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SYOさんの「面白い映画ランキング」

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更新日: 2020/08/27
SYO

映画ライター/編集者

SYO

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まえがき

「面白い映画ランキング」……誤解を恐れずに言えば、非常に悩ましいお題です。

「面白い」の感覚は、人によって違うから。僕の思う「面白い」は、他の人が思う「面白い」とは違っていて、千差万別・十人十色ということが、映画という表現を「面白く」しているのです。なので、「絶対的に誰が見ても100%面白い映画」は存在しません。

ただ、その中でも長く・多くの方々に愛されてきた名作というものは、もちろん存在します。今回は、そのような名作の中で、「設定が風変わり」なもの(つまり、他の映画ではなかなか味わえない独自性があるもの)をご紹介します。

ランキング結果

1オーロラの彼方へ

オーロラの彼方へ

引用元: Amazon

制作年2000年
上映時間117分
監督グレゴリー・ホブリット
メインキャストジェームズ・カヴィーゼル(ジョン・サリヴァン)、デニス・クエイド(フランク・サリヴァン)、ショーン・ドイル(ジャック・シェパード)、エリザベス・ミッチェル(ジュリア・サリヴァン)、アンドレ・ブラウアー(サッチ・デレオン)ほか
主題歌・挿入歌When You Come Back To Me, Again / ガース・ブルックス
公式サイト-

予測不能、だけど泣ける

事故で亡くなってしまった最愛の父と、無線がつながった――。大人になった息子は、父が死んでしまう未来を回避し、さらに母が事件に巻き込まれる事態を避けるべく、奔走する。時空を超えた父と息子のバディものです。

これはまず、設定が秀逸です。オーロラの奇跡で、過去と現在が交信できるようになったという作りが興味をそそりますし、過去で起こった「現実改変」によって、未来が影響を及ぼされていくのも「ほうほう」と思わされる。しかもそこに、親子のドラマが絡んでくるから、サスペンスとしても、親子劇としても楽しめるわけです。

予測不能な展開が畳みかけるのもハラハラさせられますし、何と言っても観終えた後が、気持ちいい! エンターテインメントとして、非常に完成度が高いと思います。

2エターナル・サンシャイン

エターナル・サンシャイン

引用元: Amazon

制作年2004年
上映時間107分
監督ミシェル・ゴンドリー
メインキャストジム・キャリー(ジョエル・バリッシュ)、ケイト・ウィンスレット(クレメンタイン・クルシェンスキー)、イライジャ・ウッド(パトリック)、キルスティン・ダンスト(メアリー)、マーク・ラファロ(スタン)ほか
主題歌・挿入歌-
公式サイト-

設定の独自性と映像表現の斬新性が両立

失恋の痛みから逃れるために、恋人の記憶を消した――。多くの人々が願ったであろう「記憶を消したい」を題材にした、切なくもファンタジックなラブストーリー。

奔放な恋人に振り回された挙句別れることになった主人公は、彼女の記憶を消すことに。しかしそこには、色々とすれ違いがあって……。

設定時点でもう切なすぎるのですが、この映画にはまだまだ「すごいな」と思わせられる要素がたくさんあります。その一つは、思い出が可視化されているということ。

記憶を一つ消すたびに、思い出の中で恋人は消えていきます。その切なさや痛みを、「雪が降る海辺にベッドがある」「自分が机の下で子どもになっている」といったような映像表現で描き、作品としての面白さと、アート的な創造性の豊かさのダブルで満足させてくれる作品です。

しかも、何回も観ることで「あれはそういうことだったんだ」と理解が深まるという「やりこみ要素」も内包。長く楽しませてくれるのも、高ポイントといえます。

3ガタカ

ガタカ

引用元: Amazon

制作年1997年
上映時間106分
監督アンドリュー・ニコル
メインキャストイーサン・ホーク(ヴィンセント・アントン・フリーマン)、ユマ・サーマン(アイリーン・カッシーニ)、ジュード・ロウ(ジェローム・ユージーン・モロー)、ローレン・ディーン(アントン・フリーマン)、ゴア・ヴィダル(ジョセフ)ほか
主題歌・挿入歌-
公式サイト-

切ないなかにも、勇気をくれる1本

生まれたときから、運命が決められている近未来。DNAによって優劣をつけられた世界で、宇宙飛行士になる“夢”を追いかける青年の物語です。これまた、沁みる作品。僕は何度観ても泣いてしまいます。

今ご説明したようなあらすじは、どこかスポ魂的な展開を想像させるかと思います。主人公が努力で逆境をはねのけ、夢に向かってひた走る物語。それ自体は間違っていないのですが、この映画は見せ方が実にエレガントで、「熱さ」を封印し、「切なさ」で描いていきます。

生まれたときから「欠陥品」として扱われ、努力しても努力してもエリートコースである宇宙飛行士の夢には近づけない。主人公は身分を偽って目標を達成しようとするのですが……。システム自体は変わらず、主人公は「生まれてくる時代を間違えた」ような状況。運命を呪いながらも、夢を諦められずに犯罪行為に手を染めていく主人公と、清らかな夢の対比。悲壮な覚悟でエリートになりきろうとする姿が、涙を誘います。

しかしこの作品、クライマックスが「うわ……」となるくらい感動的なのです。きっと、悩んでいるときに道を示してくれる、大切な存在になってくれることでしょう。

あとがき

「名作」と呼ばれるものは多々ありますが、今回ご紹介したのは「評価されている」ものに加えて、「自分もめっちゃ好き」な映画たちです。

極論、個人的には「面白い」は独りよがりでいい、と思っています。その方が、多様な面白さが無数に生まれてきて、映画という表現自体が豊かになるような気がするから。

なので、今回の文はあくまで参考程度にとどめていただき、ご自身の中での「面白い映画」をどんどん貪欲に探してもらえたら、嬉しいです。

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