井さんの最も明るく楽しい作品

酒井まゆさんも衝撃的なデビューからすぐに連載を勝ち取り、現在も看板作家です。いろいろなジャンルを書きジャンプSQで執筆したこともありますが、登場人物と家族との葛藤を描くことが多く、少々話が深刻だったりします。

「ロッキン★ヘブン」はその中ではかなり明るく、楽しい作品です。
主人公の紗和は制服だけで学校を選んだため、元男子校へ入学してしまいます。クラスの女子は自分を含め二人!理事長の息子・藍がクラスを牛耳り紗和にもちょっかいをかけますが、もともと強い性格の紗和はそれを跳ね返す。それから、クラスの男子は彼女を受け入れます。
もう一人の女子・晶と友情を育みながら、藍をはじめとする男子に囲まれちょっと「逆ハーレム」な漫画です。
紗和がみんなとワイワイする姿がたのしいし、おそらく当時の読者はそれぞれの「推しキャラ」がいたんじゃないかと思います。私は…オタクの田口くん割と好きだったんですよね。晶とはうまくいかなかったけどね…
そういう楽しみ方もできた作品はりぼんだとちょっと珍しいかなと思います。

9ロマンチカ クロック

ロマンチカ クロック

引用元: Amazon

作者槙ようこ
ジャンル少女漫画
出版社集英社
連載りぼん(2012年9月号〜2015年12月号)
巻数全10巻

槙さんのもう一つの世界。ある意味ファンタジー

高校生デビューし、強いメッセージ性を持った作品でりぼんっ子の心を引き付けてきた槙さん。引退されてしまいましたね…いろいろあったと思います。りぼんから一度出て他誌で描いたりしていましたが、戻ってきて発表した作品がロマンチカクロックです。

主人公の杏花音はとにかく元気な女の子。双子の蒼は性格がほとんど逆。二人を中心にした中学生たちが恋をしたり悩んだり、キラキラ輝くお話です。
杏花音もケーキ職人を目指す慎に恋をしたりバカなのに超進学校を目指して猛勉強をするのですが、そこに突然の病魔が。
病室から出られない生活を余儀なくされる杏花音ですが、それでも高校進学をあきらめず心を強く持ち続けます。

槙さんの漫画も独特で、会話もモノローグもつかめないところがあるのですが、この漫画からは「あきらめないでいれば、夢は開けるよ!」という声が聞こえるのです。初期のトゲトゲしさもなくなっていて読みやすい。

ただ、この漫画の不思議なところが二つ。初回双子の蒼は閉じこもっています。彼が出てきた理由は不明確。自己主張をしないため存在に生命感がなく、杏花音との関係も不明確。骨髄移植するぐらいなのでガチ双子ではあります。でも、作中一番イケメン。
それから、友達との連絡は公衆電話と家のレトロな電話!ファッションは現代なのに、スマホとケータイを使わない。

鎌倉を舞台に、杏花音たちの家はキルトとレトロ家具に囲まれた夢の空間で、「かわいい」がぎっしり詰まっています。この漫画はひょっとして、青春ものではなくてファンタジーだったのではないか?蒼って本当にいたのかな?そんなことを考えてしまうのです。

いとこからもらった超古典漫画

太刀掛秀子先生の歴史に残る名作です。
いとこの家にあり、小学生の時にもらってしまいました。
何度も読み返すたび、「これがたった4巻?」と驚きます。

─花ぶらんこは、揺られるたびに心が軽くなるんだよ。

篠原茂は社長で、篠原家は豪邸。庭には花ぶらんこの木がある。
フランス人のソニアと結婚してソニアはるりを産むが、日本での暮らしに耐え切れず逃げ出してしまった。
仕事で忙しい茂は残されたるりに家族をと考えて梢と再婚する。梢には真幸という息子がいて、るりの兄になった。
ところが、梢は茂がまだソニアを愛していて、金髪碧眼のるりにその面影を求めていると思い込む。
しばらくして新しい家族が生まれる。黒い目、黒い髪の女の子・唯。しかし、唯には先天的な心疾患が。梢は唯に愛情をそそぎ、健康なるりを冷遇し始める。
真幸はるりの美しさと純粋無垢な性格に心を惹かれるが、梢の目があり表に出せない。さらにその重圧に耐え切れず高校は全寮制へ。
家庭内でるりはただひたすら、冷たい梢との生活を送ることになる。唯一の救いは何も知らない唯。しかし学校に行けず勉強が遅れがちなため、梢は家庭教師をつけることに。
安積惣一郎。優しいだけじゃない、るりは彼から、特別なものを感じていた。昔出会って花ぶらんこの話をしてくれた男の子を思い出すのだ。
だんだん心惹かれるるりだったが、唯も惣一郎にほのかな恋をし、梢はるりを許さない。しかし、だんだんと唯の体が弱っていき…?

お父さんもお母さんも、だれも悪くないのです。
なのに、主人公のるりは母親と冷たい静かな時間を送ります。
ここからもちろん大きな悲劇が家族を襲いますが、るりにはさらなる運命が立ちはだかるのです。
そして、るりの想い人惣一郎にも、実は秘密があって…
最後まで読むと、濃厚な家族ドラマを見たような気持になります。
家族の難しさ、抑えられない憎しみと、その許し。そして家族の再構成。全部読んだときに、何とも言えない感動が押し寄せます。

あとがき

ずっと少女時代をともにしながら、りぼんの王道はあまり記憶に残っていません。ちょっと毛色の違う作品に夢中でした。
こういう読み手がいるんだなと思っていただけたら。

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