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鶴田 雅人さんの「市販のフレーバーウォーターランキング」

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更新日: 2020/11/01
鶴田 雅人

アクアソムリエ

鶴田 雅人

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まえがき

フレーバーウォーターって何でしょう?
海外では、有名なミネラルウォーターの銘柄だと、そのお水の横に並んで、フレーバーウォーター(同じお水に、香りや味を付けたもの)や、場合によってはジュース(炭酸のミネラルウォーターの銘柄だと、その炭酸で果汁を割ったもの)まで展開されることがあります。
同じロゴで、ミネラルウォーターを中心に、5〜6種類、華やかなラベルが並ぶ。そういう光景が、わりとよく見られます。

日本だと、い・ろ・は・すのフレーバー(歴代で40種類以上あるのではないかと思います)が、10年ほど前に始めたのが嚆矢ではないかと思います。
い・ろ・は・すのおかげで、日本にもフレーバーウォーターという考え方、市場が広がり、海外のように、ミネラルウォーターとフレーバーが並ぶのも目にするようになりました。
最近だと、サントリーやウィルキンソン(アサヒ)も積極的ですね。

で、今回ランキングを書くにあたり、悩みました。
炭酸あり/なし、無糖/糖入りなど、余りにも種類が多いためです。

また、飲料業界は俗に「千三つ」と呼ばれます。諸説ありますが、私は「新商品を年に千本出しても、定番化するのは三本ほど」という解釈で捉えています。
過去に発売したフレーバーウォーターで、好きだったものはいくつもあります。ですが、残念ながら定番化せず、現在(簡単に)買えないものをランキング化するのは違うのでは、と考え、泣く泣く外しました。
【大手ECサイトで2020年8月現在買えるもの】を対象としています。

その上で、今回に限っては種類が多すぎるため、私の好みを完全に優先しています。
【「炭酸入り」で、「(表示上)無糖」のもの】です。

長くなってしまったので(笑)、一旦ランキングに進みます。「炭酸かつ無糖」を選んだ理由はあとがきに書きますので、ご興味のある方はお読みいただければと思います。

ランキング結果

王道にして最高、バランスの取れた味わい

入手のしやすさを考えても、いわゆるフレーバーの中では、これがダントツで一位だと思います。
サントリーの天然水は有名ですが、同じお水に炭酸とレモンを添加したものです。
フレーバーウォーター、特に炭酸は、ガス圧を出すために純水化してしまうものも多いのですが、こちらはしっかりとナチュラルミネラルウォーターのまま、元のお水のミネラルを残しています。

ミネラルを残したまま、炭酸ガスを強く出すのはなかなか難しいのですが、技術とボトルの硬さによってか、こちらはガス圧もかなり強く感じられます。
(もっとも、「ガス圧競争」のようになっている、今の日本の市場には、大きな疑問を持っていますが...。味わいはバランスで成り立つので、「ガス圧が強いほど優れている」というものではないと思っています)
フレーバーの香りも自然で、元のお水の清冽さと、適度に強い炭酸と、よくマッチしています。snow peakと共同開発したボトルのデザインも、水源である山を想起させる、素敵なものです。

少し探せば、コンビニや自販機で見かけるなど、販路も拡大しています。炭酸が苦手でなければ、ぜひ一度試してみてください。

こちらもサントリーの、オレンジフレーバー

1位のサントリー天然水 スパークリング レモンと同じラインナップの、こちらはオレンジです。
レモンほど市場には出ておらず、出始めの頃はコンビニにもありましたが、今はネットで、箱単位での販売が多いようです。レモン同様、こちらもナチュラルミネラルウォーターを生かし、snow peakと共同開発のボトルで、しっかりとしたガス圧を保っています。オレンジの香りも自然で、気分転換にぴったりです。

「レモンソーダ」に比べて「オレンジソーダ」というのは、日本ではあまり見かけませんが、レモンほどの酸味がなく、こちらが好きな方もいらっしゃると思います。
見かけたら、ぜひ一度お試しいただけると。

コストパフォーマンスに優れた、レモン炭酸

低価格ですが、伊賀の天然水を使用した、お水の特徴を感じさせる味で、炭酸もしっかりと強いです。
純水化することなく、きちんとお水のミネラルを残しているのが、非常に好印象です。レモンのフレーバーもなかなか自然で、コストパフォーマンスにとても優れていると思います。

サンガリアの商品は、探せば意外に色んなところで見かけます。スーパー、量販店、街中の自動販売機など。もちろんインターネットでの箱買いも。
例えば、夏の間ケースで買い込んでおいて、冷やしておいて毎日飲む、なんて使い方も非常におすすめです、何しろコスパが良いので。

同じブランドから1Lのサイズも出ています。炭酸は、どの商品でも開栓してしまうと抜けやすいので、例えば1日で飲みきれるなら、そちらもおすすめです。

人を選ぶホップの風味、私は好きです

ちょっと変化球ですが、ポッカサッポロから、グリーンシャワーというフレーバーの炭酸水が出ています。
テーマは「ホップの香り」。
ホップを使ったフレーバーウォーターというのは、おそらくこの商品くらいではないかな、と思います。ビールによく使われるホップですが、印象としては、ブドウを連想させるような香りだなと感じました。お酒感はないですが(笑)、他にはない唯一無二のフレーバーで、私は好きだなと感じました。

炭酸も、強すぎず、でもしっかりと効いており、ホップの香りと良くバランスが取れています。好みは分かれるかと思いますが、ご興味があれば、試してみてください。

あとがき

私は、フレーバーウォーターには、間口を広げる、市場を拡大する役割を期待しています。
普段お水を飲まない層の方が、「フレーバー付きなら...」と考え、そこからブランド本流のミネラルウォーターに行き着く。そういう存在であって欲しいなと思っています。
(もちろん、そのフレーバーが好きで、それだけを飲み続けても、一向に構わないと思いますが)

アクアソムリエとしてお水、特に炭酸水をおすすめした際に、よく聞くのが、「味のない炭酸なんて飲みづらい、飲んだことがない」というご意見です。特に、ビールやジュースに慣れてしまっている方からよくお聞きします。
そういう方が、最終的に炭酸水に行き着くための前段階として、炭酸のフレーバーウォーターがあればいいな、と。

炭酸水は、フレーバーがあった方が飲みやすい、というのは一理あると思います。現に、トップブランドのペリエでは、レモンとライムのフレーバーが併売されるのが普通になっていますね。

無糖を選んだのはもう少しシンプルな理由で、「お茶だとカフェイン、ジュースだと糖分を摂ってしまうので、水分補給は出来るだけお水で」して欲しいからです。
糖入りのフレーバーウォーターで、素晴らしいバランスのものもありますが、この理由から今回は除外しました。同様に、サントリーの今夏の商品、ジンジャー&カフェインもなかなか美味しいものだとは思いますが外しました。

普段お水を飲まない方にこそ、いわゆる「無糖炭酸のフレーバー」を、まずは試して欲しいと思っています。最初は違和感があっても、すぐに良い意味で慣れ、手放せなくなった、というお話をよく耳にしています。

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