2004年、20歳の若さで芥川賞を受賞した金原ひとみ。当時19歳だった綿矢りさ『蹴りたい背中』とのダブル受賞で、出版界の枠を超えて大きな話題となりました。というわけで今回みんなの投票で決めるのは「金原ひとみ作品おすすめ人気ランキング」です。先述の芥川賞を受賞して鮮烈デビューを飾った『蛇にピアス』はもちろん、Bunkamuraドゥマゴ文学賞『マザーズ』、織田作之助賞『トリップ・トラップ』といった受賞作が上位にランクイン!?あなたのおすすめ書籍へガンガン投票してください。
最終更新日: 2020/11/01
このお題は投票により総合ランキングが決定
1983年、東京都出身の金原ひとみ。歪んだ愛、激しい性・暴力が描写されてる作品が多く、狂気じみた数々のストーリーは多くの読者に衝撃を与えています。デビュー作となる『蛇にピアス』では2003年に第27回すばる文学賞、翌2004年に第130回芥川賞を受賞。この作品は2004年に漫画化、2008年に映画化され、小説家『金原ひとみ』の名を広めるきっかけとなりました。その後、恋愛連作短編集『星へ落ちる』や、空虚の果てにある一筋の希望を描く長篇小説『軽薄』など、数多くの作品を出版しています。
デビュー作『蛇にピアス』ですばる文学賞、芥川賞を受賞した金原ひとみ。そのほかにも、2010年に『TRIP TRAP』で織田作之助賞、2012年に『マザーズ』でドゥマゴ文学賞を受賞しています。金原ひとみ独自世界観で描かれる書籍は多くの人を魅了しています。
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1位蛇にピアス(小説)
2位マザーズ
3位アッシュベイビー
4位星へ落ちる
5位オートフィクション
1位蛇にピアス(小説)
2位マザーズ
3位アッシュベイビー
4位星へ落ちる
5位オートフィクション
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母親業の孤独や幸福を表現した金原らしい作品
金原作品は本当にこの人にしか表せない世界観があって目が話せません。
特に蛇にピアスと並んでこの作品は面白かったので紹介します。
母親の孤独や幸福をテーマに、リアルな性的な描写も含めた生々しいけど現実味のある作品です。読んでいる最中は、ハラハラドキドキさせられます。
やや後味の悪い作品ですが、読んで見る価値はありますよ。
リアルに伝わる小説
専業主婦の先の見えない育児に疲れ果てている模様が、リアルに描かれています。とてもタイムリーな話題なので、共感できる人が多いと思います。男性が読んだ方が良いのではと思います。中には心苦しい部分もありますが、そこがリアルで目をそらさない所も良い。
子育てや家事に追われる主婦たちの壮絶な生き方が面白い。
子供を保育園に預ける主人公の女性たちのそれぞれの生き方が興味深いです。子供に愛情を注ぎながらも、浮気や虐待などの重たいテーマが浮かび上がってくる仕掛けが新鮮。家族や女性の生き方を独特の視点で描いているのが面白いです。
母親の苦悩
まず、金原ひとみさんの作品で母親目線の話が珍しくそれだけでも惹かれました。金原さんご自身も母親になったこともあり言葉一つ一つがより深く感じられ揺すぶられます。
私自身も独身の時に一読し好きな書籍になりましたが、母親になった時また読み直しさらに好きになりました。
我が子がもう少し大きく成長したら、また読み直したいと思い今から楽しみです。その時にはまた違った感想を抱けると確信しています。
タイトルは母だけど母には読んでほしくないかも
子供を生み育てることで「女性」に生じる絶望、孤独、憎悪、喪失感が網羅されている物語。こういう心神喪失系の話は金原ひとみしか書けないと思う。
性や麻薬などのタブーにも踏み込んだ作品ですが、読み出すと止まりません。
出産、育児の大変さを描いている
子育てしている中で、女性の大変さ、悩みだったり、不安だったりと男性には解らない、女性の辛さというか、自分も子育てしながら、共感出来る所もあり、考えさせられました。先の見えない育児は誰でも不安になるものですね。
心情
育児や出産がどれだけ大変なのか、男性から読んでもとても勉強になりますし、女性の凄さを知れます。子供にあたえる愛情や将来への不安などもとても人間味がありリアルに描かれていますし、実生活でも参考になります。
過激で歪んだ性愛の世界が描かれる
デビュー作の「蛇にピアス」にもマゾヒズム的要素が散りばめられていましたが、今作「アッシュベイビー」では、サディズムやペドフィリアなど、さまざまな歪んだ性の世界を描いています。一見過激でグロテスクですが、その根底には切実な渇望と愛への執着が描かれているのです。
生々しい描写で、ディープな世界が垣間見れます。
ペドフィリアという言葉や考え方は、まだまだタブーに近いですし、知らない人の方が多いかもしれません。生々しい描写が多いこの作品は、読み進めることにエネルギーを消費します。目を背けたくなるくらいの表現力です。
歪んだ性愛
さまざまな性愛が見え隠れする作品です。こちらも描写や題材がなかなか衝撃的なので、読むのに気合がいることになります。ですが、尖った内容だからこそ他にはない魅力がるのも確かです。サディズムなどの過激な性愛がでるので注意しながら読んでください。
人間の想いで苦しむ心情が良く描写されている作品
星へ落ちるは、胸が苦しくなる恋愛を描いた短編連作集です。恋愛中の心理状態がうまく描かれていて、誰でも当てはまる部分があると思います。人間の嫉妬や妄想など、ダークな心理状態が印象的です。気づいたら、どっぷり世界観にハマっています。そんな小説です。
まるで作者の自伝ではないかと思えるような仕掛けが散りばめられている
オートフィクションとは、作者の自伝と思わせるような内容の創作物のことを言うようです。そのような作品を書くことを依頼される作家のリンが今作の主人公。読み進めるうちに、リンは金原ひとみなのではないかと思えて仕方がなくなってしまいます。
今の若者にぜひ読んで欲しい作品
金原ひとみの作品はどれも好きだけどこれはダントツです。
かつては若者文化というと、ギャルなど大人に対する反抗や抵抗から生まれた熱気やエネルギーを帯びたものが多くあった。
しかし、今のミレニアムZ世代は、そういったエネルギーをリアルでなくバーチャルな世界へ表現しようとする結果リアルの世界では脆く弱々しい若者の姿が多く見られます。
バーチャルの世界では承認欲求や自己愛の強さや共感力は高いのにリアルの世界では弱く鈍感。そんな若者の自己矛盾をテーマにした作品です。
オートフィクションという題名も秀逸で、自伝をフィクションの手法で描いているある意味ここにも矛盾を抱えている風に読むことができるのも金原マジックですね。
オートフィクション?フィクション?
1回は作品として読み、2回目は金原ひとみさん自身の自伝として読み2度楽しめます。
歪んだリアルさに共感出来ない人もいるかもしれませんが、いざ「共感出来てしまった時」その時が来たらこれは大切な大切な1冊になるはず。
心に傷を負いながらも成長していくシーンが印象的
主人公は元恋人から刺されるも、一命を取りとめた過去があります。見た目には分からないが、大きな心に傷を負ったまま生きていく模様が切なく心が痛みます。過去からの決別と必死に戦う心理が良く描かれている作品で、思わず頑張ってと応援したくなります。
純愛小説なのです。
夫と息子の家族、仕事に充実しているカナは、実は18歳の時に元恋人に刺された経験をもっています。そんな彼女は、19歳の甥と関係を持つことになります。甥には隠している過去がありました。どんな展開になるのか、ワクワクしました。
重くドロドロした話
主人公が、元恋人に刺さたことがあるというショッキングなところから物語が始まります。その後、主人公は旦那も息子もいる幸せな生活を送っているところに19歳の甥がきたことから崩れます。甥との不倫話なので共感はしにくいですが、気になって読んでしまうストーリーです。
いかにも金原ひとみらしい背徳小説です
アブノーマルな恋愛関係をテーマにした小説で、かなり刺激が強いですが、金原ひとみなら許される表現と領域だと思う。
綺麗事だけでは人間を語ることはできません。こういう世界は存在しているのです。肯定できるかできないかは読者次第。
狂気の理由、必然がわかるような気がする
拒食症と錯乱癖がある女性が主人公。彼女は自分の狂気を錯乱時に書いた文章を読む事で認識しています。他者から見れば、彼女の平常時の食べ物に関する嫌悪感や、錯乱時の文章などはまったく理解も共感もできないものでしょうが、この作品を読むと彼女なりの、哲学や美学がそこにあるのだということを分からせられてしまいます。
ぶちまけられる言葉の奔流に酔いしれる
心を病みながらも何とか社会生活を送っている女性作家の日常と、彼女が綴る乱文とも散文ともつかぬ文章が織りなす得体の知れない空気を孕んだ物語です。
ストーリーはあるような、ないような。揺れ動く主人公の精神状態が紙面から伝わるかのように読んでいる間中ずっと胸がざわつきます。不快感すれすれの感覚が気持ちいいです。
愛と本当の自分を渇望する女性の切なさ
カメラマンの彼氏を持つモデルの女性が主人公。誰もが羨むような二人の関係だが、主人公の心の中は葛藤だらけです。モデルとして、商品としての価値を保つため、食事は噛むだけで飲み込む事はしない「噛み吐き」と言われる行為を日常的に行っています。本当の自分では彼に愛されないのではないか、彼は本当に自分を愛しているのか、自分はどうなのか。そんな痛々しい心が読み進めるごとに切実に胸に迫ってきます。
平穏な日常が簡単に崩れてしまう恐ろしさを描いた作品。
4人の男女が大震災や子供の死などによって苦しみ、生きていかざるを得ない切ないストーリーが身につまされます。1人の1人のエピソードがリアルで、家庭が崩壊していくところでは読み進めるのが辛くなります。でも最後まで読み終わったときに爽やかな感動が残る名作です。
作者がたどり着いたのは『どこ』なのか?
ひとりの女性の人生のそれぞれの転機を連作短編の形で綴った小説です。
それまでの著作より文章がこなれている印象を受けます。それなりに波乱含みの人生でありながらその局面、局面を淡々と生きている様に見える主人公、今までの著者の本よりも文章から刺々しさが消えてマイルドになりラストに作者の成長を見ました。
日常は尊い。変わり続けながら歩き続ける人生もまた、尊い。
映画化もされた金原の代表作
吉高由里子の濡れ場で有名な「蛇にピアス」。
スプリッドタンに憧れる一人の少女ルイの話です。生きている実感ってどうやった湧くのだろうかということを考えさせられます。
特に震えたシーンは、ルイはアマにもらった二本の歯を砕いて飲み込む描写。それによってアマの愛の証を実感するという金原らしい独特の世界観がでていて一瞬で虜になりました。
金原ひとみのデビュー作はやはり外せない
映画化もされた金原ひとみの衝撃のデビュー作がこちら。マゾヒズムを持つ少女が主人公の青春ストーリーで、歪んだ愛情の中に見え隠れする純粋で切実な想いや、それを表現する独特の文体に惹きつけられます。金原ひとみ作品を読み始めるならまずは外せない1作です。
一気読み必至の金原ひとみの原点
言わずと知れた金原ひとみのデビュー作、芥川賞受賞も納得の鮮烈なインパクトを与える冒頭が印象的です。
痛みと流血を伴う身体改造を進めながら虚無的に生きる少女、ルイが最後に掴んだものとは何だったのでしょうか。
主人公が自らのからだに施す身体改造や度々出てくるセックス描写がセンセーショナルな印象を与えるものの、あまりにも切実な「生への実感」への渇望が読者にまで伝わってきます。
芥川賞史上最高に黒い小説
すごいの一言。こんな物語をまだ20歳そこそこの女性がよく書けたと思う。舌を改造するスプリットタンとか、とにかくアンダーグラウンド臭がすごい。
ラストには驚きの真相が用意されているのも、ミステリーテイストでさすがだと思いました。金原ひとみらしい、とても好きな作品。
自分の心とモラルと。
アンダーグラウンドの世界を垣間見た作品。人体改造という、怖くて美しいものに惹かれる主人公の気持ちが分かる。社会ではあまり受け入れられないものの、そこで生きていて、自分を創っている人達の寂しさと強さがなんとも言えない美しさを放つ。
ピアスにはまった女とパンク男の関係が面白い。
大人にはわからないピアスをする若者の気持ちや考え方がビンビン伝わってくる面白さがあります。ピアスにはまった女とパンク男の出会いを描きながら、見えてくるのは現代社会の無情な冷たさ。そこから這い上がろうとする若者の姿に感動します。
面白い!
この作品は映画の方が先に知っていたのですが、後から原作を読んでみるとやはり面白かったです。まず、発想力がすごいと思います。
ピアス、タトゥーなど、私には無縁のものなのですが、知識として初めて知ることが多くてとても新鮮でした。
デビュー作
金原ひとみ先生のデビュー作となる蛇にピアスは、初めて読んだとき衝撃でした。病んでる系の内容なので、無理だと感じる人もいるかもしれません。簡単に説明すると、若い女性の恋愛なのですが歪んだ愛情なので読むのに結構気合いります。
デビュー作
金原ひとみさんのデビュー作 映画化された作品として思い入れの深い書籍です。
まだ若い金原さんの言葉たちに何度読み返しても心揺すられます。良い意味でも悪い意味でもデビュー作らしい作品。
ギャップの違いに惹かれた。
当時かなり、話題になったので、病んでいる感じの小説ですが、芥川賞と文学賞の受賞作で、圧倒されました。読むと、気持ちが変わりますよ。
映画にもなりました。
売り出されるとすぐに購入したことを思い出しました。年齢が近いということもあり真っ先に読みたかったのです。自分とは別の世界にいる感覚を覚え、ただただ驚きました。